プレミア切手の中には、かなり高値がつくものがあるんですか?
そうなんです。なかなかプレミア切手を持っている人は少ないですが、実は家の中にお宝が眠っているなんてことも…。
夢がありますね!なぜプレミア切手に価値があるのか気になります!
それでは、プレミア切手が高く売れる理由や具体的な買取相場を解説していきます!
プレミア切手とは?
プレミア切手とは、本来の額面より高い価値がつく切手です。
現存数や発行数が少ないなど、希少性が高い切手がプレミア切手となるケースが多いようです。
もし古い切手を見つけた場合は、捨ててしまわず査定に出してみると良いでしょう。
額面より1円でも高い価値がつけばプレミア切手と呼ばれるんですね。
はい。ただ、大半の切手には額面以下の価値しか付けられないため、1円でも高い価値がつく切手も非常にレアなんですよ。
日本の代表的なプレミア切手5選
具体的にどんなプレミア切手があるのか、みていきましょう。
まずは、日本の代表的なプレミア切手5選を紹介します。
- 見返り美人切手
- ビードロを吹く娘切手
- 月に雁切手
- 竜文切手
- 桜切手
①見返り美人切手
見返り美人切手は、1948年の切手趣味週間シリーズとして発行された切手で、江戸時代の浮世絵師・菱川師宣の浮世絵作品「見返り美人」がモチーフとなっています。
縦6.7cm×横3cmの縦長で大きめなサイズが特徴で、当時は珍しい仕様でした。
そんな見返り美人切手が発行された枚数は150万枚です。
絵柄が美しい・サイズが大きい・発行枚数が少ないなど、さまざまな要因で希少価値が高くなっています。
平成3年には復刻版が登場しましたが、プレミアがついているのは1948年に発行されたもののみなので注意しましょう。
②ビードロを吹く娘切手
ビードロを吹く娘切手は、1955年の切手趣味週間シリーズとして発行された切手で、江戸時代の浮世絵師・喜多川歌麿の浮世絵作品「ビードロを吹く娘」が図柄となっています。
江戸の町娘がビードロを吹く様子が描かれており、カラー印刷が採用されているのが大きな特徴です。
当初は他のプレミア切手よりも多い500万枚の発行を予定していましたが、人気のためさらに550万枚増刷されました。
発行枚数の多さから、比較的価格が下がっていますが、切手マニアからの人気は衰えていません。
③月に雁切手
月に雁切手は、1949年の切手趣味週間シリーズとして発行された切手で、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の浮世絵作品「月に雁」が図柄となっています。
縦7cm×横3cmの縦長で、前年に発行された「見返り美人切手」よりも大きいサイズが特徴です。
発行枚数は200万枚で、切手ブームの1960年代には、現代の約10万円程度の価値がつけられたこともあったといいます。
④竜文切手
竜文切手は、1871年に発行された日本初の郵便切手です。
絵柄に竜が描かれていることと、当時の貨幣単位「文」が額面に使用されていることから、竜文切手と呼ばれています。
竜文切手が発行されてすぐに、貨幣単位が「円・銭」に変わったため、他の切手と比較して発行枚数・現存数ともに非常に少なく、希少価値が高いのです。
⑤桜切手
桜切手は、1872年に発行され、桜と菊花がデザインされているのが特徴です。
半銭〜20銭までさまざまな額面の切手が存在しますが、20銭の桜切手の発行枚数が最も少なく、高価で取引される傾向にあります。
桜切手は数年間にわたり発行されていたものの、デザインに大きな変化はありませんでした。
しかし、発行年ごとに切手の色が異なるため、切手マニアからは高い人気があるようです。
浮世絵が描かれているなんて、日本らしくて素敵ですね。
その絵柄の美しさがさらにプレミア価値を高めているともいえますね。
中国の代表的なプレミア切手5選
日本のプレミア切手について解説しましたが、世界的にみると中国の切手には価値が高いものが多いといわれています。
なぜなら、中国では1966年〜1976年の間、毛沢東により文化大革命が行われ、収集目的で切手を保有することが禁じられていたためです。
文化大革命以前の切手の多くが失われてしまったため、現存数が非常に少なく高い価値があるとみなされます。
ここからは、中国の代表的なプレミア切手5選をご紹介します。
- 赤猿切手
- 大パンダ切手
- 毛沢東切手
- 菊シリーズ切手
- 牡丹シリーズ切手
①赤猿切手
赤猿切手は、1980年に中国郵政が発行した切手で、中国十二支シリーズの第1段として非常に高い人気を誇ります。
