亡くなった祖父が旅行が好きで、よく色んな記念メダルをコレクションしていました。いまでは置き場所に困っていて、どうしようか困っています。
記念メダルなどは、「金貨」として買取査定してもらうことができますよ!
そうなんですか。祖父のコレクションはたくさんありそうなので、ぜひ金貨について教えてください。
今回は、世界中で人気のある「金貨」について詳しく解説しますね。歴史的な背景についてよく知っておくと、買取査定の参考になりますよ。
そもそも金貨とは?歴史や現代的な価値について
金貨とは、文字通り「金」(ゴールド)で構成されている貨幣を指します。
しかし、金貨は単なる貨幣ではありません。
その金の輝きから、投資やコレクションの対象としても普及しています。
金の歴史は古く、世界中で宝飾や装身具などに使用されてきました。
日本では、奈良時代(760年頃)に開基勝宝という金貨が発行されている歴史があります。
金は展延性が高いため加工がしやすく、酸化がしにくいため、貨幣として用いられるようになりました。
「金」は古くから人々にとって特別なものなんですね。
そうですね。たとえば、日本の大判小判もまさに「金貨」の一つです。
金貨の価値はどうやって決まる?
金貨の価値を決める指標のひとつは、金貨にどのくらいの金が含まれているかです。
金の含有率が多い金貨は、含有率が少ない金貨よりも高い価値がつけられることが多いです。
たとえば2022年4月14日時点での金の価格は、1gが8697円になっていますが、お持ちの金貨の金の含有率がわかれば、そこからある程度の買取金額が把握できます。
金貨の価値を決めるもう一つの指標は、コレクターアイテムとしての希少価値です。
記念硬貨などの希少性の高い金貨の場合は、金の含有率をもとに算出した買取金額よりも高くなります。
コレクターアイテムとしての需要が高まると、金製品としての相場よりも高い金額で売買されることが多く、持ち続けることによりさらに価値が上昇する見込みもあります。
子どもの頃に手に入れた記念メダルが将来すごい価値がついていることもあるわけですね。
その通りです。コレクターからの人気が高ければ高いほど相場も上がりやすいですよ。
金貨は大別すると3種類ある
現在、世に出回っている金貨の種類は大きく分けて以下の3つに分類されます。
種類ごとの特徴や価値に関して詳しく見ていきましょう。
地金型金貨
地金型金貨とは投資用に発行されている金貨です。
地金型金貨の特徴として、金としての価値がその額面よりも高くなるように設定されています。
そのため、買取の際の金額は、金としての価格である地金価格がメインとなります。
代表例として、カナダのメープルリーフ金貨やイギリスのブリタニア金貨が挙げられます。
また、地金型金貨は相場とイコールではなく「プレミアム」がつけられて販売されます。
プレミアムとは、発行時の地金価格に対する上乗せ金額を指し鋳型の製造や輸送費などが含まれます。
金貨の売却時には、プレミアム分が上乗せされた金額で買い取ってくれるため、その分損をすることは少ないです。
しかし、傷や損傷があるとプレミアム分はなくなってしまう可能性があります。
通貨型金貨
現代の金貨には、金融機関から発行される「額面価格」があります。
例えば、1000円札には1000円の価値があり、日々変動するモノではありません。
これを通貨型金貨といいます。
通貨型金貨には定められた金額があり、金融機関で両替(紙幣、仮想通貨など)してもらうことが可能です。
通貨型金貨は穴を空けたり破壊したり、溶かして素材として用いた場合には貨幣損傷等取締法の対象となるので、地金としての買取はできません。
収集型金貨
収集型金貨は記念金貨などの特別なイベント時に発行されることが多い金貨です。
発行される枚数が少なかったり希少価値が高いため、コレクターアイテムになります。
発行数も少ないため、金地金の価値や額面を大きく超える金額で売買されることも。
希少性が高いことから、芸術品や骨董品と同様にコレクターアイテムとして人気の高い商品になっています。
また、将来的にプレミアムが付くことが予想されるので資産として持つ方もいます。
2022年4月現在は金の価値が高騰しており、特に高い金額で取引されていますので、家に眠っている収集型金貨があれば査定してもらいましょう。
金貨にも目的や用途に合わせて種類があるのですね。
収集型金貨など、高い価値が期待できる金貨を持っている場合には、一度査定を依頼してみることをおすすめします。
海外で人気の地金型金貨5選
2022年4月時点で、市場に流通している海外の金貨で人気の地金型金貨を5つ紹介します。
クルーガーランド金貨
発行元 | 南アフリカ共和国 |
発行年度 | 1967年~ |
品位 | 22K相当(金91.67%、銅8.33%) |
クルーガーランド金貨は、一度日本で流行したこともある地金型金貨です。
表面には、南アフリカに位置したトランスヴァ―ル共和国の元大統領ポール・クリューガーの肖像、裏面には、アンテロープの一種であるスプリングボックが描かれています。
パンダ金貨
発行元 | 中国 |
発行年度 | 1982年~ |
品位 | 24K相当(金99.99%) |
パンダ金貨は、表面には名前の通りジャイアントパンダが描かれている地金型金貨です。
1982年から毎年発行されていますが、毎年パンダのデザインが変わるため、世界中にコレクターがいるようです。
カンガルー金貨(ナゲット金貨)
発行元 | オーストラリア |
発行年度 | 1986年~ |
品位 | 24K相当(金99.9%) |
カンガルー金貨は、オーストラリアのパース造幣局で発行されている金貨です。
パンダ金貨と同様に1986年から毎年発行されている金貨になります。
カンガルー金貨は、1986年から毎年発行されていますが発行の度にロゴが変わっており、1989年にはカンガルーではなくナゲットがデザインされたため、別名「ナゲット金貨」と言われています。
