ブランド時計の買い取り相場を左右する事情とは?

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ロレックスやオメガなど、いわゆるブランド時計を買取査定した場合、会社によって査定金額に大きな差が出ることがあります。状態は今ひとつなのに、思わぬ高値を提示されたという場合もあればその逆もあり、正直「人気ブランドの時計なのに、買った時と比較して、意外なほど安い金額しか提示してもらえなかった」というケースもあります。

同じブランド、そして似たような時計の状態であるにもかかわらず、なぜこのような違いが出てきてしまうのでしょうか。「人気ブランド時計の買取金額で大きな差がつく理由」について、いくつかの理由を紹介していきます。「なぜ?」と思った場合はもちろん、これから先の失敗を防ぐためにも、ぜひ参考にしてみてください。(※このコラムでは、買取業者における一般的な要素について説明しているので、当社についての情報とは異なる場合があります。)

目次

買い取り金額を分ける4つの要素とは

1. 本体の状態が良いか悪いか

同じ人気ブランド、人気モデル品番であっても、中古となっている時計の現在状態が査定金額に影響を与えるケースは多いものです。典型的な例としては
〇故障していて動かない、または狂いを生じている。
〇適切なメンテナンスを行った形跡がない。
〇付属品が欠けている。
〇本体に傷がある。
などです。

もちろん一般時計と違いブランド時計、特にロレックスのような人気ブランドであれば、仮に故障や傷があってもほとんどの買取OKとする業者は多いものです。ただしこうした場合、業者さんから見ると買取後にきちんとした修理・メンテナンス(オーバーホールなど)をした上で販売する必要があり、その部分のコスト(費用)を計算に入れて買い取り金額を下げてきます。このため、買取金額を提示されたときに「こんなに安いのか」とがく然としてしまうケースも少なくありません。

また高級ブランド時計になれば、「所有欲を満たす」ことにこだわる方も多くなります。付属品がそろっていないアイテムは需要が低くなり、その分買取金額も控えめになってしまいます。

2. 同じブランドの中でも人気があるかどうか

たとえば同じロレックスブランド、そして似たような商品の状態であっても「提示された買い取り金額が、買ったときの金額と比べると会社によってかなり違う!」というのはよくあることです。(例えば100の価格で買った時計について、かなりいい状態でもある品番の時計では50で買い取ると提示され、別の品番では30でどうですか?といわれるなどです)

これはやはり「人気があるかどうか」ということが大事で、人気のあるものほど当然高値が付きます。逆にロレックスなどの人気ブランドアイテムであっても、全てのアイテム(品番モデル)が人気であるわけではありません。売却予定のアイテム品番が、いわゆる「不人気モデル」に当てはまっている場合、どうしても高価買取を期待するのは難しいはずです。

しかし、「自分の持っているモデルの人気の有無」はどうやって確認するのでしょうか?1つの目安としては「人気=流通量」と捉えることもできます。一番簡単な方法としてはたとえば「ヤフオク」などのオークションサイトで「ブランド名 モデル名 品番」などで検索をかけ、どのくらいの数が現在出品されているか見ていくのが早いと思います。かなりの数が出ていればそれなりに流通量が多く回転が期待できますし(つまり人気)、その逆に余り出品されていないのであれば「人気があり、品薄かまたはレア」と捉えることもできる一方で「流通量が少ないということは、実はそれほど人気はあまりないのでは?」と考えるのが自然です。※もちろん流通量が多いからといって「中古でも買い手がついて必ずすぐ売れる」とは言い切れないのですが…。

もしいわゆる「不人気モデル」を売却しようとする場合、買い取りする業者さんとしては「できるだけ転売して、より人気のモデルを入手したいのに・・・」と考え、長い間売れないのであればその分利益率を上げよう(つまり買い取り価格を下げよう)と考えるケースも多くなります。「買取してもなかなか売れない品番」の魅力度は、リスクが高い分低いと言わざるを得ず、買取の価格は安くなってしまう傾向があります。

3. 買い取り業者さんの販売力が大きいかどうか

中古時計を買い取る側から見ると、時計を転売することができて、初めて利益を得ることになります。(先にお金が出ていくわけです)仮に人気モデルで数日~1週間で確実に売れそうなものであれば、正直利益率を2割~3割程度まで下げてでもともかく買い取りたい! ということで高価買取に意欲を示せますが、その逆(売れるまでに数か月から一年を要するもの)の場合は、かなり利益率を上げないと(買い取り価格を下げないと)危険です。

「どれだけ早く売るか、売れそうか」ということを意識して査定する人は買い取り価格を設定するわけなのですが、「モデルの人気・不人気」以外に大きな影響を与えるのがこの「販売力があるかどうか」という点です。「販売力」というのは直接的な知名度ももちろん大切ですが、同時に「実店舗、ネット販売の片方だけなのか、両方あるのか」ということや、「実店舗でも立地や知名度など、販売に有利な条件を備えているのか」などで違ってきます。

買い取ったものの転売をする際のルート、それに販売力が高いか低いか、ということがかなり重要で、それ故にこそ大手で販売力のあるショップの場合高価買取について一般に有利といわれています。逆に「店頭のみの販売スタイル」(またはネットのみ)をとっている場合などは、その品物がある程度流通量のある人気モデルであっても、購入対象者は限られることから再販までの時間が長くなり、買い取り価格を押し下げる危険があります。「査定金額が妙に安い」と感じた際には、豊富な再販ルートを持つ業者かどうかということを確認したり、別の業者さんに査定を依頼してみることで、買取金額を高くできる可能性もあります。

4. 利益率をどのくらいとする方針なのか

ここから先は、それぞれの業者さんの方針に関わることなのでデリケートな問題ですが、それぞれの業者さんにも「これだけの利益率は確保しよう」というマニュアル的なものは当然存在します。現場の買い取りスタッフに大きい裁量を与えている場合もありますが、それでも最低限これだけの利益を確保して買い取り金額を設定するように」という目安はあります。

こうした「設定される利益率目安」というのは、中間マージンの設定に関わるので外部からはチェックが難しいポイントです。一般的に買取店は「買取した時計を転売し、利益を得てそこから給料や家賃などの経費を払う」ことになります。

したがって大規模店などの場合は多額のコストが必要になるケースもあり、より多くの利益を確保するために買い取り金額を抑制する場合もあります。(その一方で販売力も強ければそれで相殺、またはより以上の強気の買い取りになるのですが)だからこそ中には、「当社では中間マージン削減に向けてこんな企業努力をしています」とアピールしているケースもあります。

いずれにせよブランド時計の査定金額が意外なほど「安い」と感じた場合はこの4つに注目してみるといいと思います。1番や2番の項目については意識して下調べをすることで事前の予想を立てることもできますし、また3番、4番の場合は別の業者で査定を依頼することで状況が変わることもあります。高いお金をかけて購入したブランド時計だからこそ、売却するときも幾分かの行動をすることで納得のいく形に近づくのではないでしょうか。

読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

安井 理のアバター 安井 理 リユースライター

慶應義塾大学 文学部 人間関係学科卒。1999年より神奈川を中心に学習塾・結婚相談所・リユース専門店などを経営。特にリユース専門店は県内30店舗まで展開した後、戦略的バイアウト。以降は越境ECや業界特化型のライター・コラムニスト・アドバイザーとして活躍。

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