赤い背景に子猿が丁寧に描かれており、金粉が散りばめられているというデザイン性でも注目を集めました。
当初は800万枚発行される予定だったものの、500万枚に減少したことで希少性が高まり、現存枚数も少ないため超高額で取引されるようになったといわれています。
バラ・シートのどちらでも高額買取が期待できる切手です。
②大パンダ切手
大パンダ切手は、水墨画で大きなパンダが描かれた切手です。
1963年に3種と、1973年に6種の2度にわたって発行されました。
第2段は日中国交正常化の直後で、日本でも空前のパンダブームが起こっていたため、第1段よりも発行数が増やされました。
そのため、第1段の大パンダ切手は第2段と比較して希少価値が高く、高価で買取される傾向にあるようです。
③毛沢東切手
毛沢東切手は、1966年〜1976年の中国における文化大革命時代を率いた毛沢東を描いた切手です。
「毛主席の最新指示切手」「毛主席の長寿を讃える切手」「毛主席の長寿を祝う切手」など種類がいくつかあります。
毛沢東が描かれた切手は文化大革命の時期に発行されたもので、当時は切手の収集が禁止されていたため、中国切手の中でも非常に高値で取引されているのです。
中でも「毛主席の最新指示切手」は最も人気が高く、富裕層が投資する対象にもなっているようです。
④菊シリーズ切手
菊シリーズ切手は、中国が原産である菊をデザインした切手で、1960年から1961年にかけて18種類発行されました。
菊シリーズ切手は、種類によって発行枚数が異なり、最も少ないものは100万枚と希少価値が高いためバラでも高く売ることが可能です。
中でも、額面22分の「紫玉香珠」「冰盤托桂」や額面30分の「墨荷」が最も価値が高いといわれています。
また、全18種類が揃った未使用のセットであれば、約30,000円程の価格がつくようです。
⑤牡丹シリーズ切手
牡丹シリーズ切手は、中国が原産である牡丹をデザインした切手で、1964年に発行されました。
シリーズは全部で15種類あり、描かれている牡丹の種類や色がそれぞれ異なります。
牡丹は中国の国花としても定められており、文学でも美しさの象徴として例えに用いられたり、薬用として高い効果を示すなど、中国では権威のある花として愛されています。
特に希少価値の高い小型シートでは10万円前後とかなり高額で取引されるようです。
パンダ・毛沢東・国花など、中国ならではのものが多いですね。
そうですね。色鮮やかで美しい絵柄に加えて、文化大革命で収集が禁じられていたので、さらに希少性が増しているのです。
代表的なプレミア切手の買取相場一覧
日本と中国の代表的なプレミア切手について解説しました。
それでは、具体的にこれらのプレミア切手はいくらくらいで取引されているのでしょうか。
買取相場をまとめてみました。
(※切手の状態により買取価格は変動します。)
切手の種類 | 買取相場 | |
日本のプレミア切手 | ①見返り美人切手 | バラ:900円〜5,000円前後 シート:8,000円〜30,000円前後 |
②ビードロを吹く娘切手 | バラ:100円〜800円前後 シート:2,000円〜7,000円前後 | |
③月に雁切手 | バラ:1,000円〜7,000円前後 シート:15,000円〜40,000円前後 | |
④竜文切手 | 10,000円〜50,000円前後 | |
⑤桜切手 | 1,000円前後〜100,000円前後 中には1,000,000円以上の価値があるものも存在 | |
中国のプレミア切手 | ①赤猿切手 | バラ:10,000円前後〜100,000円前後 シート:〜1,000,000円前後 |
②大パンダ切手 | バラ:100円〜2,000円前後 シート:3,000円前後 | |
③毛沢東切手 | バラ:1,000円〜10,000円前後 セット:100,000円〜300,000円前後 | |
④菊シリーズ切手 | バラ:100円〜7,000円前後 セット:30,000円前後 | |
⑤牡丹シリーズ切手 | バラ:100円前後〜シート:100,000円前後 セット:20,000円前後 |
1,000,000円!?想像以上でした…。
滅多に出てこないお宝のようなものですが、それほど価値が高いということですね。1枚バラではなく、シートや全種類セットで持っているとさらに高額での買取が期待できます。
プレミア切手が高く売れる4つの理由
日本や中国のプレミア切手の相場をみると、非常に高価で取引されるものもあります。
ではなぜプレミア切手はそんなに高く売れるのでしょうか。
主な理由は以下の通りです。
- 発行された枚数が少ない
