エルメスといえばバーキンやケリーをイメージしますが、これらのバッグの由来はなんなのですか?
どちらのバッグも、ある女性の名前をつけています。女性の悩みに向き合ったそれぞれのバッグの歴史を知れば、より好きになるはずです。
女性の名前なんですね。由来について、詳しく知りたいです!
それでは、エルメスの歴史やバーキンとケリーの由来について解説します。
エルメスとは|初めはファッションブランドではなかった
長い歴史のあるエルメスは、創業当初はファッションブランドではありませんでした。
エルメスの歴史やこだわりについて、詳しく解説します。
エルメスの歴史
エルメスの創業は1837年です。
創業当初はファッションブランドではなく馬具の製造ブランドでした。
エルメスのロゴマークがデュック(四輪馬車)とタイガー(従者)である理由も、エルメスが馬具のブランドだったからです。
エルメス社の作る鞍はクオリティが高く、1867年のパリ万博で銀メダル、1878年にはグラン・プリを受賞しています。
しかし、自動車の発達により将来の馬具の衰退を察知した3代目のエミール・モーリス・エルメスは、馬具以外の製品の開発を進めます。
例えばオータクロアと呼ばれる鞍入れは旅行用バッグとして発展し、革製の婦人用バッグは女性の社会進出に伴い人気が増加していきました。
その後エルメスは女性のファッションブランドとしての地位を築き、現代へと歴史を継承しています。
エルメスの商品の変遷について
ここではエルメス商品の変遷について、主な製品の年表を紹介します。
年 | 内容 |
1837年 | エルメスが馬具の製造ブランドとして創業 |
1900年頃 | 鞍入れとして「オートクロア」バッグを発売 |
1922年頃 | 世界初のファスナー付きバッグ「ボリード」を発売 |
1936年 | 「サック・ア・クロア」を販売 |
1951年 | シルク・スクリーン技術で制作したスカーフ「カレ・エルメス」を発売 |
1956年 | 「サック・ア・クロア」が「ケリー」に改名 |
1984年 | 「バーキン」を発売 |
現在もバーキンやケリー以外のさまざまなバッグが登場しており、エルメスの伝統を受け継いでいます。
エルメスのこだわり|職人が丹精込めて制作する
エルメスのこだわりは「職人技の伝承」で、ひとつの製品をひとりの職人が一括で仕上げている点です。
これはエルメスが馬具職人として製品の制作から販売までを全て対応していたことが理由でしょう。
製品には製造年とアトリエ、職人がわかる刻印が施されており、修理をする際も担当した職人が対応する場合もあるそうです。
職人を大切にするからこそオーダーメイド制作が実現し、商品の価値を高めているといえるでしょう。
エルメスは創業当初から職人の継承という考えを大切にしている点が素敵です。
馬具職人だったエルメスだからこそできる取り組みです。
エルメスのバーキンとは|歴史や由来を知ればより好きになる
ここからは、エルメスの代名詞といわれるほど有名な「バーキン」について、歴史や由来について紹介します。
- エルメスのバーキンの歴史
- バーキンのバッグの特徴
- バーキンという名前の由来
それぞれ見ていきましょう。
エルメスのバーキンの歴史|サイズが豊富な点が魅力
エルメスのバーキンは1984年に発売されました。
荷物を最大限に収納できるように設計されたバーキンは、大きさの展開に合わせてさまざまな人が利用できるよう設計されています。
バーキンの特筆すべき点は、発売当初から外見のデザイン変更がされていないところです。
そのためバーキンは「不変的なシンボリックな存在」として、資産価値が増加しています。
グラフからも分かるように、バーキンの国内定価は年々増加しています。
発売当初から価値が上がり続けているバーキンは、資産として保有する人もいるほど、価値のある商品といえるでしょう。
バーキンの由来・意味
バーキンの名前は、イギリス出身の女優兼歌手 「ジェーン・バーキン」が由来です。
彼女は荷物の整理整頓が苦手で、いつも大きなバスケットに荷物を詰め込んでいたそうです。
ある時、ジェーン・バーキンとエルメスの5代目社長ジャン・ルイ・デュマが飛行機の中で隣の席になりました。
