人類史上の金採掘総量と現存埋蔵量
金は人類の歴史とともに掘り出され、長年にわたり価値ある資源として利用されてきました。現在までに人類が採掘した金の総量は約187,000トンとされており、すでに全体の7割以上が掘り出されたことになります。
地球に残されている金の埋蔵量は約52,000トンと推定され、限られた資源であることがわかります。金は再利用できる特性があるため、過去に採掘された金も現代の市場で活躍し続けています。

歴史上人類が採掘した金の総量は?
金は紀元前の古代文明から人類に利用されてきました。古代エジプトでは神聖な金属とされ、王族の装飾品に用いられていました。中世ヨーロッパでは金貨が流通し、経済活動の中心を担っていました。近代になると金本位制が導入され、国家の信用を支える基盤となりました。
これまでに人類が採掘した金の総量は約187,000トンと推定されており、意外と少ないことがわかります。
現在地球に残されている金の推定埋蔵量
米国地質調査所(USGS)によると、地球に残された確認済みの金の埋蔵量は約52,000トンです。この数字は現在の採掘技術で経済的に採れるとされる量を意味します。主にオーストラリア、ロシア、南アフリカなどの地域に集中して存在しています。これらの鉱山では、先進技術を用いた採掘が行われ、安定した供給が続いています。今後の需要や価格変動によっては、新たな埋蔵地の開発が進む可能性もあります。

採掘済みの金はどこにある?国別保有量の実態
採掘された金は主に宝飾品、中央銀行の準備資産、投資用として保有されています。
世界全体では、約47%が宝飾品、21%が中央銀行、24%が投資用に分類されるとされています。これらの用途ごとに金の保管場所や流通経路は異なり、世界各地で活用されています。とくにアメリカやドイツ、日本などの中央銀行では、大量の金が国家資産として保有されています。これらの金は国家の経済安定や個人資産の保全手段として重要な役割を果たしています。
金の採掘状況についてはこちらの記事でも紹介しています!【金採掘量3倍!2025年最新・国内の秘密金鉱山を徹底解剖】
世界の金埋蔵量ランキングTOP10
世界で金の埋蔵量が多い国は、限られた地質条件を有する国に集中しています。
最も多いのはオーストラリアで、次いでロシア、南アフリカと続きます。以下、アメリカ、インドネシア、ペルー、中国、カナダ、ブラジル、ウズベキスタンといった国々が上位を占めています。
これらの国々は地殻の活動が活発だったり、鉱山開発の歴史が長かったりといった共通点があります。
金の埋蔵は全世界に広く分布しているわけではなく、地理的に偏って存在しています。
世界一の金保有国は?最新ランキングを解説
現在、金の埋蔵量で世界一とされるのはオーストラリアです。確認されている金の埋蔵量は約11,000トンにのぼり、地質構造と採掘技術の両方で優位性を持っています。国内には複数の大規模金鉱山が稼働しており、安定した生産が続けられています。こうした環境が、同国を金供給国として世界の中心に押し上げています。
オーストラリアは埋蔵量だけでなく、生産能力や輸出量でも世界の注目を集めています。
オーストラリアとロシアの埋蔵状況
オーストラリアは鉱石の品位が高いことで知られており、大規模な露天掘りによって効率的な採掘が行われています。地政学的にも安定しており、海外企業との連携も活発です。
対するロシアは、約6,800トンの埋蔵量を持ち、地下深部の鉱脈に注力しています。採掘は国営企業が主導しており、国家戦略の一環として位置づけられています。両国とも、技術と政策の両面から金採掘を支えている点が特徴です。
意外と知られていない金埋蔵大国の特徴
ペルーやインドネシアは、一般的にはあまり金のイメージがないかもしれませんが、実は大きな埋蔵量を誇ります。
ペルーはアンデス山脈に位置し、自然条件が豊富な鉱脈の形成を助けています。
インドネシアでは火山活動が盛んで、その影響で金を含む鉱石が多く存在しています。
これらの国々では、地元企業と国際企業が共同で鉱山開発を進めています。知名度に反して実力派の金産出国が存在するのは、金の面白い特徴のひとつです。