- 流通している枚数が少ない
- デザインが美しい
- 中国切手は中国であまり残っていない
①発行された枚数が少ない
プレミア切手が高く売れる1つ目の理由は、発行された枚数が少ないことです。
発行枚数は切手の種類や発行時期の状況によって変わりますが、発行枚数が少ないほど希少価値が高いとみなされます。
また、同じ種類の切手でも額面の違いにより発行枚数が異なるため、切手の価値や相場を調べる際は額面までしっかりと確認することが重要です。
②流通している枚数が少ない
プレミア切手が高く売れる2つ目の理由は、現在流通している枚数が少ないことです。
切手の発行枚数は多くても、現存する切手の枚数が少ない場合は、希少価値が高まります。
流通枚数が少なくなる理由は、戦争や政治的な理由などさまざまです。
例えば、中国の文化大革命では切手の収集が禁じられていたため、それ以前に発行されたものがプレミア切手になっています。
日本では、貨幣単位が「文」から「円・銭」に変わる直前に発行された竜文切手にプレミアがついています。
③デザインが美しい
プレミア切手が高く売れる3つ目の理由は、デザインが美しいことです。
美しい絵柄の切手や、色合いが綺麗な切手は人気が高く、切手コレクターの心を揺さぶります。
日本では浮世絵をモチーフにした切手が発行されており、長年に渡って高い人気を誇っています。
中国の赤猿切手のような、動物の毛が1本1本細かく描かれていたり、金粉が散りばめられているなどの珍しいデザインも高値がつく理由の一つです。
④中国切手は中国であまり残っていない
世界中の切手の中でも、中国の切手は最も希少価値が高い切手の1つといわれています。
中国切手がプレミア切手となり高く売れる理由は、あまり残っていないからです。
中国では、1966年〜1967年に毛沢東による文化大革命が起こりました。
この時期は、切手を収集目的で保有することが禁じられており、この時期以前に発行された大半の切手が失われたのです。
中国内でわずかに残存していた切手や、文化大革命の影響を受けなかった海外で保有されていた中国切手が高値で取引されています。
なるほど。中国では切手の収集が禁じられていたため、海外に流通した中国切手が残っている可能性があるのですね。
そうです。中国と近い日本にもまだまだプレミア切手が眠っているかもしれませんね。
オリンピックの記念切手の価値は?プレミアはつく?
日本や中国のプレミア切手について解説してきました。
他に希少価値が高い限定切手として、オリンピック記念切手が挙げられます。
日本においても2021年開催の東京オリンピックを含めて4回のオリンピックが開催されました。
4回のオリンピックそれぞれで発行された記念切手に、プレミア切手としての価値はつくのかを解説していきます。
東京オリンピック記念切手
現時点で東京オリンピック夏季大会は1964年と2021年の2回開催されています。
1964年に開催された東京オリンピック夏季大会では、1961年10月〜1964年6月にかけて全20種類の記念切手が発行されました。
発行部数は非常に多く、プレミア価値はついていません。
2021年に開催された東京オリンピック夏季大会における記念切手も、同じく額面以上の価値はつかないと考えられます。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受けて延期した大会であるため、今後価値が高まっていく可能性もゼロではないでしょう。
札幌オリンピック記念切手
札幌オリンピック記念切手は、額面程度の価値であり、今後もプレミア切手となる可能性は低いです。
札幌オリンピックは、1972年にアジア初の冬季オリンピックとして開催されました。
1972年2月3日、札幌オリンピックを記念した「札幌オリンピック冬季大会記念切手」は、約2,000万枚以上発行されました。
発行枚数が多く希少性が低いため、売りに出しても額面程度の買取額となる可能性が高いでしょう。
長野オリンピック記念切手
長野オリンピック記念切手も、額面程度の価値であり、プレミア切手となる可能性は低いです。
長野オリンピックは、1998年に冬季オリンピックとして開催されました。
1998年2月5日、長野オリンピックを記念して発行された「長野オリンピック冬季大会記念切手」は、80円切手5種と50円切手5種の計10種類がセットになった小型シートのみです。
発行された枚数は、全部で2,000万枚です。
発行部数が多く希少性は低いため、額面以上の価値はつかないと考えてよいでしょう。
オリンピック記念切手はとても希少なイメージがあるのですが、プレミア切手ではないんですね…。
