サステナブルとは直訳すると「持続可能な」という意味を持つ言葉です。昨今では「サステナブルな社会」や「サステナブルな取り組み」など環境用語として使われることが多くなっています。
社会や環境におけるサステナブルが注目されるようになった背景には、自然環境の破壊や世界的格差が理由にあるのです。
この記事ではサステナブルの意味をわかりやすく簡単に解説し、企業や消費者が取り組める方法も併せて紹介します！
サステナブルとは
サステナブルは、近年関心が高まっているSDGsとも関連があります。
2つの言葉が混同してよくわからないという人のために、まずはサステナブルとは何か、意味やSDGsとの違いを確認していきましょう。
サステナブルの意味
サステナブルとは日本語に直訳すると「持続可能な」という意味です。昨今では、地球環境や人間社会の文明、経済システムなどの持続可能性を意味する環境用語として使われることが多くなっています。
例えば「サステナブル商品」とは、環境や社会に配慮して作られた商品などを指します。
目先の利益だけを追い求めるのではなく、環境負荷を減らし未来まで持続可能な生産方法で作られる製品がサステナブルな商品です。
このようにサステナブルはファッション、食品、住居など、衣食住に関わるあらゆる分野で求められています。
また、国や企業で推進されている「サステナブルな取り組み」とは、未来まで豊かな地球環境を維持する「持続可能な社会」を目指す取り組みのことです。
SDGsとの違い
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった略称で、直訳すると「持続可能な開発目標」を意味します。
SDGsは2015年に開催された国連サミットで採択され、持続可能な社会を目指すための世界共通の目標として掲げられました。
主に社会・経済・環境の3つの側面から17の目標と、それを達成するための具体的な行動を示した169個のターゲットで構成されています。
つまり、サステナブルな社会を実現するためのアクションを具体化したものがSDGsなのです。
サステナブルな社会が注目される理由2つ
サステナブルな社会が注目される背景には「自然環境の破壊」と「世界的格差」の2つの理由があります。
ここではそれぞれの理由について詳しく解説していきます。
1,自然環境の破壊
サステナブルな社会が注目される大きな理由のひとつに、自然環境の破壊があります。産業革命以降、人間活動の活発化によって地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出量が急増しました。
中でも、最も温暖化への影響が大きいとされる二酸化炭素の大気中の濃度が増加しているのです。それに伴い地表の平均温度が上昇し、気候変動を引き起こしています。
温暖化による気候変動は海面の上昇や干ばつ、山火事、洪水などの災害をもたらしているのが現状です。災害によって食料生産量が低下し、利用できる水資源も減少するなどの被害も生じています。
2.世界的格差
サステナブルな社会が注目されているもうひとつの理由に、世界的格差の問題があります。先進国と発展途上国の格差は大きく、食料を得られない国がある一方で、食料を大量に捨てている国や地域があります。
途上国ではインフラの整備が十分にされていない国や教育が十分に受けられない国があるなど、さまざまな格差問題が発生しているのが現状です。
サステナブルな社会を目指す、SDGsの最終的なゴールでも「誰一人取り残さない世界」の実現を掲げています。世界的格差を無くすためにも、サステナブルな社会の実現が求められているのです。
業界別｜企業が取り組むサステナブル
企業においても、従来の生産の仕組みを改め、環境や人に配慮したサステナブルな物作りが求められています。
ここからは「ファッション業界・飲食業界・建築業界」3つの業界で実践されている、サステナブルな取り組みをチェックしていきましょう。
ファッション業界での取り組み
ファッション業界では環境に配慮した素材を使った製品作りが広がっています。化学繊維や化学薬品を使用した素材は、生産過程で発生する二酸化炭素の排出や水質汚染など、環境負荷が大きいとされてきました。
また、水の大量使用や動物由来の原料なども問題視されてきたことのひとつです。さらに途上国での生産者の労働問題なども懸念されています。
こうした問題の改善に向けて、環境に配慮した素材の使用や、資源を循環させるアップサイクルなどの取り組みが行われています。
加えて衣服の大量廃棄の問題解決に向けて、古くなった服をお直しするリペアサービスを行うファッションブランドも増えています。
飲食業界での取り組み
飲食業界では、フードロスを無くすなどの取り組みが行われています。フードロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食べもののことです。
世界では年間約25億トンのフードロスが発生しています。こうしたフードロスを減らすために、食べものを必要としている人や施設に寄付する、フードバンクを行う企業が増えています。
また、食品の生産も持続可能なものにするために、違法漁業の取り締まりや生産による環境負荷を軽減するプラントベース（植物由来）食品の開発なども、注目されている取り組みです。
建築業界での取り組み
建築業界では、温暖化を防ぐ対策として省エネな暮らしができる住宅作りが広がっています。自家発電や高断熱など、エネルギーの消費量を抑えられ、二酸化炭素の排出量を抑えられるのが良い点です。