日本における金の埋蔵量と採掘状況
日本は世界的に見ると金の埋蔵量は少ない国に分類されますが、それでも独自の鉱脈を持っています。特に鹿児島県の菱刈鉱山は、世界でも有数の高品位な金鉱石が採れる場所として知られています。過去には新潟県の佐渡金山や北海道など、複数の地域で採掘が行われてきました。
現在では限られた鉱山しか稼働していませんが、再開発や探査の取り組みも続けられています。日本は埋蔵量こそ少ないものの、高度な採掘・精錬技術を持つ国として評価されています。
日本の金山はどこにある?主要採掘場所
現在、日本で唯一本格的に稼働している金鉱山が鹿児島県の菱刈鉱山です。この鉱山では非常に高い品位の鉱石が採れることで有名で、海外からも注目を集めています。コンパクトな規模ながら、効率の良い採掘システムが導入されており、環境への配慮も徹底されています。かつては北海道や秋田、岩手などでも金の採掘が盛んでしたが、多くが閉山しています。菱刈鉱山は、現在の日本における金採掘の象徴的存在です。
菱刈鉱山についてはこちらの記事でも紹介しています!【金採掘量3倍!2025年最新・国内の秘密金鉱山を徹底解剖】
佐渡金山から菱刈鉱山まで:国内金山の歴史
日本の金埋蔵量は世界でどの位置?
日本の金埋蔵量は世界全体の中で見ると下位に位置しています。推定で200トン程度とされており、埋蔵国ランキングの上位には入っていません。
その理由としては、プレート境界に位置する日本列島の地質が金鉱脈を細かく分断してしまっている点が挙げられます。ただし、日本は都市鉱山と呼ばれるリサイクル資源が豊富な国でもあります。地中よりも地上の製品から金を回収する技術において、日本は世界をリードしています。

金は将来枯渇する?未来予測
現在の技術と採掘ペースを維持した場合、確認済みの金埋蔵量はおよそ15~20年で掘り尽くされるとされています。しかし、これはあくまで現時点で経済的に採掘可能な量に限った予測です。
今後、新たな鉱脈の発見や採掘技術の進化によって、採れる金の量が増える可能性もあります。また、リサイクルによって回収される金の比率も年々増加しています。金は完全に枯渇するのではなく、「採るのが難しくなる」ことが将来的な課題となるでしょう。
現在のペースで採掘を続けると何年もつ?
年間の世界の金採掘量はおよそ3,500トンとされています。これに対し、確認されている埋蔵量は約52,000トンで、単純計算すると残り15〜20年で掘り尽くされる計算になります。
しかし、この数字は新たな技術開発や未発見の鉱脈、経済的要因により大きく変動する可能性があります。また、実際には全ての金を効率よく採掘できるわけではありません。採掘可能な金は限られており、今後の採掘方針には持続可能性が求められます。
海底資源や小惑星採掘の可能性
近年、地球外や海底の資源に注目が集まっています。日本近海の海底熱水鉱床には、金や銅、レアメタルが含まれているとされ、すでに調査や試験採掘も進行中です。
また、NASAや民間宇宙企業は、小惑星からの金採掘を視野に入れた研究を進めています。これらはまだ実用化には至っていないものの、技術的ブレイクスルーが起これば大きな供給源となり得ます。未来の金採掘は、地球の外や深海に広がっていく可能性を秘めています。

よくある質問
金はリサイクルできますか?
はい、金は何度でもリサイクル可能です。ジュエリーや電子機器などから回収され、再び純度の高い金として生まれ変わります。そのため、都市鉱山の活用は今後ますます重要になります。
なぜ金の価格は安定しているのですか?
金は供給量が限られており、希少性が高いため価値が安定しやすい資産です。また、世界中で広く受け入れられている安全資産でもあります。経済不安が起きた際には、金への投資が増える傾向があります。
金の価値についてはこちらの記事で詳しく紹介しています!【金 なぜ価値がある?意外な理由で高まる金の魅力とは!】
まとめ
金の埋蔵量は限られており、今後の採掘には技術や持続可能性が重要な要素となってきます。世界中で金は貴重な資源として扱われており、各国の保有量や鉱山開発にも注目が集まります。日本では限られた資源を最大限に活用する工夫がなされ、リサイクルの取り組みが進んでいます。
将来の金採掘は地球を超えた場所でも行われる可能性があり、まさに未知のフロンティアです。私たちの生活に深く関わる「金」は、これからもその価値を変えることなく、私たちの未来を支えていくでしょう。