最近はやりの「ロレックス投資」は儲かるのか?

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突然ですが最近、ロレックスをはじめとする「高級腕時計投資」が流行っているのをご存じですか?
今年6月28日のテレビ東京のテレ東BIZ「コロナ禍で加速! 高級腕時計投資」でも紹介されたのが「ロレックス投資」なるものです。
ロレックスをはじめとする高級腕時計の相場が中古市場も含めて高騰し、投資としてのチャンスが到来しているというものでした。
今回は最近有名ないわゆる「ロレックス投資」についてお伝えしていこうと思います。

目次

取り上げられた「ロレックス投資」とは何か

テレビ番組でも取り上げられた高級腕時計投資

コロナ禍もあり、この1年余りで価格が急上昇したのがロレックス相場…という取り上げられ方をしていた高級腕時計への投資。
コロナ等による減産と需要変化がその大きな理由でもある一方、投資目的で購入をする人が増えたということも明らかにあるということです。
簡単に言うと、値上がりしそうなモデルを(新品・中古に関わらず)購入して値上がりするのを待って売りに出すことで利益を得る…というシンプルな形なのですが、シンプルなだけに奥が深いようで、だれにでも儲かるという訳ではもちろんなさそうです。

どのくらい値上がりをしているのか?

番組の中ではロレックス以外も含めていくつも値上がりの例を出していたのですがたとえば、

〇プラチナ製デイトナが19年に800万円→21年は1500万円
〇1年余りで2600万円上昇した超高級モデルもある
〇デイトナのあるモデルが5年前に230万円だったものが現在では400万円
〇番組内で実際に査定したオーデマ ピゲも購入時に89万円→260万円に

…などなど、話の内容だけを見ると「買って、寝かせておくだけで(少しは使用したのかもしれませんが)こんなに値上がりして儲かるの?」とびっくりしてしまう事例が続々と紹介されていました。
(今でもYoutubeに動画がありますので興味のある方は検索してみてください)

もちろんこうした「うまい話」ばかりでないのは言うまでもないでしょうし、それなりに知識のある人がそれなりの立ち回りをするからこそ…の結果と思いますが、チャンスの種がどこかに埋もれているかもしれない…と期待させるには十分な内容だったと思います。

紹介されていた「時計を買う際のコツ」とは?

〇ドレッシー(見た目がおしゃれ)な物よりもスポーツモデルがお勧め
〇新品よりも中古の方がもともと安いので損をするリスクが少ない
〇自分で購入する以外にも腕時計レンタルサービスに投資をして回収するという手もある

などといったことが番組内では紹介されていました。
もちろんテレビ番組なのでこうした情報はとても表面的なもので、詳しく知りたい方はネット検索をしてみるとかなり詳しい情報が出回っているようです。

調べてみて印象に残ったこととしてさらに分かってきたこととしては
〇新品で値上がりが見込めるモデルを購入するために「正規店回り」をする人もいる(これは「ロレックスマラソン」と言われているようです)ということです。

ロレックスの新品(値上がりしそうなモデル)を求めて正規店を回って購入しようとする…という行為はかなりの人がしているらしいのですが、ロレックスの運営側は転売前提で購入することについては当然よく思ってはいません。(ブランドは使ってもらってこそ…という当然の思いもあると思います)

もちろん違法行為ではないのですがこうした露骨な転売はお店側からは好かれる行為ではないので、そうした問題とどう向き合うのかというのは避けて通れないと思います。

ロレックス投資のメリットとデメリットは?

ロレックス投資のメリット

値動きが大きい(利回りが高い)

もちろんうまくいく場合の話ですが、投資信託など(数%)と比べても値動きが大きいので利益が大きい時は利回りがかなり高くなるという特徴があります。売却時の価格が購入時の2倍を超えるケースも成功例の中にはざらにあるようです。

税金がかからず変化に強い

税金については金額その他ケースバイケースなので絶対ではないのですが…。
少なくとも不動産投資などと違い売買するときの手数料や取得税などは発生しないのが普通です。
またインフレが起きた場合なども手堅い価値を発揮することが考えられますし、不況の影響で値下がりするケースも無くはないですが(過去の例からして)極めて短期的な影響で済むようです。

