簡単にわかる「金の純度」の意味と調べ方とは

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古代から「形として見える資産」として変わらずに指示されてきた高価なものが金(ゴールド)です。現在でも世界情勢が不安な時期には金相場はたびたびさらに高騰して話題となるのですが、今年(2020年)はコロナショックや世界情勢を反映して相場は急上昇。 史上最高水準にあるので高く売るのであればまさに今がチャンスと言えます!

相場を表す言葉として皆さんご存じなのが「1グラム●●円」という表現です。これが分かれば後は重さを掛け算すれば「素材としての最大価値」は割り出せます。(石やデザイン、ブランドなどを含むジュエリーとしての価値はまた別物になりますが…)

しかしそうした「大きさ・重さ」以外に、価値を左右するものとして大きいのが「純度」です。金はよく知られた素材ですが、純度による価値の違いやそれを表す刻印の意味については、あまりよく知らないという方も多いと思います。今回は金の純度(成分としての濃さ)の意味、見方、そして調べ方などについて総合的にお伝えしていこうと思います。

目次

金の純度の意味と、価値に与える影響とは

純度が高いほど価値が高い

「純度」とは、全体のうち重さベースでどの程度「金」が使われているかという目安になります。「純度が高い」ほど金は多く使われており、純度100%ということはすべて金なのでいわゆる「純金」を指します。(24金ともよばれています)

たとえばデザイン性やダイヤなどの意志を考慮せず、同じ重さの金の指輪があった場合、「純度100%」のものと「純度50%」のものがあれば、単純に100%のものは素材として、後者の2倍の価値がある…ということができるわけです。

よくある純度の表し方とは

身近にある金製品と言えばジュエリーですが、日本で刻印などに多く用いられているものが「K」を使った24分率で表示されるものです。これは「100%=すべて」と表す百分率とおなじで、「K24(24金)=すべて(純金)」ということになります。

※ただ実際には100%ではなく、日本の場合99.99%以上の純度のものをK24と表記することになっています。Kが1増えるごとに、約4.17%ずつ含有率が増えて行く計算になります。

よく使われているジュエリーの純度とは

刻印を見ればほとんどの場合純度が分かります。よく「18金のリング」などの表現を目にすることがありますが、日本の金製品(特に多いシュエリー)に使用されている純度の多くは以下のようなものがあります。

K24(24金・純金)…含有率99.99%以上

純度ほぼ100%のものです。金のインゴットやコイン、また一部ジュエリーにも使われています。混ぜ物がほとんどないので単純に重さの分の金としての価値があるのでインゴット等にも使われているわけです。 また一部のリングなどで24金のものもありますが金はやわらかく、曲がったり傷ついてしまう性質もあるため強度が不足しがちなので、ジュエリーとして実は24金は少数派です。

K18(18金)…含有量率75%

最も日本でポピュラーなのがこのタイプでしょうか。残りの25%は銀・銅の場合も多いですがパラジウムなど、やや高価な金属が使われることも多いです。金としての輝きも保ちつつバランスよく強度も高めることができるため、ジュエリーではリング・ブレスレット・ネックレスなどを中心に「細工の施されるもの」では多く使われています。

K14(14金)…含有率約58.5%

14金も比較的多くジュエリーで使われているのですが、どちらかというと海外で生産されているジュエリーに多いようです。代表的な所ではハワイアンジュエリーなどに多く使われているようですね。金の含有量は半分ちょっとですが、混ぜる金属などにより色の調整も効きやすいのでゴールドカラーではなく、シルバーやカッパーなどのカラーのものも多いようです。純金の含有率が減るので輝きは若干劣る傾向もあり、変色してしまうリスクも出てきます。混合物を増やせる分耐久性は高いので万年筆など、ジュエリーのみでなく実用的なものの装飾部分として使われることも多い金属です。

K10(10金)…含有率約41.6%

金の含有量は半分を切っていて、残りは「割金(わりがね)」と呼ばれる別の金属の混ぜ物になります。素材としての価値は含有量の高いものより低いのですが逆にカラーとしてゴールド以外の色にもしやすいのか、ホワイトゴールドなど別のカラーのものに数多く使われているようです。丈夫かつ加工がしやすいというメリットがあります。ただ金以外の混ぜ物が増えてくると金属アレルギーを起こしやすいという傾向もあるので、アレルギーがある人は注意が必要です。

