旧紙幣・旧札とは、明治時代以降に流通し、今は発行が停止されている紙幣のことです。価値のある旧紙幣・旧札は、保存状態が良いことや、希少価値が高いことが特徴。この記事では、プレミア価値がつく可能性のある旧紙幣・旧札の具体的な特徴や種類、高く売る方法を紹介します。
旧紙幣・旧札とは
旧紙幣・旧札とは、明治時代以降に流通し、今は発行が停止されている紙幣のことをいいます。
旧紙幣・旧札のなかには現在でも使えるお札も多く、日本銀行が2019年までに発行した53種類の紙幣のうちの22種類が、現在でも額面通りの価値が保証されています。
ただし、ある特徴を持つ古い紙幣は歴史的価値があるため、高値で買い取ってもらえる可能性も。これからその特徴について詳しく解説します。
価値のある旧紙幣・旧札の9つの特徴
プレミア価値がつきやすい旧紙幣・旧札は、保存状態や希少性など一定の条件があります。どんな旧紙幣が高い価値があるのか、具体的な特徴を9つ解説します。
1.未使用である
当時の状態のまま未使用で残っている旧紙幣・旧札は、価値が高くなる傾向があります。未使用のものはコレクター人気も高く、額面以上の価値がつくことがほとんどです。
例えば、1950年から1965年発行に発行され、表面に聖徳太子が描かれているB号券1,000円札は、1万5,000円の価値がつくこともあります。また、1942年から1946年発行の甲号券1,000円札は、発行されていた期間が約5年と短く、発行枚数も少なかったことから、25万円もの高値がつくこともあるのです。
B号券や甲号券について詳しくは、「種類別|旧紙幣・旧札の価値一覧」の章にて解説します。
2.若い発行番号である
発行番号100番目までの旧紙幣・旧札は、希少性があるため高い価値がつきます。発行番号が100番目までは、基本的に博物館や施設等に寄贈されるからです。「お宝紙幣」と呼ばれるほど驚くような価値がつくこともあり、例えば「A000007A」の10,000円札は、某鑑定番組で300万円もの評価額がつけられました。
めったに市場に出回ることがないため、高価格の査定を狙うことができます。
3.記番号のアルファベットが1桁である
記番号のアルファベットが1桁の旧紙幣も、高額の査定を狙えます。紙幣全体から見ると約4%しかなく、希少価値があるためです。旧紙幣の保存状態によっても異なりますが、アルファベットが1桁である場合、額面の1.5倍~2倍の価値がつくことも珍しくありません。
例えば、「A111111A」のように、記番号が「アルファベット1桁+数字6桁+アルファベット」の順で並んでいる紙幣のことです。記番号はアルファベットのAから1桁から採番されますが、Zまで回ると、「AA111111A」というようにアルファベットが2桁になります。アルファベットが1桁の方が発行番号が古いため、より高く査定されるのです。
4.番号がゾロ目である
「A777777A」のように、記番号の数字が6桁すべて揃っていると、価値が高いといわれています。ゾロ目の記番号は、111111から999999まで9種類ありますが、中でも7のゾロ目は人気が高く、価値が上がります。
「022222」「002222」のように6桁すべて揃わなくても、4~5桁の数字が揃っていれば、ゾロ目よりは下がりますが高価格での査定を期待できるでしょう。
5.アルファベットがZである
先頭と末尾のアルファベットがZの記番号は、最後に作られた紙幣のため価値が上がる傾向があります。
「Z111111Z」のように、先頭のZが1桁の場合はZZ券と呼ばれています。また、「ZZ111111Z」のように、先頭のZが2桁の場合はZZZ券、またはラスト番号と呼ばれています。ZZZ券よりもZZ券の方が発行番号が古いため、その他の条件が同じであれば、より高い価値がつくのです。
6.キリがいい番号である
記番号の下5桁が0で揃っている旧紙幣は、キリのいい番号のため高い価値がつきます。通称キリ番と呼ばれています。
「100000」や「600000」など、下5桁が0で揃っていれば、先頭の数字はなんでもかまいません。
未使用品や若い記番号の旧紙幣などに比べると、そこまで人気は高くないものの、それでも額面の2~9倍の価値がつくこともあります。
7.階段の番号である
階段のように数字が1つずつ増えている記番号の旧紙幣も希少価値が高く、高額査定を狙えます。「123456」や「456789」などのように、連続した数字が1つずつ増えていれば、基本的に階段の番号として扱われるようです。
旧紙幣の状態によっても異なりますが、額面の3~5倍の価値がつきます。
8.エラープリントである
特殊な記番号の旧紙幣よりも高額で取り引きされるのが、エラープリントの旧紙幣です。エラープリントはめったに発生しないため、額面の10倍以上の価値がつくものもあるほどです。
例えば以下のように、通常の印刷がされていないものをエラープリントと呼びます。
・絵柄がズレている「印刷ズレ」
・絵が欠けたり消えたりしている「印刷ミス」
・裁断がズレている「裁断ミス」
・記番号が表と裏で異なる「記号違い」
・片面に裏表両方の印刷がされている「裏写り」
この中でも、裏写りは特に高い価値がつくと言われています。千円札の裏写り紙幣が数万円の価値になることも珍しくなく、数十万円もの価値がつくこともあります。
9.帯付きである
紙幣100枚を1つに束ね、帯で巻いたものは「帯付き」と呼ばれ、1枚ずつよりも珍しいため、買取価格が高くなります。帯付きで保管されていれば、そのまま一度査定に出してみるのがおすすめです。
特に旧札発行当初の帯は希少価値が高く、高価買取が期待できます。その中に、エラープリントや珍しい記番号の旧紙幣が含まれていれば、さらに査定額がアップする可能性も。
種類別|旧紙幣・旧札の価値一覧
旧紙幣の種類によって、価値が異なります。額面以上に高い価値がある可能性のある「甲号券」「B号券」「C号券」「D号券」をご紹介します。
