2023年11月17日現在、金の1gの店頭小売価格は10,615円。金の買取相場は「当日の地金相場価格×地金重量×金純度」で計算され、一定ではありません。値段が推移する要因は、金の需要と供給のバランスや、世界的経済の状態、地政学リスクなどがあります。
この記事では、金の売買に適した時期の見極め方や、金の安全な保管方法、種類別保管方法なども詳しく紹介します。
【2023年11月最新】金1gの値段
2023年11月17日時点の金1gの店頭小売価格は、10,615円。店頭買取価格は、10,505円です(田中貴金属公開価格より)。金の取引相場は日々変動していて、現在は高騰傾向にあります。
円安や物価高、世界的低金利など様々な要因が挙げられます。中でも大きく影響していると考えられているのが、新型コロナウイルスの流行や、ロシアによるウクライナ侵攻などによる経済・治安のリスクの高まりです。国や地域の安全が脅かされることで、価値が変動しやすい貨幣や為替より、世界的に安全な資産とみなされる金を買おうとする人が増えているのです。
今後、コロナやウクライナ情勢が収束すれば、短期的に金価格が急落する可能性が考えられます。しかしジュエリー分野の人気が続いているほか、投資対象としても金の需要が高まっています。長期的に見ると金の高騰傾向は今後も続くでしょう。
買取相場の計算方法
金の買取相場は、「当日の地金相場価格×地金重量×金純度」で算出されます。
純度とは、製品に含まれる金の割合を示す数値です。数値が高いほど純金に近づき、低いほど他の金属が混ぜられています。そのため金製品の買取価格には、金の含有率が大きく関わるのです。
純度は24分率で表され、単位は「K(カラット)」です。例えば「K24」「K18」などと表記されます。
純度は、「カラット数÷24」で算出できます。例えば、18Kは「18÷24=75」で、純度75%です。
ただし、買取相場の算出式である「当日の地金相場価格×地金重量×金純度」で得られる金価格は、あくまでも理論値です。実際には、製品の保管状態や買取手数料、鑑定費用などがそこから引かれます。買取相場の算出式で出した、金価格理論値の7割程度を買値と考えると良いでしょう。
金の値段を左右するポイント
金の価格が変動する理由は、大きく分けて「金の需要と供給」「世界的経済」「政策金利」「円安」「米ドル価格」「地政学リスク」の6つです。なぜ金の値段が変動するのか、詳しく見ていきましょう。
1.金の需要と供給
金の需要と供給のバランスによって、相場が決まります。簡単に言えば、金を求める人が多ければ価格は上昇し、反対に少なければ価格も下落するといった仕組みです。
他にも、金の生産が増えると供給量が上がるため、相場に影響します。金は世界で採掘できる量に限りがあるため、産金量が低ければ価格は高くなり、反対に豊富に金が採れれば価格は下がるのです。
近年は金の生産量が増加傾向にありますが、それ以上に金の需要が高まっているため、価格が上昇しているのです。
2.世界的経済
金の相場は、世界的に経済が低迷すれば上昇して、経済が安定すると下落します。
金は、実物そのものに価値がある安全資産。価格の増減はあっても価値がゼロになることはありません。世界的経済が不安定になると、株式や債券などの投資商品より、価値が変わりにくい金を購入しようとする人が増えるため、価格も上がりやすくなるのです。
反対に経済が安定すると、金融商品のリスクが低くなるため、投資商品の需要が増え、金の価格は下がります。
そのため、金を売ったり買ったりするタイミングは、世界的な経済情勢を参考にするべきなのです。
3.政策金利
景気や物価の安定などを目的に設定される政策金利も、金の価格に影響します。通貨の価値が上がると金の需要が下がり、逆に通貨の価値が下がると金の需要が上がるためです。
一般的に、物価下落傾向になると、中央銀行は経済を活発化させるために金利を引き下げます。金利が下がると、銀行にお金を預けても利益が得られにくくなるため、銀行にお金を預けない人が増えます。すると通貨の流通量が増えて、通貨そのものの価値は下がりますが、価値が安定している金は、結果的に通貨より価値が高くなるため、需要が高まり価格が上がるのです。
4.円安になったとき
円の価値が下がった円安のときも、金の相場は上がります。価値の低い通貨そのものより、安全な実物資産である金の需要が高まるためです。
また日本から金を購入する場合、ドルを円に変えてから取引する必要があるため、為替が価格に大きく影響します。他の輸入品と同じように、円安になればなるほど価格が上昇し、円高になればなるほど価格が下落するのです。
5.米ドル価格
世界的な金の相場は、ニューヨークドルを基準に決められているため、米ドルが価格変動すると金の価格も変動します。アメリカの金利が上昇するとドルを買う人が増え価格が変動し、金の価値が下がる傾向にあるためです。
また、世界的で最も信頼性の高い米ドルの価格推移は、世界全体の景気にも影響を及ぼします。前述の通り金の相場は世界的経済に左右されます。アメリカの景気が良ければ金の需要は下がり、反対に景気が悪ければ米ドルの価値は下落し、金の価値が上がるのです。