ブランド品の中では相場感が手堅い

値上がりが激しく投資としても有効なものとしては、他にエルメスの「バーキン」などが有名です。
これは購入価格も数百万円という世界なのですが、ロレックスなどと共通しているのは「過去のトレンドとして一貫して上がり続けている」ということです。
これからどうなるか…ということについてはもちろん絶対はないですし判断は自己責任なのですが、人気モデルの取引価格自体が上がり続けている…という過去の事実から見ると、「買えさえすれば」かなり手堅いと見ることもできるでしょう。

ロレックス投資のデメリットとは?

当然損をする場合もある

他の「株」や「不動産」などの投資にも言えることですが、投資に絶対はありません。
そのロレックスを購入した時の価格よりも安くしか売れない場合は当然損が発生しますし、損を確定させないために買った腕時計をいわゆる「塩漬け」にしてしまうことで機会損失が生まれる可能性もあります。
もちろん相場感の手堅さでは定評のあるロレックスですがどのモデルを選択して購入するのか…という点は知識や経験にも左右され、また成否を大きく左右することでしょう。
ここは言うまでもなく自己責任で…ということになります。

破損や状態変化に注意が必要

高級腕時計は精密機器でもあり、見た目もそうですがムーブメント内部のわずかな不具合などでも大きく価値を左右されてしまいます。
購入したロレックスを自身で使っていくのか、それとも保管メインで行くのかは人それぞれですが、破損や状態変化などについては他のアイテム以上に気を配っていく必要があります。
また紛失や盗難といったアクシデントも可能性はゼロではないので気を配る必要はあります。

もう一つ無視できないのは「維持するのにお金がかかる場面がある」ということです。
必要に応じて自動巻や手巻きの場合オーバーホールやタイミング調整をかける必要も出てきますし、クォーツ式の場合は電池交換が必要となってきます。
こうしたこと一つ一つにコストがかかってきますし、特にオーバーホールをする場合は数万円かかるとみておきましょう。

明らかな転売を狙う投資であれば古物商許可が必要なことも

「中古の腕時計を」「後日転売するという目的で」購入する場合は「古物商許可」が必要となってきます。
これについては新品の時計購入の場合は必要ないようですし、また中古の腕時計を買う場合も自身が使用して不要になったものを売るというつもりで購入するのであれば古物商許可は必要ありません。
(ただ購入してそれほど時間が経たないうちに売ってしまうのであれば転売目的と見なされても仕方ありません)

「転売目的で仕入れたのかどうか」ということについては確実な確認方法も無くグレーな部分もあるのですが「売り上げがどれほど少なくても」転売で仕入れるには古物商許可が必要ということがあるので本格的に取り組みたい場合はいざという時のために、視野に入れた方が良いかもしれません。
※資格取得は手続きに時間がかかりますが、コストとしては行政書士に頼んだ場合も数万円で済みます。

ロレックス投資を成功させるポイント

モデル選択が成否の8割を決める

よく株の世界でもいわれていることとして、「売買が成功するかどうかを左右するのは「売り時」ではなく「買い時(いつ買うか)」だ。買い時で失敗してしまうといつまでも売れなくなるし、買うまで我慢して成功すると売る時は楽」ということをよく聞きます。

ロレックスで利益を出すための細かいモデル選びについては、いろいろな情報が出回っており切りがないのでこちらでは割愛します。
ただ総じて「ロレックス投資が成功するかどうかはどのモデルを選んだかの時点で(買った時点で)8割がた決まっている」ということは言えそうです。

一般に言われていることとしては、
〇スポーツモデルであれば人気も高く、値上がりする可能性も高い
〇生産が終了したり、流通量が少ない物を狙うと良い
などというものがありますが、いろいろ研究して納得のいくモデルを買うためには色々お店を巡ったりすることも含めて相当苦労する…と考えた方が良いですし、逆に苦労して購入したものほど後々期待ができる、という考え方を持っていた方が良いでしょう。

