もし、ブランド品にカビが生えてしまったら?

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ルイヴィトンなどの革製ブランド品を査定していると、稀にカビが生えてしまったものに遭遇することがあります。
それ自体は日本の湿度が高いこともあるので当然ですし、また革製品は油断をするとカビが生えることはよく知られています。
しかし意外なのは、私の経験の範囲だとどちらかというとよく使いこまれたものより、逆に使わずにおいていて使用感があまりないものにカビが発生してしまうケースも多いようです。
とてももったいないなあ…と思うのですが、やはり改めてカビについては予防第一で、保管や使用後の習慣に気を付けるのが一番だと思います。
今回は、残念ながらカビが発生してしまった後にどうすればいいのかということをお伝えしていきます。

目次

まずカビを見つけたら何をすればいいのか?

乾いた布を使ってまず目に見えるカビを拭き取る

最初に取るアクションとしては、まず目に見えるカビを取り除くことです。
布を使って拭き取るのですが、その時注意したいことが2つあります。
〇拭くのは乾いた布を使うこと
〇ゴシゴシこするのではなく、あくまで「さっとふき取る」感じで拭く
ということです。

もちろん何回かぬぐい取るように拭き取ることが必要なのです。
しかしその際はカビのついている布部分が再びその場所に触れないよう、一拭きごとに布を持ち変えるなどして常に「布の新しく、乾いた部分」でふき取るようにしましょう。

専用クリーナーでその部分をきれいにする

目に見えるカビを落としたら、革用のクリーナーでその部分を磨くようにしましょう。
ルイヴィトンなどその革に使用できるかどうかについては、事前に確かめておく必要があります。

その際の注意点としては、
〇素材表面に直接クリーナーをかけて拭くことは避け(強力なので色落ち等の可能性あり)、ふく布の方にかけてから磨く。
〇クロコダイルなどのエキゾチックレザーには使用できないタイプのクリーナーも多いので、必ず適用できることを確認してから使用を決める。
ということです。

カビ再発を防ぐための2つのアクションとは

保管場所も対策が必要になります

クリーナーでカビを落としたことでひとまずの対処は終了です。
しかしカビは大変細かく、しつこいので再発の危険もあります。
そこで、ただ拭き取るだけではなくケアが必要になります。

まず大切なことは、カビが繁殖したその置き場所には目に見えないカビ菌が残っている可能性もあるので、「場所のクリーニング」をすることです。
例えばクローゼットに入れていたバッグにカビが生えたのなら、しばらくその場所を換気したりします。
また新たな除湿剤などを置いておくと再発は避けやすくなるはずです。
箱に入れた状態でカビが生えた場合なども同様です。
箱を換気したり、可能なら天日干しをしたりして殺菌と換気に努めましょう。

綺麗にした箇所の保湿作業も大切

カビが生えた箇所については、乾拭きの後クリーナー等でカビを取り除く…といった作業で対応します。
ただクリーナーできれいにすると、特に革製品の場合そのままでは問題が出てしまいます。
革製品の表面に本来必要な油脂分や栄養分などもクリーナーでかなりダメージを受けてしまうからです。

そこで通常は、クリーナーを付けた場所には革製品用の保湿クリームなどを使用して保湿をします。
長期的に見ればこれでかなり違ってくるはずですし、保護効果もあるので再発を防ぐことにも役立ちます。

カビ対処で、やってはいけない3つのNG行動

湿った布で拭くのは逆効果になる場合も

カビに限らず汚れたものは一見すると、「濡れたもので根こそぎ拭き取る方がきれいになるのでは?」という感覚になることがあります。
食卓や学校の床など、身近に濡れた雑巾や布巾で拭いて綺麗にするイメージを強く持っている私たちにとっては、自然な感覚ですよね。

しかしカビの生えたブランド品(特に革製品)については、濡れたものでふき取るというのは一見するときれいになりそうですが、後々2つの意味でリスクが出てきます。
まず濡れた布でこすることにより、デリケートな革の表面にダメージ(荒れるという意味です)が出やすく、乾いても元通りになるとは限りません。
また一度カビを取り去っても水分がその箇所に残っているので、カビ菌が残っていた場合再び繁殖することを促してしまい、再発する可能性もあります。(もともと湿気+汚れでカビが繁殖したのですから・・・)

つい濡れた布などでごしごしと落としたくなるところですが、初動で(クリーナーなどは別としても)湿った布でこすることはNGと思っておきましょう。

強い熱や光で乾かすのは危険

カビの程度がひどかった場合、カビの再発を防ぐために天日干しをして殺菌したい・・・!・・・という衝動が湧き上がってくるかもしれません(笑)。
確かに紫外線には殺菌効果があるのでカビの殺菌だけについて見れば、効果的と言えます。