先ほどご紹介したプレミア切手と比べて圧倒的に発行枚数が多いことが原因ですね。
消印が押された切手が高く売れるケースもある
一般的には、消印が押された使用済みの切手は、未使用のものに比較して価値が下がる傾向にありますが、場合によっては消印が押されている方が高く売れるケースもあります。
オリンピック記念切手の場合、コレクションとして未使用で保存する人が多く、消印が押してある方が希少価値が高いと考えられています。
また、発行日初日の消印が押された切手にはさらに高い価値がつく傾向にあります。
オリンピック記念切手は、使用済みで消印が押してあるからといって処分しないようにしましょう。
なるほど!ほとんどの人がコレクション目的で所有している場合は、消印が押してある方が高く売れることもあるんですね。
特にオリンピック記念切手は収集目的の人が多いですね。さらに発行初日の消印のものには高い価値がつきます。
プレミア切手を高く売る4つのコツ
プレミア切手を所有している場合、少しでも高く売りたいと考える方が多いのではないでしょうか。
ここからは、プレミア切手を高く売る4つのコツについて解説していきます。
- 切手が劣化する前に早く売る
- プレミア切手の相場を把握しておく
- 汚れやシワなどを自分で修復しない
- 複数の買取業者に査定してもらう
①切手が劣化する前に早く売る
プレミア切手を高く売る1つ目のコツは、切手が劣化する前に早く売ることです。
切手だけに限ったことではありませんが、状態がよく綺麗なものほど高く売れる傾向にあります。
劣化が進めばその分査定額が下がり損をすることにも繋がりかねません。
プレミア切手を所有していて、売却すると決めた場合は、劣化する前に早めに査定に出して少しでも高い金額で売れるようにしましょう。
②プレミア切手の相場を把握しておく
プレミア切手を高く売る2つ目のコツは、プレミア切手の相場を把握しておくことです。
プレミア切手の相場は日々変動します。
プレミア切手はオークションサイトやフリマアプリなどでの取引が多く、相場の変動により大体の価格の変動を把握することが可能です。
所有しているプレミア切手の相場が高い時期を見計らって売りに出しましょう。
③汚れやシワなどを自分で修復しない
プレミア切手を高く売る3つ目のコツは、汚れやシワなどを自分で修復しないことです。
切手は薄くて繊細なので、自分で修復しようとすると傷つけたり破ったりしてしまうおそれがあります。
プレミア切手は所有しているままの状態で査定に出すのがおすすめです。
④複数の買取業者に査定してもらう
プレミア切手を高く売る4つ目のコツは、複数の買取業者に査定してもらうことです。
切手だけに限ったことではないですが、買取業者によって査定額は異なるため、複数の業者
で査定を依頼し、最も高い査定額を出してくれた業者に買い取ってもらうと良いでしょう。
複数業者で査定してもらうことによって、価格交渉もしやすくなります。
確かに、切手は薄いので余計なことをすると破れてしまいそうですね!
そうなんです。ブランド品などはメンテナンスした方が良い場合もありますが、切手はそのまま査定に出すのが良いでしょう。
まとめ
プレミア切手の買取相場や高く売るためのコツについて解説してきました。
日本の伝統的な浮世絵が描かれた切手や、世界的にも希少な中国切手など、さまざまなプレミアム切手が存在します。
切手は薄くて小さなものですが、希少価値が高いものは数十万〜数百万円の価値がつくこともあります。
また、高額のものでなくても、額面以上の査定額が見込めるプレミア切手は日本にも存在するため、1度買取相場を確認してみるのがおすすめです。
プレミア切手を高く売るためには、「劣化前に早く売る」「汚れやシワなどを自分で修復しない」などのコツを意識しましょう。
- プレミア切手とは、額面以上の価値がある切手のこと
- 日本の代表的なプレミア切手は、「見返り美人切手」「月に雁切手」「ビードロを吹く娘切手」など
- 中国の代表的なプレミア切手は、「赤猿切手」「大パンダ切手」「毛沢東切手」など
- オリンピック記念切手には、基本的にプレミア価値はつかない
- プレミア切手を高く売るためのコツは、「劣化する前に早く売る」「プレミア切手の相場を把握しておく」など
プレミア切手って奥が深いですね。私も収集してみたくなってきました。
プレミア切手は常に人気で、オークションサイトやフリマアプリでもたくさん取引されていますよ。
実際の取引金額を見るだけでも面白そうですね。相場が分かっていれば売買するときに役立ちそうです!