金って高い価値があると思うんですが、金の価値は変動しているんですか?
金の価値には世界的な基準が設けられていますが、その時の相場や買取業者によって金の価値が変わることもあるんですよ。
もしかして、金を売る時に損をしてしまうこともあるんですか?
そうですね。ですが、金を売る前に知識をしっかり持っておけば対策も取れるので、今回は金を売る前に注意しておくべきポイントをご紹介します。
金を売る時の注意点
高額で買い取ってもらえる金ですが、買取業者で売る時にできるだけ損をしないための注意点を紹介します。
金の相場を知る
金は、24金と呼ばれる「K24」や9金と呼ばれる「K9」のように、金の純度によって指標が決められています。
K24とは金の純度が99.99%以上の金を指し、そこからK22やK18と下がっていき、最も金の純度が低いものがK9となっています。
K24は純金として扱われるので、「金相場×グラム」という比較的簡単な計算で価格の割り出しが可能です。
純金以外のものについては純度に応じて計算をする必要があり、たとえば純金の半分にあたる純度が50%のK12は金相場の半分の価格になります。
相場の価格は変動していくので、その都度確認を行うようにしましょう。
金の相場と買取価格の違いを理解しておく
前述したように金には相場がありますが、相場の価格がそのまま買取価格になるわけではありません。
あくまでも金を買い取る買取業者は利益を上げなければならないため、相場よりも買取額が低くなるのは自然なことです。
そのため買取業者が金の買い取りを行う時は、相場よりも安く、もし金製品を溶解することが必要な場合には、その費用も手数料として差し引くことになります。
金を売る時期を考える
日本で決められる金の相場は、国際市場だけでなく為替の影響も受けることから、円安の時期がベストなタイミングといえるでしょう。
逆に円高になってしまうと、特に影響の大きいニューヨーク市場のドルの価値が下がってしまうため、金の価格も総じて低くなってしまいます。
つまり円安になればドルと金の相場も高くなるため、金をより高額で売ることが可能です。
金は世界で共通する価値を持ったものなので、日本の市場だけでは価格が決まらない点にご注意ください。
また、どれだけの円安になっているかで金の相場も変わってくるため、円安の度合いを見極めることも金の高額買取に大きく影響します。
金をいつ売るべきかわからない場合には、一度買取業者へ査定を出した上で、相談してみるのが良いかもしれません。
金を売る時期なども考える必要があるんですね。
はい。為替の影響なども金の価格に影響するので、日々調べるようにしておきましょう!
買取できないこともある金製品の種類
価値のある金属として扱われている金ですが、中には買取してもらえない金製品があることはご存知でしょうか。
売れると思って持っていったものが売れなかったら、買取業者まで来たのに無駄足になってしまいます。
そのようなことを避けるためにも、金製品の種類にはご注意ください。
法定金貨
買取してもらえないこともある金製品の一つに、「法定金貨」が挙げられます。
すべての買取業者で買取してもらえないわけではありませんが、再精錬するために金の買取を行っている店へ売ることはできません。
なぜならお店で使用できるような金貨を鋳つぶす行為は、貨幣損傷等取締法に反してしまうからです。
工業製品の基盤
買取してもらえないこともある金製品の二つ目に、「工業製品の基盤」が挙げられます。
工業製品やパソコン、スマートフォンなどの基盤にも金が使われているものはありますが、非常に少量のため大量の基盤が必要になります。
さらに保管方法や専門の金精錬の技術がないと金を確保できないため、買取を行ってくれない企業も少なくありません。
金を溶解するだけでなく、基盤を保管しておくのにもコストがかかるので、買い取ってもらいにくい製品の1つです。
危険物
買取してもらえないこともある金製品の三つ目に、「危険物」が挙げられます。
刃物やライターなどの、危険物として扱われるような製品に金があしらわれているものを、買い取ってもらえないケースもあります。
中でも刃物は取扱いに申請が必要になるため、対応していない店も少なくありません。
もし危険物に該当する金製品を売りたいのであれば、危険物の扱いもしているかどうかを確認してから買取を依頼するようにしましょう。
色々と気を付けなければいけないんですね。
はい。法律が絡んでくるところもあるので、上述した商品などを売りたい時には慎重に買取を依頼するようにしましょう!
