円安で金価格はどう変わる?相場と売り時を徹底解説!

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円安と金価格の基本的関係

日本において円安と金価格の関係は、金を投資対象と考える際に非常に重要なポイントです。為替相場の変動は、私たちが国内で金をいくらで買えるかに直接影響します。

たとえば、国際的な金価格が変わらなくても、円安になれば円建ての金価格は上昇します。逆に円高になれば、同じ量の金でも安く買える可能性があります。

このように為替と金価格の連動性を理解することは、投資や売却のタイミングを見極めるうえでとても大切です。

円安・円高とは?わかりやすい解説

為替レートとは、日本円と他国の通貨(たとえば米ドル)を交換する際の比率のことです。

「円安」とは、1ドルを買うために必要な円の量が増える状態、「円高」とはその逆に円の価値が上がり、少ない円で1ドルが買える状態を指します。

たとえば、1ドル=100円から1ドル=150円になると円安です。これは日本円の価値が相対的に下がり、輸入品などの価格が上がりやすくなることを意味します。一方、円高になると海外製品が安く手に入りやすくなりますが、輸出企業には不利に働くことがあります。

なぜ円安が生じるのか?主な要因を解説

円安にはいくつか要因があります。その代表的なものを下記にまとめます。

日米金利差
アメリカの金利が高く、日本の金利が低いと、投資資金がドルに流れ、円が売られる。

日本の貿易赤字
輸入額が輸出額を上回ると、日本から海外への資金流出が進み、円が売られる。

金融緩和政策
日本銀行が低金利政策や量的緩和を続けることで、円の価値が下がりやすくなる。

外国人投資家の資金引き上げ
海外投資家が日本市場から資金を引き揚げると円売りが進む。

政治・経済の不透明感
政治不安や経済の先行き懸念があると、安全通貨であるドルなどに資金が流れる。

国際情勢の変化
世界的な金融不安や地政学的リスクの高まりで、相対的に円の需要が減る。

金価格の国際相場と日本円価格の関係性

金の価格は通常、米ドル建てで国際市場で決まります。つまり、日本での金価格は「国際金価格 × 為替レート」で算出されることになります。

たとえば、1トロイオンスの金が2,000ドルで、1ドル=150円なら、
日本での金価格は2,000ドル×150円=30万円という計算になります。

このため、国際価格が変わらなくても、為替が変われば国内の金価格も変動します。為替の変動が金の購入や売却タイミングに直結する理由はここにあります。

円安で金価格が上昇するメカニズム

円安と金価格の関係では、円安が進むことで日本国内の金価格が上昇する複数の理由があります。

まず、金の価格は国際的にドルで決まっているため、円の価値が下がると、同じ金でも日本円での価格は高くなります。
さらに、円安が進むと物価が上がりやすくなり、将来のインフレを心配する人が増えることで、「価値を守る手段」として金を買う動きが強まります。また、為替の変動から自分の資産を守るために、金を選ぶ人も少なくありません。

このように、円安はさまざまな経路から金の需要を高め、価格の上昇につながっているのです。

ドル建て国際金価格と円換算の関係

ドル建ての金価格が一定であっても、円安が進めば日本円での金価格は上がります。

たとえば、国際的に金価格が1オンス2,000ドルで一定だったとしても、1ドル=130円から150円に変化すれば、日本での金価格は26万円から30万円に上昇します。これは為替が金価格に与える直接的な影響の一例です。投資や買取のタイミングを見極めるには、この仕組みを理解しておくことが重要です。

円安によるインフレ懸念と金価格への影響

円安が進むと、海外からの輸入品の価格が上がりやすくなり、物価全体が上昇する「インフレ」が懸念されます。こうしたときに注目されるのが金です。

金はインフレに強い資産とされ、通貨の購買力が下がってもその価値を保ちやすい特徴があります。そのため、インフレリスクのある局面では、資産の一部を金に移す動きが強まります。結果として、金の需要が高まり、価格上昇へとつながるのです。

資産防衛手段としての金の価値が高まる理由

円安時には通貨の価値が下がるため、資産を守る手段として金が選ばれることが多くなります。金は無国籍の資産として、為替や政治に左右されにくい点が投資家に支持されています。特に近年は、経済の先行きが不透明な状況が続いており、安全資産としての金の人気が高まっています。実際に、金の購入量は円安や市場不安のタイミングで増加する傾向があります。

過去の円安局面における金価格の動向分析

過去の為替相場の変動を振り返ることで、円安と金価格の関係性がより明確になります。特に急激な円安が進んだ局面では、国内の金価格も大きく上昇する傾向が確認されています。

たとえば、2013年から2015年にかけての円安では、金価格が4,000円/グラムから5,000円/グラム近くまで上昇しました。こうした過去の事例は、為替と金価格の強い連動性を示しており、今後の投資判断に役立つ重要な材料となります。

過去の円安局面で金価格はどう動いたのか?

