最近はロレックスなどの高級腕時計はかなり価値が高騰していますね!
テレビ番組にも登場し、また先日のコラムでも取り上げましたが最近では「ロレックス投資」なるものまで登場し、値上がりを期待して購入する人たちも増えているほどです。
そして投資目当てなどは関係なく、普通に使用していく人たちにとっても万一手放すときはそれなりの価値を保っていてほしいものです。
また売却せずずっと使うという人たちにとっても長く良い状態を保ってほしいと思うのは当たり前です。
そこで今回は、ロレックスをはじめとする高級腕時計の機能・価値を落とさないための保管やメンテナンスについてまとめてみました!
ロレックスの時計の状態・価値を落とさないために
高級腕時計における「保管」の大切さ
前述しましたがロレックスを大切に保管し、正しいメンテナンスをする最大の目的は「ロレックスの価値・機能の2つを低下させない」ということです。
価値が低下すれば手放す際の価格が低下してしまい、投資目的で所持する場合は「失敗」する可能性も高まります。
また投資など考えていない場合も売却時の価格があまりにも安いと買い替えなどの時に都合が悪いですし、何よりも悲しいですよね…。
機能の低下についても価値と直結する面もありますが、これだけ高いコストをかけて購入しておきながらちょっとした不具合や時刻のずれなどにしばしば直面するようになってしまうと「何のために高いコストを払って購入したのか?」という気持ちにもなってしまいます。
ロレックス以外の時計にも言えることですが、こうした価値や機能の低下は(よほどの衝撃アクシデントなどを除けば)日々の保管とメンテナンスでかなり防げると言えます。
ちょっとした保管や手入れ、メンテナンスの習慣にちょっとしたお金と時間を投資することは決して損することはありませんし、いろいろな意味でコスパが良いと言えるのではないでしょうか。
「使わなければいい」というものではない
一般にロレックスなどの高級腕時計に限らずブランド品全般では、「使うほど中古品(リユース)での価値がなくなっていく」というのが常識です。
確かにブランド買取の現場でも「使用感の強いものはランクが低めになり、ないほど(使用していないほど)状態が良いとみなされて価格が高くなる」のが当たり前です。
ただロレックスについてはどうか? というと、必ずしもこれに当てはまらないということが言えます。
数字について一概には言えませんが、一般にロレックスは最低3か月に1回程度は動かした方が(使用した方が)良いと言われています。
理由として、基本的には定期的にゼンマイを巻いたり、動かしたりする前提で設計されているということもあり半年、一年というスパンで放置することはかえって良くない…という考え方があります。
仮にまったく使用しないとしても部品やオイルなどは時間とともに劣化していきますし、ゼンマイその他の機構を「まったく起動させない」状態で長時間経過することはむしろ時計としての健康を損なう…?
というイメージを持った方が良いのかもしれません。
例外として何らかの事情、目的で「手放すときに中古にしたくない。新品未使用の状態を維持しておきたい」という場合はこの限りではありませんが、少しでも使用していくのであれば割り切って定期的に着用するのが時計のため…と考えていいと思います。
ロレックスにやさしい保管方法とは
保管場所を決める4つのポイント
ロレックスを保管する場所は次の4つのものを避けた方が良いでしょう。
日光を避ける…
文字盤が日焼けのような形で変色する場合があります。 またベルトが革製の場合は痛みにつながるケースもあり、基本的には暗所での保管がお勧めです。
磁気を避ける…
電化製品全般ですが、特に電子レンジやPCやスマホなどに長時間近づけると内部パーツの稼働に影響を与えてしまい、モーターなどに狂いを生じ時刻の精度が狂う場合があるので注意です。
湿気を避ける…
機械式時計の場合、内側に一回湿度がこもってしまうと厄介なことになります。じめじめした場所はよくないのでせめて定期的な換気ができる場所にしたいものです。
落下しやすい場所を避ける
自身その他で棚などからケースごと落下をした場合影響がないとは言えません。
高所に保管する場合は軽く意識した方が良いと思います。
少し保管に気を使い過ぎでは…?感じる人もいるかもしれませんが、
時間ベースで見ていくとロレックスは着用している時間より保管時間の方が圧倒的に長いものです。