ジャン・ルイ・デュマはジェーン・バーキンの大量の荷物が詰め込まれたバッグを見て、「バスケットの中身をすべて入れられるバッグを作りましょう」と提案し、現在のバーキン40を制作しました。
2人が飛行機で隣りにならなければ、バーキンが生まれなかったかもしれません。
バーキンのバッグの特徴|収納力が最大のポイント
バーキンのバッグの特徴は「収納力」です。
バーキンの取手が2つある理由は、トートバッグのように蓋を開けたまま利用するためです。
蓋を開けたままでも見栄えが整うように、フラップ部分を中に折りたたむこともできます。
中身が多い場合はベルトを緩めて利用できるため、荷物の多い女性におすすめです。
サイズ展開は25〜50までの6種類です。
それぞれの容量や大きさをまとめました。
サイズ | 大きさ(縦×横×幅) | 目安の容量 |
バーキン 25 | 25cm×21cm×13cm | 長財布 携帯電話 |
バーキン 30 | 30cm×22cm×16cm | 電子タブレット(iPadなど) |
バーキン 35 | 35cm×27cm×18cm | ノートパソコン、B5サイズの書類 |
バーキン 40 | 40cm×29cm×21cm | 1泊の旅行に便利 |
バーキン 45 | 45cm×35cm×23cm | 2泊以上の旅行に便利 |
バーキン 50 | 50cm×40cm×25cm | 男性の旅行利用にもおすすめ |
表を参考に、自分の気になるバーキンのサイズを見つけてみてください。
バーキンが出来たきっかけが奇跡のような話でびっくりしました。
そうなんです。この2人が出会わなければバーキンが出来なかったと思うと、2人に不思議な縁を感じます。
エルメスのケリーバッグとは|バーキンと並ぶ人気商品
次に、バーキンと同じくらい有名なケリーについて見ていきましょう。
ケリーもバーキンと同じように、ある女性の名前を用いています。
今回は、ケリーの歴史や特徴、名前の由来について紹介していきます。
エルメスのケリーバッグの歴史|サイズが豊富な点が魅力
ケリーは、発売当初「サック・ア・クロア」という名前でした。
1892年に発売された「オータクロア」の原型を活用して、婦人用に改良したバッグです。
オータクロアは鞍入れから旅行用バッグとして活躍した初の婦人用バッグですが、サック・ア・クロアは女性が普段使いできるおしゃれな鞄をイメージしてデザインされています。
ケリーバッグの由来
サック・ア・クロアがケリーという名前に改名したのは1956年です。
改名の理由には、当時のモナコ王妃グレース・ケリーが関わっています。
彼女はハリウッド女優からモナコ王妃になったという経歴の持ち主です。
当時グレース・ケリーは妊娠をしており、パパラッチに大きくなったお腹を撮影されそうになりました。
その際に持っていたバッグで咄嗟にお腹を隠した写真が、雑誌「LIFE」の表紙を飾ることになります。
その写真がきっかけでサック・ア・クロアが世界的に人気になり、エルメスはモナコ王室に正式な許可をもらい、ケリーへと改名しました。
ケリーバッグの特徴|上品な女性をイメージ
ケリーのコンセプトは「上品な女性」です。
上品に見える秘密は台形型のシェイプと金具部分の工夫である「クロア」と「カデナ」、「クローシュ」にあります。
クロアはバッグとクラップを固定する部分の金具、カデナは金具部分につける南京錠を指します。
そしてクローシュは、カデナを開けるための鍵です。
鞄を開けるための金具類を高級感あふれるデザインにしたことで、女性の上品さや清廉さを表現しています。
また、ストラップがついたことで手を塞がずに利用できるようになった点も魅力です。
女性らしさを表現しつつ利便性と機能性を備えたことで、多くの女性に求められるバッグになりました。
ケリーのサイズ展開は以下のとおりです。
サイズ | 大きさ(縦×横×幅) | 目安の容量 |
ケリー25 | 25cm×19cm×9.5cm | 長財布 携帯電話 |
ケリー28 | 25cm×19cm×9.5cm | デイリーバッグとして利便性が高い |
ケリー32 | 32cm×23cm×12cm | コスメポーチ 飲み物 |
ケリー35 | 35cm×24cm×13cm | A4書類 |
ケリー40 | 40cm×28cm×16cm | 1泊の旅行が可能 |