6.地政学リスク
地政学リスクの上昇も、金の価格の高騰に関与しています。金は「有事の金」と呼ばれ、テロや戦争など、特定の地域に政治的や軍事的、社会的な緊張の高まりに比例して金の需要も高まるためです。
繰り返しになりますが、国や地域の安全が脅かされ不安を感じると、安全資産である金を保有しておこうとする人が増え、需要が高まり金の相場が上がるのです。反対に、地政学リスクが低くなれば、金の価格も下落します。
金の安全な保管方法
金を安全に保管するには、大きく3つの方法があります。貸金庫や貴金属保管サービスの利用や、金庫に入れて自宅で保管することです。詳しく見ていきましょう。
金融機関の貸金庫を利用する
盗難リスクが低いのは、金融機関の貸金庫に預けることです。貸金庫とは、銀行などに備え付けられている金庫の一部を貸し出すサービスです。常に金銭を取り扱う銀行のセキュリティは厳重であり、災害時の盗難に対してもしっかり対策されています。
月々2,000~3,000円ほどかかりますが、営業時間内であればいつでも出し入れが可能です。利用する金庫の大きさを選択できるのもメリットです。預けたい量が多い場合におすすめです。
貴金属保管サービスを利用する
購入先の業者のもとでそのまま保管してもらえる貴金属保管サービスを利用するのも、安全な保管方法のひとつです。
購入した金をすぐに預けられ、手間がかからないことがメリットです。契約期間内での中途解約は解約料が発生するケースや、購入先以外の業者から購入した金を預ける場合は手数料が発生する場合もあります。
しかし貴金属保管サービスを使っている間は、預けた金の運用を任せることができます。その場合、金の所有権が業者へ移るため、無料で預けられることがほとんどです。
自宅で保管する場合は金庫を利用する
盗難リスクを避けたいなら、金を自宅で保管するのは避けた方が無難です。しかし、どうしても自宅で金を保管したい場合は、専用の金庫を用意しましょう。
防盗性を重視するなら「据え置き型」がおすすめ。鍵は、防盗性が高い「生体認証」や「磁気カード」、「ダイヤル式」の鍵を選ぶと良いでしょう。また防盗金庫や、火災や衝撃に強い耐火金庫を選ぶとさらに安心です。
自宅で保管する場合は、自分自身で防犯・防災対策を講じる必要があります。金庫選びも含め、しっかり対策しましょう。
金の種類別保管方法
金の種類によって、適した保管方法が異なります。ゴールドバー、金貨、金のアクセサリーといった3パターンの保管方法を詳しく解説します。
ゴールドバーの場合
ゴールドバーは高価なため、金融機関の貸金庫や貴金属保管サービスを利用して保管するのがおすすめ。ゴールドバーとは金の塊のことで、精錬した高純度の金を鋳型に流し込んで作られます。
やむを得ず自宅で保管する場合は、「自宅で保管する場合は金庫を利用する」に記述した通り、重量がある据え置き型の金庫や生体認証式の鍵など防盗性能の高い金庫を選びましょう。
金貨の場合
金貨の保管には専用のケースやペーパーコインホルダーを使用しましょう。購入時に密閉ケースに入っている場合は、金貨の酸化を防ぐため、開封せずそのまま保管してください。
金貨の純度が低い場合、酸素や水、塩などに弱い金属が含まれている可能性があります。そのため空気に触れないように密閉し、直射日光を避けて湿度の低い場所で保管することが大切です。
金貨に触れる場合は、汗や皮脂が付着しないよう手袋を装着するのが良いでしょう。
アクセサリーの場合
金のアクセサリーを保管するなら、ジュエリーボックスを使いましょう。密閉性が高いケースに入れ、涼しく湿気のない場所に保管し、使用後は汚れを拭き取ってください。
金のアクセサリーは、汗や皮脂が付着した状態が長く続いたり、アクセサリーに含まれる金属が変質したりすることで、黒ずみや変色が起きることがあります。純金よりも18Kや10Kのアクセサリーが多く流通しているため、注意が必要です。
また金は柔らかい素材のため、キズにも注意。他のアクセサリーと一緒に保管する場合は、仕切りがあるタイプの収納ケースを使うなど、アクセサリー同士が触れ合わないような工夫が必要です。
金の価値が上がっているときに売却の検討を
金の価格は一定でなく、様々な理由により変動します。金の需要と供給のバランスや世界的経済事情、円安などの理由が挙げられますが、それは金そのものに価値がある物質資産であることが大きな理由です。
金を安全に保管するには、貸金庫や貴金属保管サービスを利用するのがおすすめ。また、金の種類によっても保管方法が異なるため、最適な保管方法を確認するようにしましょう。
金は比較的価格の安定した資産ではありますが、価格が下落したときは保管維持費などもかかり、負担になる場合も。金の価値が上がっている今こそ、売り時かもしれません!
ジュエルカフェは、金の買取も行っています。過去の金の買取実績は以下をご覧ください。
ゴールドバーの買取実績
金貨の買取実績
K18製アクセサリーの買取実績
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