その大半の時間を時計に「どこで過ごさせるか」という判断は大切です。
保管アイテムに投資するのも方法
ロレックスの保管ということであれば、上記4つのものを避けるという意味でもまず購入時についてくる保管ケースの活用は必須という所でしょう。
外して何となく置いておくだけなのか、それとも保管ケースにその都度戻しているのか…
使用頻度や生活習慣によるのでしょうが、ひと手間かけてでも「ここに戻す」という習慣で丁寧に扱われたロレックスの状態は変わってくるものですし、誰にでもできる取り組みだと思います。
また複数本ロレックスがある場合は「コレクションボックス」のように複数収納できるケースも比較的安価に販売されているので保管場所としてはお勧めです。
さらに一歩進むのであればただ収納するケースだけでなく「ワンディングマシーン」を活用する手もあります。
ワインディングマシーンは収納ボックスと見た目は似ていますが、回転やスイングなどで無理のない振動を与えてくれるので特に自動巻き式時計の場合、着用しない期間が長くても問題が起きず、自動的に装着せずにもゼンマイを巻いてくれるメリットがあります。
ロレックスの自動巻きモデルを所有するオーナーには特にお勧めです!
ロレックスを長持ちさせるメンテナンス
ロレックスの公式サイトには「毎日のお手入れ」というタイトルで以下のようにあります。
“ロレックスが誇る専門技術により、時計には毎日のお手入れはほとんど必要ありません。 時計の輝きを保つために、時折マイクロファイバークロスで拭いてください。また、ケースと金属製ブレスレットは、石鹸水と柔らかいブラシで洗うこともできます。時計を洗浄する前に、防水性能を確保するためリューズをケースにしっかりとねじ込んでください。”
ここにあるように、毎日のお手入れなしでも状態を保ちやすいのがロレックスの「高級時計たるゆえん」とも言えます。 ただ実際に高級腕時計は「ともかく使えればいい」というだけでもないので機能だけでなく見た目を保つためにもした方が良い日々のメンテナンスも存在します。
汗と脂はロレックスの大敵です
日常的に使用と保管を重ねる中で、ロレックスにとって一番の大敵は人体から出る汗や脂です。
素材が金属なので大丈夫だろう…という人もいますが決していい影響を与えないものです。
特に、単に汚れるだけならいいのですがその汗や脂の汚れを長時間付着させたり、それを拭かずに乾くことを繰り返していくとやはりステンレスなども腐食につながります。
ステンレススチールは酸化被膜を作り出して錆の発生を防ぐので錆びにくい印象がありますが、汗や汚れで酸素の供給が妨げられると錆につながる…ということです。
ともかく
「汚れを付けたまま、そのまま放置して乾かさない」
これが基本と言えるでしょう。(特に夏場は注意が必要と言えそうです)
日常的に習慣としてできることは2つで、
1.毎日新たについた汗や脂、そして細かい汚れをふき取っておく
2.定期的にゴミがたまりやすい部分をピンポイントでクリーニングする
ことが必要です。
毎日の拭き掃除の方法とは
これについては難しいことはありません。
単純に言えばロレックスのムーブメントやベルトなど、人体や外部に触れる部分をふき取っておくことです。
素材についてはよく売られているマイクロファイバークロスなどで十分で、これは選択して再利用もできる代物ですがこだわりのある人はセーム革など専用素材で拭いています。
素材について難しく考えることはないのですが一つだけ注意したいのは、目立つゴミ(砂など)が付着した状態で拭いてしまうと表面でゴミが擦れてしまい細かい傷になるケースがあるので、息を吹きかける等して取れてから拭くといいでしょう。
定期的なクリーニングのポイント
毎日ではないものの定期的に掃除や手入れをしたい主なポイントは以下のとおりです
〇ケースとブレスパーツの接続部分
〇ブレスレットのコマ接続部分
〇リューズや回転ベゼルの隙間部分
などなど、「隙間」を意識して知らない間にたまった汚れやほこりなどをきれいに掃除する…ということが基本になります。
ブレスレットの構造によってはコマの間やケースとの付け根部分も要注意なのですが、特にリューズやベゼルについては本体との隙間にほこりなどの異物がたまるとうまく回転しなくなり、動作不良の原因にもなります。
隙間なのでクロス(布)でうまく掃除しづらいこともあり、爪楊枝や柔らかめの歯ブラシなどを活用して手入れするのがお勧めです!