※このほかにも少数派ですがK22、K16、K9などのジュエリーも多く見ることができます。ただ一概には言えませんがこうした珍しい純度表記のものは海外産のジュエリーであることが多いです。

純度の調べ方にはどんなものがあるのか

自宅にあるジュエリーの純度を調べたい、という人も多いですし買い取り店などで金額を査定する場合にも純度を確認することは重要です。簡単な調べ方から、精密に調べるやり方まであるのですがざっと以下のものがあります。

1.刻印を確認する

金製品のほとんどには刻印があります。ジュエリーでもほぼ例外はなく、例えば指輪であれば内側、ネックレスであれば留め金の部分に刻印があることが多いものです。多くは「K18」「14K」など24分率を用いた表記なので分かりやすいはずです。

2.比重計を用いて確認する

水を用いるものが多いのですが、比重(1立方cmあたり何グラムか)ということを調べれば純度の目安になります。たとえばK24の比重は約19.3で、K18であれば15~16、K14なら13~14.5程度と大体の目安があります。万一刻印が無かったり、見ても不安な場合はこの数値が刻印と合致すれば信用度は高いと言えるでしょう。

3.X線検査にかける

こうなってくるとかなり専門的になるのですが、X線を使い傷つけずに金の純度を調べることが可能です。(「蛍光X線分析」と呼ばれています)X線を表面に照射し、そこから放出される蛍光X線を測定する方法で、金などの金属からはそれぞれ異なる蛍光X線が放出されますのでそれを分析するわけです。よく高価なインゴットの査定や取引をする場合に用いられる方法で、最終手段と言っても過言ではありません。預かって専門機関などで鑑定をする場合はよく用いられます。

他にも超音波検査、江戸時代から続く試金石を使った方法などいくつもありますが、ジュエリーの価値を見ていく場合には「強力な磁石にもくっつかず刻印が入っている」ということが最初に見るポイントになると思います。

純度の豆知識いろいろ

「K」の意味と見る時の注意点

Kというと金の頭文字ではないか、という人も多いのですが正確には「カラット」という単語の頭文字になります。カラット(Ct)というとダイヤモンドの大きさを表す言葉が有名ですが、こちらのカラット(Karat)は純度を表す単語で、24分率であらわされます。

またたまに勘違いされるのが「K18」と「18K」の違いです。後者のものはいわゆる「あとK」と呼ばれていて、日本ではなく外国で生産されたジュエリーによく用いられます。後者のものはいわゆる「あとK」と呼ばれていて、日本ではなく外国で生産されたジュエリーによく用いられます。数値などにより異なるのですがこの「あとK」の場合は(表記の意味自体は同じなのですが)通常よりも含有率が低いこと場合もあります。たとえば「18K」であれば、日本の表記に直すと「K14」や「K10」程度の含有率しかない場合もかなりあります。海外の「あとK製品」の場合粗悪なものも多く18Kと刻印されても実際は金がそれ以下にしか含まれていないものが出回っているので、一段階低い評価になってしまう場合もあるのです。

なぜ、ジュエリー混ぜ物をするのか

ジュエリーについては純度が高い方がもちろん、素材としての価値や見た目では優れていそうなイメージがありますよね。なぜ他の金属と混ぜ合わせた合金が多いのでしょうか。もちろん金が高価なので比率を下げる…という面もなくはないのですが、金相場の高い低いに関わりなく合金は多く使われています。

一つの大きな理由としては純金の場合硬度がとても柔らかいため熱に弱くなってしまっています。また圧力や熱で型崩れしたり傷がついたりしやすい、というデメリットがあります。逆に金のメリットとしては他の金属と混合しやすいというものがあり、より安価でも硬い金属と混ぜ合金にすることで、その欠点を補うことができるのです。また色合いについても混ぜ合わせる側の金属を調整することで、ピンクゴールド・ホワイトゴールドなど色味の違うジュエリーを作れるというメリットも大きいですね!

読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

安井 理のアバター 安井 理 リユースライター

慶應義塾大学 文学部 人間関係学科卒。1999年より神奈川を中心に学習塾・結婚相談所・リユース専門店などを経営。特にリユース専門店は県内30店舗まで展開した後、戦略的バイアウト。以降は越境ECや業界特化型のライター・コラムニスト・アドバイザーとして活躍。

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