たとえば、2013年から2015年にかけて、1ドル=80円台から120円台へと円安が急速に進行しました。この期間中、国内金価格も1グラムあたり約4,000円から5,000円近くまで上昇しました。

また、2022年から2023年にかけての急激な円安(1ドル=150円台)でも、2023年12月4日には、1グラムあたり10,819円の過去最高値を記録しています。

円安による輸入物価上昇と金価格の連動性

円安が進行すると、海外から輸入する製品の価格が上昇しやすくなります。これは輸入物価指数の上昇につながり、最終的には国内のインフレを引き起こす原因となります。このインフレ懸念が金価格の上昇を後押しする要因となるのです。

実際、輸入物価指数が上昇した局面では、金価格も高騰する傾向があります。こうした動向は、金がインフレに対する「価値の避難先」として機能していることを示しています。

金価格に影響する円安以外の要因

為替以外にも、金価格に影響を与える要因は数多く存在します。たとえば、世界的な政治リスク戦争といった地政学的な要因、中央銀行の金融政策、さらには株式市場の動向景気の先行き不安なども関係しています。

これらの要素は互いに連動し合いながら、金の需要や価格に影響を及ぼしています。特に国際的な動向が敏感に反映されるため、国内情勢だけで価格を予測するのは危険です。金価格を正しく捉えるには、多角的な視点で世界の経済や政治情勢を見ることが欠かせません。

世界的な地政学リスクと金価格の関連性

金は「安全資産」と呼ばれる通り、戦争や政変などのリスクが高まると価値が上がりやすい傾向があります。たとえば、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の際には、世界的な不安感が広がり、金の国際価格が急騰しました。

情勢が不安定になると、人々は「何があっても価値が失われにくいもの」にお金を移す傾向があるため、金の需要が高まるのです。その結果、短期的な価格上昇だけでなく、長期的な価格水準の底上げにもつながるケースがあります。

米国の金融政策が金相場に与えるインパクト

金価格にはアメリカの金融政策、特にFRB(米連邦準備制度理事会)の金利政策が大きな影響を及ぼします。

FRBが利上げを行うと、ドルの金利が上昇するため、金利のつかない金の魅力が相対的に下がり、価格が下落しやすくなります。反対に、利下げや金融緩和政策が実施されると、金の魅力が増し、投資資金が流入しやすくなります。

金を保有するタイミングを考えるうえでは、米国の経済指標や金利方針を見逃さないことが大切です。

現在の円安局面における金価格の見通し

2024年から2025年にかけて為替市場では1ドル=150円台を維持する状態が続き、金の国内価格は過去最高値圏に張り付いています。こうした背景から、金を保有している人にとっては「売り時」の見極めが求められますが、今後の為替や金利政策によって流れが変わる可能性もあります。金価格の将来予測には、国際相場、インフレ動向、中央銀行の動きなど多角的な視点が必要です

最新の金相場データからみる今後の展望

2025年初頭の金相場は、国内で1グラムあたり12,000円を超える場面も見られ、円安と国際的な金価格上昇が重なって高水準を維持しています。国際金価格も2,300ドル台と高止まりしており、アメリカの利下げ観測や中東情勢の緊張感が背景にあります。今後も地政学リスクや金融政策次第では、金価格がさらに上昇する可能性も視野に入れられます。

ただし、為替の急激な反転やドル高による国際金価格の下落リスクも否定できないことに注意が必要です。

円安進行か終息かのシナリオ別金価格予測

円安がさらに進行するシナリオでは、国際金価格が横ばいでも円換算での金価格は上昇が続く可能性が高いです。たとえば、為替が1ドル=160円を超えると、現在よりさらに金価格は高騰するでしょう。
逆に、日銀の政策転換やアメリカの利下げにより円高が進めば、同じ金価格でも日本円での価格は下落傾向に転じるかもしれません。

このように為替動向は、日本における金価格の今後を大きく左右する分岐点となります。投資家にとっては、それぞれのシナリオに備えた柔軟な資産運用戦略が必要です。

円安環境下での具体的な金投資戦略

現在のような円安環境下では、金への投資方法にもいくつかの選択肢があります。

現物の金を保有する方法は、実物資産として安心感がありますが、保管や売却の手間が課題です。ETF(上場投資信託)は少額から投資でき、流動性も高く、初心者にも取り組みやすい方法とされています。一方で、金鉱株に投資する場合は、金価格だけでなく企業の業績や経営リスクも反映されるため、より中・上級者向けといえるでしょう。

それぞれの手段にメリットとデメリットがあるため、自分の投資目的や資金量に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。金の投資についてはこちらの記事でも紹介しています。【金投資はおすすめしない!初心者が知るべき危険な3つのリスクとは

よくある質問

Q. 円安になると必ず金価格は上がりますか?
A. 円安になると国内の金価格は上がりやすくなりますが、国際相場の下落など他の要因次第では、必ずしも上がるとは限りません。

Q. 円安が落ち着いたら金を売るべきですか?
A.円高になると金の円換算価格は下がるため、円安時に買った金は売り時となります。ただし、為替だけでなく国際相場や経済情勢も見て判断することが大切です。

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この記事を書いた人

安井 理のアバター 安井 理 リユースライター

慶應義塾大学 文学部 人間関係学科卒。1999年より神奈川を中心に学習塾・結婚相談所・リユース専門店などを経営。特にリユース専門店は県内30店舗まで展開した後、戦略的バイアウト。以降は越境ECや業界特化型のライター・コラムニスト・アドバイザーとして活躍。

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