ケリー25よりも小さいサイズは「ミニケリー」と呼ばれ、横幅が15cm、20cmのサイズも展開されています。
ケリーは女性の上品さを表現したバッグということで、グレース・ケリーの名前にちなんで改名したのはいいアイデアですね。
そうなんです。改名したことで女性の上品さを表現するバッグとして、より知名度が上がりました。
バーキンやケリーバッグを購入する方法|正規店では入手困難
バーキンやケリーをエルメスの正規店で購入したいという方も多いのではないでしょうか。
結論として、バーキンやケリーは正規店で販売されていることがほとんどありません。
正規店で売られていることが少ない理由や、購入する方法について解説します。
なぜ正規店ではバーキンやケリーバッグを売っていないのか
エルメスの製品は全て職人の手で作られており、ひとつの製品を作るのに時間がかかります。
特に人気の高いバーキンやエルメスは常に需要が高く、生産が追いついていないのです。
エルメスの公式オンラインストアを見ても、ケリーの商品で販売されているのはベルトや財布などの小物のみで、バッグの販売はしていませんでした。
エルメスの店舗に訪れたとしても、店頭にバーキンやケリーが並んでいる可能性は低いです。
購入するには、エルメスの正規店に頻繁に通ってチャンスを掴むか、正規店以外の場所で購入するかを選ぶ必要があります。
正規店でバーキンやケリーバッグを購入する方法とは|顔馴染みになることが大切
正規店でバーキンやケリーを購入するには、エルメスの店舗の顔馴染みになることが重要です。
顔馴染みになるには、以下の2つの方法を利用してみましょう。
- エルメスの正規店の利用率を増やす
- エルメスの商品を定期的に購入する
顔馴染みになるためには、エルメスの正規店を定期的に利用することが大切です。
複数の店舗に通うのではなく、ひとつの店舗に絞ると良いでしょう。
可能であれば、来店時にはエルメスの製品を身につけておくのがおすすめです。
また、エルメスの商品を定期的に購入することも重要です。
購入回数を増やせば、エルメスの利用率が高い顧客として認識されるでしょう。
信頼関係を築きつつ、バーキンやケリーに興味があることを印象付ければ、購入のサポートを受けられるかもしれません。
正規店でも手に入りにくいとは、かなりの人気なんですね。
バーキンとケリーは希少性が高いので、情報を得るためには定期的に通うと良いでしょう。
正規店以外でバーキンやケリーバッグを購入する方法と注意点
ここからは、正規店以外でバーキンやケリーを購入する方法を2つ紹介します。
- 並行輸入品を購入する
- 中古販売店で購入する
正規店以外で購入する場合、注意点を確認しながら購入を検討しましょう。
並行輸入品を購入する|正規品よりも値段が高い可能性がある
並行輸入品とは、海外の現地バイヤーや輸入販売契約を結んだ正規の代理店等を通じて日本に輸入される製品のことです。
正規品よりは購入のハードルが下がりますが、日本への送料や並行輸入品を販売する会社の手数料などによって、同じ製品でも正規品と比べて値段が高くなる可能性があります。
特にバーキンやケリーは人気があり、海外の店舗でも需要が高いです。
入荷してもすぐに完売することもあるため、見つけたらすぐに購入できるよう情報を集めておきましょう。
中古販売店で購入する|新品未使用品が見つかる可能性もある
新品にこだわりがなければ、中古の販売店で探すのもおすすめです。
バーキンやケリーは購入した後もなかなか価値が下がらないため、売りに出す人もいます。
手入れがされている製品であれば中古品でも問題なく使え、新品より安い場合もあります。
正規店以外で購入する場合の注意点
正規店以外でバーキンやケリーを購入する場合は、偽物かどうかの確認と、値段の比較を行いましょう。
エルメスの製品には保証書が付属していないため、保証書の有無で偽物の判断はできません。
製品を検討する場合は、鑑定済みの証明や返金保証の充実している店舗やサイトを選ぶと良いでしょう。
購入時には箱や保護カバー、正規店と同じ付属品が揃っているかも確認してください。
付属品の有無で、売るときの価値が大きく変わります。
また、あまりにも安い場合は偽物の可能性があるため、複数の店舗を比較して相場を把握しておきましょう。