1.甲号券
甲号券は、1,000円札、100円札、10円札、5円札の4種類が存在します。
詳しくは以下の通りです。
種類 | お札の金額 | 発行年 | 表面 | 買取相場 |
---|---|---|---|---|
日本武尊1,000円札(兌換券甲号) | 1,000円札 | 1942~1946年 | 日本武尊と建部神社 | 30,000~250,000円 |
藤原鎌足・裏紫100円札(甲号兌換銀行券) | 100円札 | 1900~1939年 | 藤原鎌足 | 100,000~1,000,000円 |
裏猪10円札(甲号兌換銀行券10円) | 10円札 | 1899~1939年 | 和気清麻呂 | 50,000~100,000円 |
中央武内5円札(甲号兌換銀行券5円) | 5円札 | 1899~1939年 | 武内宿禰 | 30,000~250,000円 |
2.B号券
B号券は、1,000円札、500円札、100円札、50円札、50銭札の5種類存在します。
詳しくは以下の通りです。
種類 | お札の金額 | 発行年 | 表面 | 買取相場 |
---|---|---|---|---|
聖徳太子1,000円札(日本銀行券B号) | 1,000円札 | 1950~1965年 | 聖徳太子 | 1,000~15,000円 |
岩倉具視旧500円札(日本銀行券B号) | 500円札 | 1951~1971年 | 岩倉具視と桜の花 | 500~1,000円 |
板垣退助100円札(日本銀行券B号100円) | 100円札 | 1951~1971年 | 板垣退助 | 500~5,000円 |
高橋是清50円札(日本銀行券B号) | 50円札 | 1951年~1958年 | 高橋是清 | 1,000~4,000円 |
板垣退助50銭札(政府紙幣B号50銭) | 50銭札 | 1948年~1953年 | 板垣退助 | 10~300円 |
3.C号券
C号券は、10,000円札、5,000円札、1,000円札、500円札の4種類存在します。
詳しくは以下の通りです。
種類 | お札の金額 | 発行年 | 表面 | 買取相場 |
---|---|---|---|---|
聖徳太子10,000円札(日本銀行券C号) | 10,000円札 | 1958~1986年 | 聖徳太子 | 10,000~30,000円 |
聖徳太子5,000円札(日本銀行券C号) | 5,000円札 | 1957~1986年 | 聖徳太子 | 5,000~8,000円 |
伊東博文1,000円札(日本銀行券C号) | 1,000円札 | 1963~1986年 | 伊藤博文 | 1,000~8,000円 |
岩倉具視新500円札(日本銀行券C号) | 500円札 | 1969~1994年 | 岩倉具視と桜花 | 500円前後 |
4.D号券
D号券は、10,000円札、5,000円札、2,000円札、1,000円札の4種類存在します。
詳しくは以下の通りです。
種類 | お札の金額 | 発行年 | 表面 | 買取相場 |
---|---|---|---|---|
福沢諭吉10,000円札(日本銀行券D号) | 10,000円札 | 1984~2007年 | 福沢諭吉 | 10,000円前後 |
新渡戸稲造5,000円札(日本銀行券D号) | 5,000円札 | 1984~2007年 | 新渡戸稲造 | 5,000円前後 |
守礼門2,000円札(日本銀行券D号) | 2,000円札 | 2000~2003年 | 首里城守礼門 | 2,000円前後 |
夏目漱石1,000円札(日本銀行券D号) | 1,000円札 | 1984~2007年 | 夏目漱石 | 1,000~10,000円 |
旧紙幣・旧札を現金にする方法
旧紙幣・旧札を現金に替える方法は3つあります。具体的には金融機関や、ネットオークション・フリマアプリ、買取専門店を利用することです。詳しく確認していきましょう。
金融機関に持っていく
1つ目の方法は銀行や郵便局など金融機関の窓口に持っていくと、現行の紙幣に両替できます。ただし前述の9つの特徴や4つの種類に当てはまっていても、金額は額面通りです。
額面以上の価値がつく可能性があれば、銀行での両替は最終手段として考え、この後に紹介する2つの方法も検討してみるとよいでしょう。
ネットオークションやフリマアプリで出品する
メルカリなどのフリマアプリや、ヤフオクといったオークションサイトを利用し、個人間での取り引きを行う方法です。インターネット環境さえあれば手軽に出品ができます。
オークションは入札が多いほど落札価格が上がるため、想像以上の高値で売れる可能性も。フリマアプリなら、価格を自由に設定可能です。
ただし落札者や購入者とやり取りしたり、発送作業をしたりと、何かと手間がかかります。自分でやる時間がない人は、次に紹介する買取専門店に依頼するのも1つの手段ですよ。
買取専門店に依頼する
買取専門店は知見のある専門家なので、素人判断に比べ正確です。旧紙幣・旧札の価値は判断がしにくく専門業者でないと、通常の価値より低く見積もられる可能性もあります。
価値のありそうな旧紙幣を持っているのなら、できるだけ高く売りたいものですよね。9つの特徴や4つの種類に当てはまるもの、悩ましいものがあれば、一度査定に出してみるのをおすすめします。まずは、無料査定だけでも依頼してみてはいかがでしょうか。
旧紙幣・旧札の価値を知った上で売却を検討しよう
保存状態や希少性の高い旧紙幣・旧札は、額面以上の価値がある可能性が高いものです。また、旧紙幣・旧札の種類によっても価値が異なります。もし、旧紙幣・旧札を持っているのなら、状態や記番号、種類を確認してみてはいかがでしょうか。専門の買取専門店に持っていけば、プレミア価格がつくかもしれません!
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