しかし特に革製品のブランドの場合、直射日光を受けると日焼けにより変色・退色をする危険性があります。
またドライヤーなどで湿気を乾かしたい人もいると思いますが、高温の空気を吹き付けることで革表面にダメージ(乾燥によるひび割れなど)が出る可能性があります。

もちろんすでにかなり使用感があり、そこまで副作用に気を使わなくても…という場合は良いのかもしれませんが、まだまだ見た目に気を使い大切にしたいのであれば天日干しではなく「陰干し」程度で十分に、殺菌や乾燥はできると思います。

丸洗いその他の素人対応は大変危険です

また、カビの原因となる「汚れ」を落とすために丸洗いを検討・実行する人もたまにいらっしゃいます。
しかしブランドバッグというのはもともと丸洗いする前提で製作されたものではなく、特に革製品の場合濡れてしまうことで全体が劣化し、価値が下がってしまう可能性の方が大きいです。
カビの生えた部分が部分的であれば、例えば代替手段として重曹水や消毒用エタノールを使って掃除し、その後保湿をするなどの手段もあります。
しかしこれについても慎重にしないと素材への刺激が強く、「カビは落としたものの、拭いた跡がより目立つようになってしまった…」ということになりかねません。
(ちなみにルイヴィトンでは公式サイトで、アルコールを含む消毒剤については使用しないでください…と呼びかけています)

迷ったら業者さんに委託する方法もあり

ブランドバッグは買う時は高価なものです。
状態が新しく、価値が高い時ほどカビへのちょっとした対処のミスで、状態が悪化してしまうという「割に合わない」リスクも高いと言えます。
「ある程度カビの対処をしたが、どうしても落ちない」
「これ以上大胆なカビへの処置をするのは、価値が落ちそうで怖い」
「高いので、ちょっとした処置も素人ではしたくない」
といった場合については、迷うことなく専門業者に依頼するといいでしょう。

ブランドの中には、自社でクリーニングをしてくれるものもあるのですが決して多くはありません。
カスタマーサービスに問い合わせてみる価値はありますが、いわゆるリペアサービス(破損などの修理)には対応してくれても、カビ落としについては期待できないのが現状です。
そこでそうしたクリーニングをしてくれる外部の業者さんを探して、依頼することになります。
(相場は素材や状態にも左右されますが、1万円~3万円程度のところが多いようです)

いわゆるカビ抜きと言われるクリーニングをしてもらう訳ですが、それでもカビの程度によっては完全に元の状態&見た目に戻せることが保証されるものではない、ということだけ理解した上で、コスパに見合うかどうかで最終判断になると思います。

カビが生えてしまったバッグでも価値はあるのか

需要のあるブランドであれば売ることが可能

たまにある問い合わせとして「カビの生えてしまったブランドバッグを買い取ってもらえますか?」というものがあります。
単刀直入に答えを言うのであれば「知名度のあるブランドであれば、イエス」です。
とくにルイヴィトンについてこのような買取要望が多いのですが、よほどカビの程度がひどかったり、広がっていない限りは「一銭にもならなかった…」というケースはなかったと思います。
(それでも状態がひどい場合、買い取り価格が数千円まで落ちてしまうケースもありますが、ともあれ買い取りは十分可能です)

ブランド買取店としては総合的な状態を見て
「コストをかけてでもカビを解消し、それに見合った価格で再販売するか」
「このままの状態でも低ランク品として再販売するか」
という判断を迫られることになり、その結果として「査定価格」が返ってくる訳です。

どの程度の価値があるか見極めるにはぜひ査定に

一口に「カビが発生してしまった」と言っても、カビの種類(色)や発生した場所、どの程度の範囲に発生したのか(大きさ)、すでに何か対処をしたうえで現状なのか、またコストをかけてカビ抜きをする価値のある状態ランクなのか…など、いくつもの要素があります。
ルイヴィトンを初めとした知名度のあるブランドバッグであれば、「買取対象にはなる」ので安心していただきたいのですが、それでも上記のように、いくつもの要素が絡むので査定価格についてはケースバイケースになります。

ジュエルカフェでは、カビの生えたブランドバッグでももちろん最大限前向きに査定させていただき、価格をお伝えさせていただいております。
どうかお気軽に、ご相談いただければ幸いです。

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この記事を書いた人

安井 理のアバター 安井 理 リユースライター

慶應義塾大学 文学部 人間関係学科卒。1999年より神奈川を中心に学習塾・結婚相談所・リユース専門店などを経営。特にリユース専門店は県内30店舗まで展開した後、戦略的バイアウト。以降は越境ECや業界特化型のライター・コラムニスト・アドバイザーとして活躍。

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