購入後の扱いも重要

ロレックス投資をしていくのであれば、購入時より手放すときの方が価値は高い必要があります。
それはもちろん相場の上昇に後押ししてもらう訳ですが、それだけではなく腕時計の状態や付属品の有無などでも価値は左右されます。
新品を購入した場合はあえて使わないでおく、といった方法もあるのですが中古ロレックスも含めてもし使用するという場合、状態が悪くならないような扱いに加えて付属品などは絶対に無くさないような配慮も必要です。
いずれにせよ購入後ある程度の期間を置かないと相場は変化していかないこともあるので、腹を据えて扱う必要がありそうです。

様々なサービス利用も検討を

ロレックス投資で成功している人たちは当然のことですが、相場にも敏感です。
どのモデルの相場がどのように動いているのか…?ということについてはそうした相場のまとめサイト(たとえば腕時計投資.comのような)も存在しますし、そうしたところを活用しています。
すでにロレックス投資をしている人にはお勧めですし、これから検討している人もここで「相場感」を養いつつどのモデルを購入したいのか…?と考える参考にできると思います。

また値上がりしそうな新品のロレックスを購入するためのサポートサービスなるものも最近はぽつぽつと話を聞くようになりました。
ここまでするのはどうか…と思いますがそれだけ「値上がりしそうなロレックスを、熱意をもって購入している人が多い」ということができそうですね。

またサービスで変わったところとしては(番組内でも登場していましたが)「腕時計のレンタル投資」というのもあります。
これは中古の腕時計を購入しオーナーになることで、それがレンタルされるとその70%が収入になる…というシステムです。 一定の利回りを狙いつつできるだけリスクを避けたい…という人にとっては魅力的な内容かもしれませんね!

ロレックス投資のために必要な2つのポイント

結局活動量がものをいう

ロレックスなど高級腕時計の投資・転売についてはその場での売買成立で結果が出ますし、「たまたま買ったものの需要が高くなるかどうか」などの運要素も大きいです。
しかしろくに知識がなく、また「納得できるモデルを買う」ために行動するのではなく、なんとなく感覚や妥協で買ってしまう人であれば、うまくいかない可能性が高いのは言うまでもありません。

これは不動産や株など他の投資にも言えることなのですが、
〇どのような物を買えば上昇しそうなのか時間をかけて知識を勉強する
〇どのモデルを買うのか決めたら妥協せず、苦労してでも買えるまで行動し続ける
といったいわゆる「活動量をしっかりかけていく」ことが成功の秘訣だと思います。

少し精神論のように響きますが、「苦労せずにおいしい投資」というものはなかなかありません。
「買った後は、置いておくだけなので楽」な分、「買うまでに苦労する」と腹をくくるのが大切でしょう。

腕時計への造詣や愛着は大事

ここでいうロレックス投資において、ロレックスをはじめとする腕時計は「投資対象」と言えます。
しかしロレックスをはじめとする高級腕時計を単なる投資対象としてしか見られない…というのは少し寂しいと思いますし、実際にデメリットがある気もします。

ロレックス正規店でも、またリユースを含めて販売している店舗でも「露骨な転売目的のお客」というのはあまり好かれないものですし「売りたがらない」というのが現実です。
取引においても相手がどこまで信用してくれるのか…ということは大切ですし、腕時計に対する愛着や造詣がどこまであるのか…といった面は信頼感を大きく左右するかもしれません。

またいささか精神論ではありますが、ロレックスをはじめとする高級腕時計についてそうした愛着や造詣(←思い入れに支えられた豊富な知識という意味です)が強い人ほど、モデル選びでもそうそう大失敗はやらかさず、結果として成功を収める可能性が高いのではないでしょうか。

ロレックス投資については腕時計を投資対象として見ることに、賛否両論があると思います。
ただ現在では自己責任の世界ではありますが、事実上の投資として成立している側面もあり、興味のある人も大変増えてきたこともあり取り上げてみました。

読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

安井 理のアバター 安井 理 リユースライター

慶應義塾大学 文学部 人間関係学科卒。1999年より神奈川を中心に学習塾・結婚相談所・リユース専門店などを経営。特にリユース専門店は県内30店舗まで展開した後、戦略的バイアウト。以降は越境ECや業界特化型のライター・コラムニスト・アドバイザーとして活躍。

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