ブランドの買取をしていると、一番多くお客様が持ち込んでくるのがルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)だと言えるでしょう。知名度もあり流通量も多く人気なので、それだけ買取店の方でも目にすることが多く情報量も多いものです。一方で状態などによって価格に差が出やすい一面もあります。今回はその「ルイ・ヴィトン」の買取で、どんなポイントによって差が出やすいのか、バッグや財布などに絞って一部お話ししていきます。
状態によって査定価格の分かれやすいのが「ルイ・ヴィトン」です!
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)は、ほかのブランドと比べて状態によって買取価格が大きく差が付きやすいブランドといえます。その一番の理由はなんといっても流通量の多さで、「売りたい人(=中古品の供給量)」が大変多いものですから、その中でかなりいい状態のものでないと高く買ってもらえない…という需要と供給の一面もあります。
※特にいろいろある柄の中でもモノグラム柄(こげ茶色の地にプリントが施されているもの)は、特に差が付きやすく、同じ品番でも買取価格が数十倍も異なるケースも見られます。
またルイ・ヴィトンは多くが革製品なので、無機的なものと違い湿気や汚れなどで状態が変化しやすいのも理由として挙げられるでしょう。
価格の分かれ目になりやすいのは「外」よりも「内側」です!
価格を左右するものとしては付属品(保護袋など)の有無などもあるのですが、なんといっても一番大きいのは本体部分の痛み、汚れ、使用感の程度です。
まず外側についてですがこれはかなり分かりやすく、端の部分の汚れや擦り切れ具合、本体の汚れや色あせ、取っ手部分の痛みなど、多くは目に見える部分で査定されていきます。
ただ現実的に現場で価格を左右しやすいのは外よりも中の状態であると言えます。外であれば日ごろ汚れも目立ちますし手入れやふき取りなどで対処もしやすいので、意外と買取の現場でも「どうしようもなく汚れてしまっている」ということは少ないのですが、中は別です。
ルイ・ヴィトンなどの革製品でよくあるのが「中ベタ」と呼ばれる現象です。あまり使われていない革製品の内部が湿気などで変質してしまい、ひどい場合は使い物にならなくなる現象で、多くの場合はこの「中ベタ」の程度を調べることで価格が左右されてきます。
バッグやカバンなどの内部で、中に物が入っていない状態でずっと置いておくと湿気のせいで革が変質し、両側からだんだんと粘着するよう(くっついたままに)になってしまいます。程度が進むと反対側の表面をはがしてしまったり、きついにおいを発してしまったり、ひどい場合はカビの原因になってしまうこともあります。
こうなると財布やバッグなどを「入れ物」として見ると、入れるものが汚れたり匂いがついたり、出し入れ自体ができなくなって機能しなくなってしまいます。これは外側が汚れるよりはるかに実害が大きいので、価格が外側以上に左右されていくわけです。ルイ・ヴィトンで外側は新品同様にきれいなのに中はべたべたで変色してしまい匂いがきつい…そういう場合は残念ながらいい価格を付けることができず申し訳ないなあ…と、とても悔しい思いをすることも査定する現場ではよくあることです。
日ごろのメンテナンスが物をいう、ごまかしの効かない場所こそポイントになります。
中古品を売る場合はもちろん見た目が大切です。どのくらいの使用感(中古っぽさ)が出ているかに関心が行ってしまうのは分かります。買い取りに出す前に外側をクリーニングしてできるだけ汚れや使用感を落とすのも大いに意味があると思います。
しかし内側の場合、一度中ベタになってしまうとこれを元に戻すことは困難です。言葉は悪いのですが直前に何かをしても中々ごまかしがきかないのです。中ベタを防ぐためには日ごろからある程度開閉して使用すること、乾燥剤などを入れて湿気を防ぐこと、たまに乾燥した場所で空気を入れることなど日ごろの配慮やメンテナンスが物を言います。
同じルイ・ヴィトンでもモノグラム以外の柄(ダミエやマルチカラーなど)は、それほど流通量もない分中の状態で価格差がそこまで出てしまうことは少なめなのですが、やはり中の状態で減点されやすいのは同じです。
ブランド品の場合「使わない」のと「大切に使う」ということは全く違うものです。ぜひ中の状態にも気を配って、いいコンディションをキープしていきたいものです!