金を買い取ってもらうために必要なもの
金を買い取ってもらうためには、個人や法人を証明する書類が必要です。
また200万円を超える取引を行う場合は、さらに厳重な体制がとられるため個人と法人を含めた3つのケースで必要な書類を紹介します。
個人で金を買い取ってもらうケース
個人で金を買い取ってもらう際に証明となる書類は、以下になります。
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- パスポート
- 乗員手帳
- 住民基本台帳カード
- 特別永住者証明書
- マイナンバーカード
- 国民健康保険証
- 健康保険証
- 後期高齢者医療被保険証
- 介護保険被保険証
- 共済組合員証
- 共済制度加入者証
- 国民年金手帳
- 児童扶養手当証書
- 母子健康手帳
確認書類が不十分な場合には、住民票や戸籍謄本などの提出をお願いされることもあるので、買取業者に問い合わせをして必要書類を聞いておくと良いかもしれません。
法人で金を買い取ってもらうケース
法人の場合は、登記簿謄本(履歴事項全部証明書/現在事項全部証明書)と印鑑登録証明書などの提出が必要になります。
ただし、指定された期間内で発行されたものや、代表者による持ち込みが必要な場合がほとんどのためその点のみ注意が必要です。
200万円以上で金を買い取ってもらうケース
金の買取時に200万円以上の取引となる場合、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」に従わなければなりません。
この場合では、本人の確認をより強化する対応をする店が多く、マイナンバー確認書類の提示が求められることが多くあります。
なるほど、個人や法人であることをしっかり証明できる書類がなければ買い取ってもらえないんですね。
特に200万円を超えるような大きな取引は、買取業者側も慎重になるので、必要書類の確認は忘れないようにしてください。
金を売る時の税金について
金を個人で売る時に必要になる税金は、以下のように決められています。
「その人が営利を目的として継続的に金地金の売買をしている場合の所得は、譲渡所得とはならず、その実態により事業所得または雑所得として総合課税の対象になります。」
このように、金を売った時の利益は雑所得として扱われ、所得税が課せられます。
ただし、金を売ったことが課税対象となるといった意味ではなく、金の購入や売却にかかった費用から、特別控除の50万円を引いて残った利益に対する税金です。
そのため少額の金であれば税金を取られることはありません。
高額の金の取引には税金がかかるんですね。
そうですね。高額の取引を検討されている方は注意しましょう!
買取業者の選び方
ここまで、金を売る時の注意点に関してお話ししてきましたが、金を売る際にはできるだけ高額な買取をしてくれる買取業者を探すことも重要です。
ここで1つ注意しておきたいのが、金の純度を偽って安く買い取ろうとする買取業者の存在です。
あくまでもごく一部の悪徳店が行うことですが、金の純度を調べてもらう時は信頼の持てる買取業者を探すようにしてください。
優良な店舗であれば不適切な価格で安く買取しようとすることもないので、店を見極めるポイントを抑えておくことをおすすめします。
買取実績が豊富かどうか
さまざまな店舗を比較するうえで見ておきたいのが、買取実績が豊富かどうかです。
多くの取引をしてきた実績は信頼にもなるので、長く経営を続けていて、買取件数の多い店を選びましょう。
また、自分が売ろうとしている金製品に合わせた店を選ぶことも大切です。
純金でできたコインや地金を多く取り扱っている店舗もあれば、ブランド品を多く扱うお店もあるため、売りたい商品の買取実績が多い買取業者へ依頼するようにしましょう。
また、ジュエリーに金が使われているものは、金を溶解せずにそのまま売る方法もあるためその分高く売れるかもしれません。
買取価格を重視したいという方は、どのような金製品の買取実績があるのかという部分も注目してみてください。
査定方法が明記されているか
買取業者が、どのような査定方法で買取を行っているのか確認することも大切です。
特に見積もりを出す時に、なぜそのような査定結果になったのか説明が不十分な買取業者は避けた方が無難です。
また、金を目の届かないところに持って行ったり、製品を雑に扱ったりと信用できないような行動をとる買取業者は取引に不安が残ります。
そのため利用者の満足度が高い店舗や、査定方法などが明確で丁寧な対応をしてくれる買取業者の方が、適正価格での取引もしやすくなるでしょう。
どんなに市場価格が高いタイミングで金を売ろうとしても、買取業者が悪ければ納得のいく取引はできません。
買取業者を選ぶ際は買取実績と査定方法を確認してから選びたいと思います!
思わぬトラブルが起きることもありますので、慎重に選ぶようにしましょう。
まとめ
金を適正価格や高額で売るためには、金の相場はもちろん買取業者との取引や、売るタイミングなどについての知識が必要です。
中には不適切な価格で安く金を手に入れようとするような買取業者もあるので、見積もりの確認や他店との比較を忘れずに行いましょう。
後は危険物や税金などについての注意点も踏まえて、正しく金の取引ができるように情報を整理しておくことをおすすめします。
- 金を売る際は相場と売る時期を考え、相場と買取価格の違いを理解しておく
- 買取業者は実績が豊富かどうか、査定が明記されているかどうかで選ぶ
- 金製品でも法定金貨や工業製品、危険物は買取できないこともある
- 金を買い取ってもらうためには書類が必要なので、状況に応じて用意する
金を売るのはどこでも変わらないと思っていましたが、売る側も留意しなければいけないことがたくさんあるんですね。
金は相場が国際市場だけでなく為替市場の影響を受けたり、買取業者の査定方法で買取価格が決まったりするので、売るタイミングや売る場所にも注意が必要です。
私も金を売るような機会があれば、相場に気をつけながら適正な価格で買い取ってもらえる買取業者を探します。