表面には、エリザベス2世が描かれており、裏面にはカンガルー(ナゲット)が描かれています。
メープルリーフ金貨
発行元 | カナダ |
発行年度 | 1979年~ |
品位 | 24K相当(金99.99%) |
メープルリーフ金貨は、1979年から毎年発行されている金貨になります。
表面には、エリザベス2世の肖像が描かれており、裏面にはサトウカエデの葉が描かれています。
世界で初めて金の純度99.99%以上の金貨として作成された金貨としても有名であり、金貨としての評価も高めです。
ブリタニア金貨
発行元 | イギリス |
発行年度 | 1987年~ |
品位 | 22K相当(金91.6%、銅8.4%)または24K相当(金99.9%) |
ブリタニア金貨は、イギリス王立造幣局から発行されている地金型金貨です。
1967年に地金型金貨の先駆けとして南アフリカで発行されたクルーガーランド金貨への対抗金貨としてブリタニア金貨が発行されました。
表面にはエリザベス女王の肖像、裏面にはブリタニア女神が描かれています。
世界にはたくさんの種類の金貨があるのですね。
そのとおり。特に今回紹介した5種類の金貨は、どれも状態によっては20万円以上の金額で取引されたことのある人気の金貨です。
人気のある日本の金貨3選
日本でも金貨の需要が高く、多くの地金型金貨が流通しています。
今回は、日本で特に人気の3つを紹介します。
天皇陛下御在位60年記念金貨
発行年度 | 1986年、1987年 |
品位 | 24K(金99.9%) |
額面 | 10万円 |
天皇陛下御在位60年記念金貨は、500円白銅貨と1万円銀貨、10万円金貨の3種類が発行されています。
これは、第二次世界大戦後の初となる日本の金貨です。
非常に貴重な金貨のため、状態によっては30万円台で取引されることもあるようです。
天皇陛下御即位記念10万円金貨
発行年度 | 1990年 |
品位 | 24K(金99.9%) |
額面 | 10万円 |
天皇陛下御即位記念10万円金貨は、プルーフ金貨・白銅貨セットの3種類で販売された金貨です。
総発行枚数は200万枚と希少性はそこまでありません。
1990年に発行された金貨であるため、アンティークとしての価値も低いのが現状です。
しかし、金の価格は年々増加傾向にあるため、銀行で換金するのは不利になります。
そのため、換金する際には銀行ではなく、金貨を買取してもらえる店に持っていくことがおすすめです。
長野オリンピック記念1万円金貨
発行年度 | 1997年 |
品位 | 24K(金99.9%) |
額面 | 1万円 |
長野オリンピック記念1万円金貨は、その名の通り1998年に開催された長野オリンピックを記念して造幣局から発行されたものです。
発行は3回に分けておこなわれ、それぞれロゴが異なります。
1回目の発行では、「ジャンプ」がモチーフでした。
2回目の発行では、「フィギアスケート」がモチーフ。
3回目の発行では「スピードスケート」がモチーフになっています。
「天皇」や「オリンピック」に関する金貨が人気なんですね。
今後は国内の記念メダルにもアンテナを張って購入を検討するのも良いかもしれませんね。
金貨を高く売るための3つのポイント
金貨を高く売るポイントとして、次の3つがあります。
- 相場は自分で調べる
- メンテナンスしない
- 複数店で査定を受けて比較
この3点に注意することで金貨を高く売ることができます。
金の相場を調べる
金貨の売却を検討しているのであれば、現在の金価格を把握することが重要です。
金の買取相場を知っておくことで、買取を依頼した際に安く買いたたかれる心配がなくなるからです。
金の相場は、インターネット等で調べられるので買取査定前に一度調べておきましょう。
メンテナンスしない
購入した機材などを売却するとき、多くの人は「事前にクリーニングやメンテナンスをして少しでも価値を上げよう」と考えます。
しかし、この行為は金貨においてはNGです。
金はそこまで強度の高い金属ではないため、自己流でメンテナンスを行うと傷をつけてしまう可能性があります。
金貨に傷がついてしまうと価値が落ちてしまい、査定金額が下がってしまう可能性があるためメンテナンスは控えましょう。
信頼できる買取業者を選ぶ
最後に、買い取ってもらう業者は信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
買取業者の中には悪徳業者も存在していて、様々なトラブルになってしまうこともあります。
例えば、金貨の価値を低く見積もられてしまったり、高額な手数料を取られることがあります。
信頼できる買取業者として以下の点をチェックすると良いでしょう。
- 買取実績が多くある
- 専門の査定士がいる
- 査定額が正確な見積書を発行してくれる
- 査定結果について解説してくれる
買取業者の選び方も大切なんですね。
はい。中には悪徳業者もありますので、慎重に選ぶようにしましょう。
まとめ
今回の記事では金貨の価値について解説しました。
金貨と聞いて、自分には関係のないものと思いがちですが、意外と家の蔵や遺品整理で見つかることがあります。
思い出や資産として残しておくことも良いですが、もし金貨がある場合には専門の業者に依頼してみてはいかがでしょうか?
- 金貨は貨幣としてだけでなく、コレクション性も高い
- 金貨の価値は金の含有率で決まる
- 金貨には「通貨型金貨」「地金型金貨」「収集型金貨」の概して3種類ある
- 国内外で人気の金貨が多数存在する
金貨ってとても奥が深い世界なのですね。
熱狂的なコレクターが世界中にいる理由も頷けます。
資産的価値もありますので、もしみなさんのお手元に金貨があれば、ぜひ一度、査定を依頼してみてください。
「え、こんなに価値があるんだ!」と知れるだけで、うれしくなりますよ。