オーバーホールも検討の余地あり
所有者自身による日常の拭き掃除や定期的な隙間のクリーニング以外にできることとしては、定期的な「オーバーホール」があります。
オーバーホールは所有者自身では目の届かないムーブメントの内部機構について、ピアノで音を合わせる調律をするように精密な調整を行うことです。
一定期間メーカーさんなどに預かってもらってオーバーホールするのが一般的ですが、ロレックスの場合相場は数万円で、販売価格と比べてそれほど割高なメーカーではありません。
安心して使用を続ける、また価値を落とさないためにも年単位で保有・保管していく場合、オーバーホールを活用するのも有効です。
ロレックスの長期保管に成功するマインドとは
メンテナンスのコスパを前向きに考える
唐突な例かもしれませんが、みなさんは5万円のツアー旅行に参加するとして、500円のガイドブックを買いますか…?
答えは人それぞれだと思いますが仮に旅先の情報源が(ネットや現地の案内など)ガイドブック以外あまりない場合は、買うという選択をする人も多いのではないでしょうか。
例は適切でないかもしれませんが、余計に1%のコストを投じることで旅先の喜び・楽しみが倍増することもありますし、逆にそれをケチってしまうことで本来の魅力を味わえなかったりすることもあるはずです。
ロレックスにおけるメンテナンス・保管のコストはオーバーホールやケース代などの金銭的な部分もありますし、毎日拭く・定期的な掃除など時間的な部分もあります。
どちらのコストについても買った時の価格を考えれば数%程度と考えることができますし、それによって数年後の価値も大きく左右されるのでこうしたコスパについても前向きにとらえることをお勧めします。
愛着があるから磨くのか、磨くから愛着が出るのか
マインド的な部分で最後に禅問答のようなことを言って申し訳ありません(笑)。
私の友人で以前、高級なロレックスを購入したもののあまりメンテナンスをせず数年を過ごしてしまい、
「私はロレックスがあまり好きではないのに買ってしまったのだろうか…?」
と少しネガティブなことをぼやく人がいました。
話を聞くとその友人はたまに着用するものの何となくその時計を放置する時間が長くなり、もちろんろくにメンテナンスもせず保管にも気を遣わずいる間に
「自分は時計好きだと思っていたが違ったのか?」
「買う時は本当に大切にするつもりだったが結局自分は飽きてしまったのか?」
「自分程度の思い入れではこの時計を持つ価値はなかったのではないか?」
という方向に思考を進めてしまったようでした。
熱心な人が聞けば笑ってしまうようなぼやきなのですが(笑)、高いお金を払ってこれでは…ということで私にはその気持ちが少しだけ分かります。
ただ私に言わせれば、
「愛着があるから磨く」のではなく、
「磨くから愛着がわいてくる」のだと思います。
ロレックスを始めとする高級時計の知識については、勉強をすれば身に着きますし詳しい人は多いです。
しかしロレックスへの愛着・思い入れ・造詣については日ごろのお手入れなどの行動で「育てていく」ものだと私は思っています。
手入れをしないから自分には愛着がなかった、自分は時計に対して冷たかったということではなく、手を動かすことで愛着を育ててこなかった、逆に言えばこれからでも育てられる…ということだと思うのです。
最後に精神論的なことを言ってしまいましたが、保管にしてもお手入れにしてもちょっとした「習慣」作りの問題だと思います。
時計に優しい習慣を仕組み化することで、その価値を保つだけでなく愛着や造詣も育てていければ最高だと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。