また、老朽化した住宅やビルをすべて取り壊して建て直すのではなく、リフォームなどで持続的に住める住宅を増やす取り組みも行っています。
リサイクル資源の木材を利用した住宅や、国産の木材を積極的に取り入れるなど、資源の有効活用や国内の林業の支援にもつながっています。
消費者ができるサステナブルな取り組み7項目
サステナブルな取り組みは企業に限らず、消費者として実践できることは多くあります。具体例としてゴミを減らしたりフードロスを減らしたり、エコバッグを使ったりなど、日常生活で取り入れられるアクションはさまざまです。
ここからは、消費者ができるサステナブルな取り組みを7項目紹介します。
1．ゴミを減らす
ゴミを減らすというのも、日常生活でできるサステナブルな取り組みのひとつです。ゴミをなるべく出さないようにするには、買い物する時点で本当に必要かどうか、良く考えて購入するのがポイントです。
また「安い」とついつい購入しがちですが、長く使えるものかどうかを考えるのも重要になります。
消費者として、長く愛用できるものを選ぶという行動は、ゴミを減らし、資源の無駄遣いを無くすことにもつながる取り組みです。
2．ゴミをしっかり分別する
ゴミをしっかり分別することで、リサイクル資源を再度活用できます。
せっかくの資源ゴミも正しく分別できていないと、リサイクル不可になってしまうのです。ペットボトル容器は洗ってラベルとキャップを外し、本体を潰して出すと回収所でかさばらずに廃棄ペットボトルを回収できます。
最近では、廃棄ペットボトルは洋服やバッグなど新しい製品に生まれ変わるなど、リサイクル技術も発展しています。資源の循環利用を活かすためにも、ゴミはしっかりと分別しましょう。
3．フードロスを減らす
フードロスを減らすことも、サステナブルな取り組みのひとつです。食品は食べられる量を購入し、食材は使い切れる量を購入するよう心がけましょう。
もしも作り過ぎたり食べ切れなかったりした場合は、冷凍保存しておくのもひとつの手です。冷蔵保存よりは長持ちするため、密閉容器などに入れて冷凍保存し、なるべく早めに食べるようにしましょう。
また、外食の際には、注文のし過ぎに注意し、万が一食べ切れなかった場合には、持ち帰りにしてもらう方法もあります。
ただし、お店や季節によっては持ち帰り不可な場合もあるため、必ず確認するようにしましょう。
4．エコバッグやマイボトルを使う
買い物をするときにはエコバッグを、外出するときにはマイボトルを持参することで、レジ袋やペットボトルといったプラスチックゴミの削減につながります。
廃棄されたプラスチックゴミは、正しく処理されずに風で飛ばされ川や海に流れ着くケースが多くあり、海洋汚染が深刻化しています。
海に流出したプラスチックゴミは細かく砕かれ、マイクロプラスチックとして海洋生物の体内に入り込み、悪影響を及ぼしているのです。
2050年には海に流出するプラスチックゴミの量が魚の量を超えると推測されています。
海洋環境を守るためにも、プラスチック製品の使用を減らし、エコバッグやマイボトルを持ち歩くようにしましょう。
5．節電や節水を心がける
節電・節水を心がけるだけでもサステナブルな取り組みになります。
石炭や石油を原料とした火力発電は、電気を作ったり使ったりする際に温暖化の原因となる二酸化炭素を大量に排出させるからです。
家庭の中でも電力消費が大きいとされるテレビやエアコン、冷蔵庫、照明などを中心に節電すると良いでしょう。エアコンは夏は28℃、冬は20℃に設定することで二酸化炭素の排出量が削減できるといわれています。
また、節水は水資源を守ることにつながります。シャワーや水道の出しっぱなしには気をつけて、お風呂の残り湯を洗濯に再利用するなど節水を心がけましょう。
6．再利用やリサイクルをする
不用品はゴミとして捨てるのではなく、リサイクルショップや買取専門店へ持って行くというのもサステナブルなアクションです。
ゴミとして廃棄する場合、可燃処分の際に温暖化の原因である二酸化炭素が排出されてしまいます。不用品の処分に悩んだら「リデュース、リサイクル、リユース」の3Rを意識するのがおすすめです。
3Rは以下の意味を持ちます。
・リデュース…製品の長寿命化などでゴミを減らす
・リサイクル…資源を再び使う
・リユース…くり返し使う
不用品をリサイクルショップや買取専門店に持って行った場合、ちょっとしたお小遣いにもなるメリットもあります。
7．再生可能なエネルギーを使う
石油や石炭を原料とした火力発電から再生可能なエネルギーに切り替えるという方法もあります。
再生可能エネルギーには、太陽光や風力発電、バイオマスなどを使ったエネルギーなどがあります。これらは天然由来のエネルギーであるため、資源の枯渇や二酸化炭素を発生させる心配がありません。
今すぐ家庭に導入するには少しハードルが高いかもしれませんが、将来的に検討してみると良いでしょう。
サステナブルの意味を理解してできることから取り組もう
サステナブルとは「持続可能」という意味を持ち、地球環境や人々に配慮した行動や取り組みを表すときに使われる言葉です。
近年、サステナブルな社会が注目されている背景には、自然環境の破壊や世界の格差問題などが理由にあります。
資源を大切にしながら、人や環境に優しい地球環境を目指すには、企業だけでなく、消費者一人ひとりのサステナブルな取り組みが必要不可欠です。
今回紹介した7項目の取り組みを参考に、自分にできることからはじめてみてはいかがでしょうか。
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