エルメスのバーキンは正規店で購入するハードルがかなり高いことが分かりました。
生産できる数が限られているからこそ「エルメスを本当に好きな人に買って欲しい」というエルメスの製品に対する思いが伝わります。
バーキンやケリーバッグを高く売る5つのコツ
バーキンやケリーは入手困難であり、中古市場でも人気が高いバッグです。
もし使っていないバーキンやケリーをお持ちの場合は、一度査定に出してみてはいかがでしょうか。
バーキンやケリーを高く売る5つのコツについて解説します。
- 付属品を揃えておく
- 査定に出す前にメンテナンスする
- できるだけ早く売る
- ブランドの買取専門店で売る
- 複数の買取専門店で査定してもらう
①付属品を揃えておく
箱や保証書などの付属品はすべて揃えておきましょう。
とくに本物であることを証明できる保証書があると、高額の査定につながります。
箱や保証書などの有無で、査定額に数万円から数十万円の差が出ることもあります。
もちろん付属品があったほうが高くはなりますが、偽物でない限り買取はしてもらえるので、付属品がなくても諦めずに査定してみましょう。
②査定に出す前にメンテナンスをする
メンテナンスをして、綺麗な状態で査定に出すこともコツの一つです。
汚い状態で買取に出すよりも、綺麗にしてあったほうが高額買取につながるため、キズや汚れなどが付かないよう定期的に手入れしましょう。
また、バッグは湿気の多い場所や日が当たる場所での保管は避けてください。
定期的に換気を行い、型崩れしないように保管しておきましょう。
湿気はベタつきやカビの原因となるため、乾燥剤を置くのも効果的です。
③できるだけ早く売る
高く売るためには、できるだけ早く売ることがポイントです。
ブランド品は、基本的には時間の経過とともに買取価格が下がっていきます。
また、使わなくなったまま数年置いておくと、状態も悪くなりやすいです。
使わなくなった場合には、早めに売るようにしましょう。
④ブランドの買取専門店で売る
ブランド品を売る際には、ブランド品の買取専門店やブランド専門の査定員のいる買取専門店で売ることも大切です。
知識のあるブランドのプロが査定をしてくれるので、適正な金額を提示してもらえる可能性が高くなります。
また、買い取った後に販売するルートを多く持っていることや、高く売るために綺麗に掃除をする技術もあるため、ブランド品の買取専門店のほうが買取額が高い傾向があります。
⑤複数の買取専門店で査定してもらう
複数の買取専門店で査定してもらうことも高く売るコツです。
ブランド品は、全く同じ商品でも、業者によって査定金額が変わります。
少し手間はかかりますが、複数の買取専門店で査定してもらえば、査定金額を比較でき、より高い金額で売ることが可能です。
また、価格交渉がしやすくなるため、高額での買取が期待できます。
バーキンやケリーを売るときは、これらのポイントを意識したいと思います!
査定額が大きく変わる可能性があるので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
本記事ではエルメスの人気商品バーキンとケリーについて、歴史や名前の由来、特徴について紹介しました。
女性の名前が由来になっている2つのバッグは正規店で購入が困難なほど人気がある製品です。
購入すれば資産価値もあるため、気になる人は購入方法を参考にしてみてください。
- バーキンの由来は女優兼歌手のジェーン・バーキンに収納力のあるバッグをデザインしたこと
- ケリーの由来はモロッコ王妃が利用している様子が雑誌の表紙になったから
- バーキンもケリーも正規店で購入するには顔馴染みになることが重要
- 正規店以外で購入する場合は、保証や値段に注意が必要
- 高く売るコツは、「付属品を揃えておくこと」「査定に出す前にメンテナンスすること」「できるだけ早く売ること」「ブランドの買取専門店で売ること」「複数の買取専門店で査定してもらうこと」
バーキンやケリーの由来を知ったことで、より興味が湧いてきました。まずは中古販売店から探してみます。
中古販売店には思わぬ良品が隠れていることが多いです。複数店を比較して、気に入った製品を購入してみてください。
チャンスが巡ってきたときにすぐ購入できるよう、情報収集をしておきます!