偽物の金の特徴と見分けるポイント
最近では、金の価格が高騰している影響で、市場に多くの金の偽物が出回っています。 特に初心者や一般の方が騙されやすいのが、金メッキや類似素材を使った製品です。 このような偽物が市場に出回る背景には、利益を優先した悪質な業者の存在もあります。
本物と偽物の違いを理解しておくことで、被害に遭うリスクを大きく減らすことができます。

金メッキが本物と偽る3つの手口
まず1つ目の手口は、「金メッキを厚く施し、重さや外観を金に近づける」ことです。 2つ目は、「刻印を偽造して本物と誤認させる」方法で、特に「K18」や「24K」などが使われやすいです。 3つ目は、「銀や真鍮に金メッキを施し、本物のような色と光沢を出す」というものです。
これらの手口は巧妙であり、見た目だけでは見抜けないケースも多いため注意が必要です。 そのため、必ず複数の鑑定方法を組み合わせることが大切です。
注意すべき偽物の金の種類とは?
市場にはさまざまな金の偽物が存在しており、主に「金メッキ製品」「金張り製品」「金色合金製品」の3種に分類できます。
金メッキ製品は、金以外の金属の表面に薄く金をコーティングしたもので、長期間の使用で剥がれやすくなります。 金張り製品はメッキよりも厚めの金が貼られていますが、中身は全くの別素材です。 金色合金製品は、見た目は金に似ていても、実際は銅や真鍮などの合金でできており、価値はほとんどありません。
どのタイプも見た目では判断が難しく、信頼できる鑑定が欠かせません。
偽物によく使われる代替金属と特徴
偽物に使われる代替金属としては、真鍮、銅、タングステン、ニッケルなどがあります。それぞれに金とは異なる性質があり、知識を持っていれば見分けるのは難しくありません。
金属名 | 金との違い | 見分けるポイント |
---|---|---|
真鍮(しんちゅう) | 色味が金に似ていて、重さもそこそこある | 経年で黒ずみやくすみが出やすく、酸に弱い傾向がある。カット部分やエッジの色がやや緑がかることもある。 |
タングステン | 非常に比重が高く、重量感が金に近いが、色合いがやや鈍い | 表面がやや暗く、グレーがかった光沢。加工が難しく形状が単調なことが多い。磁石にも反応しやすい。 |
銅 | 赤みがあり、経年で緑青(サビ)が発生しやすい | 長期使用で緑色のサビ(緑青)が出る。表面に赤銅色が残ることがある。 |
本物の金と偽物の見分け方
本物の金と偽物の違いを知っておくことは、とても大切です。いくつかのポイントに注目すれば、専門的な知識がなくても見分けられる可能性があります。ここでは、そんな見分けのポイントを順番にご紹介していきます。
一目でわかる?本物の金特有の輝きと色合い
本物の金は、独特のやや赤みがかった黄色い輝きを持っており、他の金属では再現が難しいと言われています。 純金(K24)は特に柔らかく、鮮やかな黄味を帯びているのが特徴です。 K18(金75%)やK14(金58.5%)になると、混ぜられた金属によって色がやや鈍くなります。
一方、金メッキや金色の合金は輝きが不自然に強すぎる場合があります。 見た目だけでなく、自然光や蛍光灯で見比べることでその違いがよくわかります。
金の純度による特徴の違いはこちらの記事でも紹介しています。【24金とは?18金や14金との違いや高額で売る方法などを解説!】
手に取るとわかる重さと質感の違い
金は非常に比重が高く、一般的な金属に比べて「ずっしり」とした重さがあります。 例えば、同じサイズの鉄や銅よりも金は明らかに重く感じます。 また、表面の質感もなめらかで、冷たい感触と高級感があるのが特徴です。 金メッキや合金製品は比重が軽いため、持ち比べると違いは歴然です。
こうした感覚的なポイントも、金の真贋を見極める大きな手がかりとなります。

経年変化で見分ける!本物と偽物の劣化パターン
本物の金は酸化しにくく、何年経ってもほとんど変色やサビが発生しません。 一方、金メッキや偽物の金は、使用年数に応じて変色したり、表面が剥がれてしまうことがあります。 特に汗や水分、化粧品などの影響を受けやすく、黒ずみや緑色のサビが出るケースもあります。 経年劣化が見られる場合は、偽物の可能性が高くなります。 保管方法が同じでも、変化の仕方で真贋を見分けることができます。
自宅でできる!金の真贋を見分ける7つの方法
金の偽物を自宅で見分けるための簡単な方法がいくつかあります。 この項目では、手軽な道具や身近な方法を使って、安全に確認できる手段をお伝えいたします!
磁石テスト – 金は磁石に反応しない?
金は非磁性の金属であるため、通常の磁石には一切反応しません。 この性質を利用して、簡単に本物かどうかを確認する方法が「磁石テスト」です。
やり方はシンプルで、強めの磁石に金製品を近づけてみるだけです。 もし磁石に引き寄せられるようであれば、その製品は金ではなく、他の金属が使われている可能性が高いです。 ただし、一部の合金や接合部分に微量の磁性金属が含まれているケースもあるため、単独の判断には注意が必要です。
磁石テストについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。【金を見分ける!磁石で本物判定の衝撃テクニック】
水を使った比重テストで簡単チェック
金は非常に比重が高く、水中での重さを測ることでおおよその真贋を見分けることができます。 この方法では「空気中の重さ÷(空気中の重さ-水中の重さ)」という計算式を用います。 金の比重はおよそ19.3で、他の金属とは明確に差があります。 実際には、精密な電子秤とメスシリンダーなどを使うとより正確に測定できます。 家庭での簡易テストとして使う場合には、複数回行って誤差を確認するのがよいでしょう。

表面の剥がれをチェックして偽物を発見
金メッキ製品は、使用や経年によって表面が剥がれてくるのが特徴です。
特に角の部分や細かい装飾部分に注目すると、下地の金属が見えていることがあります。 こうした剥がれは、見た目では判断しにくい偽物を見破る重要なヒントになります。 メッキが剥がれている部分では、色が違っていたり、金属の光沢が異なることがよくあります。 また、洗剤や摩擦で変色する製品も多く、長期間の使用で差が明確になります。
試金石を使った本格的な鑑定方法
試金石は、金の純度を調べるために使われる黒い石で、プロの鑑定士も使用する道具です。
方法は、金属を試金石に擦りつけ、その線に試薬(酸)を垂らして反応を見るだけです。 純度の高い金ほど酸に溶けにくく、線が消えにくいという性質があります。 K18やK14などそれぞれの純度に対応した試薬を使い、変化を比較することで判断します。
この方法は精度が高いため、自信を持って真贋を判断したい方におすすめです。
金の刻印の見方と偽造刻印の見破り方
偽物の判別には、刻印の確認も重要なポイントです。 正規の金製品には、その純度や製造国を示す刻印が必ず刻まれています。 一方で偽物には、これを模した偽造刻印が施されていることもあるため注意が必要です。 ここでは正しい刻印の見方や、偽造刻印の見抜き方、信頼できる業者の選び方などを解説します。 購入前のチェックポイントとして役立ててください。
国内外の正規刻印パターンとその意味
これらは金の純度を千分率で表しており、信頼できる製品の証でもあります。 また、製造元のマークや国際的なホールマークが入っている製品もあります。 正規品の刻印は、均一で読みやすく、歪みや不自然な凹凸がありません。
純度の表記について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になります!【金の純度とは?【2025年最新】24金・18金の種類と見分け方完全ガイド!】
偽造されやすい刻印とその特徴
偽造刻印の特徴としては、刻印の位置がズレていたり、文字が浅く不鮮明であることが多いです。 また、表面が粗く仕上がっていたり、文字の間隔が不自然な場合も疑うべきサインです。
中には安価な刻印機を使って、自作で本物に見せかけているケースもあります。 金メッキや合金製品に「K18」などの刻印を打っている悪質な例も報告されています。 刻印があるからといって安心せず、他のポイントと合わせて真贋を判断する必要があります。
信頼できる販売店・買取店の選び方
金製品を購入・売却する際には、信頼できる販売店や買取店を選ぶことが大前提です。 目安としては、長年の営業実績がある、資格(古物商許可など)を持っている、店舗やWebサイトで詳細な説明をしているなどが挙げられます。 また、全国に複数店舗を持つ大手や、口コミでの評判が良い業者も安心材料です。
購入前に確認すべき5つのポイント
金製品を購入する際には、事前のチェックがとても重要です。見た目が本物に見えても、信頼性のない取引では偽物をつかむリスクが高まります。
- 刻印の有無とその内容(「K18」「750」など)が明確であること
- 製品の色や輝きが自然で不自然な光沢がないか
- 販売元が信頼できるか、実店舗が存在するか
- 返品対応や保証制度が整備されているか
- 価格が相場から極端に外れていないか(安すぎないか)
これらの5つのポイントを意識することで、安全かつ納得のいく購入が可能になります。
よくある質問
Q. 金メッキと本物の金は見た目で判断できますか?
A. 見た目では見分けがつかないこともありますが、色の深みや光沢の自然さ、表面の剥がれなどで判断できることがあります。複数のテストを併用することをおすすめします。
Q. 自宅でできるテストで確実に真贋を判定できますか?
A. 自宅でのテストはあくまで目安です。磁石テストや比重測定などで判断はできますが、正確な判定には専門店での鑑定が確実です。
Q. 刻印が「K18」なら本物と考えてよいですか?
A. 刻印だけでは判断できません。偽造刻印も多く出回っているため、刻印以外の特徴や信頼できる店での購入・確認が大切です。
Q. 偽物の金を買ってしまった場合どうすればいいですか?
A. まずは販売店に連絡し、返品や返金に対応してもらえるか確認しましょう。信頼できる店舗で購入することが一番の予防策です。