ブランドバッグの王様、エルメスの魅力について

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ブランドと言えばバッグが定番なのですが、ずばり一番高く売れるブランドというのはどこなのでしょうか?
すぐに思いつく有名ブランドと言えば「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「シャネル(CHANEL)」、それに「プラダ(PRADA)」や「エルメス(HERMES)」など色々出てきますよね。
もちろん買う時に高かったものほど売る時も高いに決まっているのですが、それもブランド名や人気度、そして状態などで大きく変わります。

「もともと高く売られていて」、「USEDでも高く取引されやすい」・・・結果としてリユース品が一番高く流通しやすいのはどこか…?ということを考えていくと、多くの関係者の方から「それはエルメスじゃないかな?」という答えが返ってきます。(もちろんブランドバッグに限っていますので腕時計や財布などではまた話が違ってきます)

実際に中古品流通の現場で見ていても飛びぬけて高く取引されることがあるエルメス…今回はその魅力と理由に迫っていきたいと思います。

目次

エルメスというブランドが人気な3つの理由

素材・製法としての純粋な価値

まずエルメスのバッグの特徴として、「一人の職人が最初から最後までの工程をすべて行うのが原則」とされていることは有名です。
産業革命以降分業が当たり前で、ブランド品においても「それぞれの工程のプロが分業をする」ということが当たり前の時代において、このスタイルを貫いているのは大変特徴的で、手慣れた職人であってもケリーやバーキンのような人気ラインであれば完成まで20時間以上かかる…というのが当たり前となっています。
エルメスは元々馬具を製作する工房であったというのは有名な話なのですが、そのころから続く職人気質というものもブランドイメージ確立に一役買っています。

また素材においても現在では上質な牛革である「トゴ(オスの子牛革)」「トリヨンクレマンス(牡牛の革)」「エプソン(牡牛の革に型押し加工をしたもの)」などをふんだんに目的別使用したものがほとんどで、こうした上質の革を確保し独特な手触りを持つ人気アイテムを出しているのも、エルメスのブランドイメージを支えているポイントと言っていいでしょう。
※さらにアリゲーターやクロコなど、ワニ革を使用したものもありこちらの価値はさらにその数倍となります。

ブランドステータスとしての価値

エルメスのブランドとしての人気を支えるものとしてはもう一つ「ブランドイメージそのもの」というものがあります。
もちろん素材や製法、伝統やこだわりなど一次的なブランド価値と言えるものについても、エルメスは非の打ちどころがありません。
しかしそれをさらに高めているのは「ブランドステータスの高さそのもの」と言えます。
例えばエルメスバッグの所有者としては数々の資産家、ハリウッド女優や有名なスポーツ選手が知られています。
(例えばケリーなどはかつてのモナコ王妃であったグレース・ケリーが所有したことにちなんで改名されており、バーキンも歌手のジェーン・バーキンが飛行機の中でエルメスの社長と隣り合わせになったことから生まれたモデルなのも有名です)

こうした「誕生秘話にもまつわる有名人とのつながり」「所有する人の多くがハイステータスであること」などが、エルメスの二次的なブランドイメージとなりいやがうえにもそのイメージを高めていると言えるのです。
今やエルメスはルイヴィトンやシャネル、グッチなどが居並ぶ「ハイブランド」のグループの中でも最も突き出たトップの存在として知られているのです。

資産としての価値

ここまで、エルメスのブランド価値を支える一次的な要素として素材や製法などの価値を、二次的な要素としてブランドイメージ(ステータス)をお伝えしてきました。
しかしもう一つ、最後に三次的な要素として挙げられるのが「エルメスの(投資対象としての)資産価値」ということができます。

意外と知られていないことなのですが、数年おきに新品の定価が改定され、日本の場合は毎回数万円単位で値上がりを続けているということはご存じでしょうか? この値上がり幅はもちろんエルメスならどれでも当てはまるという訳ではなくケリーやバーキンなど最高級アイテムについて言えるのですが、例えば20年前と比べると新品の価格(価値)自体も高まっています。

また供給量(生産、販売する量)が大きく抑えられているということも、バーキンやケリーなど超高級バッグの中古相場を高めることの理由になってきました。
エルメスの正規店に行ったことのある方ならわかると思いますが、ケリーやバーキンには購入制限というものがあり上限で1年間に2個までしか購入できません。
また「誰でも制限ないなら購入できる」というものではなく、転売目的と見なされた場合は在庫なし…という対応をされるといったことも中にはあるようです。

こうした需要が高い割に供給(購入)がかなり絞られていることも、資産としての価値を高めている一因なのかもしれません。

特に高く取引される定番アイテムとは?

ケリーとバーキンが定番

何といっても定番のバッグとして有名な「ケリー」「バーキン」の2つが特に高く取引されており、エルメスの顔ということができます。
それぞれサイズ別に価格が設定されておりケリーの場合は25cm,28cm,32cm,35cm、バーキンなら25cm,30cm,35cm,40cmの規格があります。

これらの新品の販売価格は素材別に設定されていて、最も安価なトゴやエプソン素材のものでもケリーは110万~138万、バーキンは116万~158万となっています(2021年現在)。
ここで特筆すべきはそれらの中古取引価格で、なかなか入手できないこともあり未使用のものをそのまま中古として取引する場合新品価格を数十万円上回ってしまう…といったケースも少なくありません。

モデルによっては中古価格>新品価格といった事態も

使い込んで使用感が大きくついたり、劣化してくるともちろん話は違うのですが、新品の販売価格が数年おきに数万円引き上げられていることもあり、新品同様のUSED相場においてもここ20年で4倍近くになるなど、大変な高騰を見せているのが事実です。

そうしたことからエルメスの正規店でも転売を意識して購入しようとする人が後を絶たず、例えばいきなり「ケリーありますか?」と在庫を聞いたとしてもあまりはっきりした答えが返ってこない…というケースもあるようです。
確かに新品を購入してすぐに転売したとしても数十万円の利益を上げたといった話も聞いたことがありますし、もちろんバーキンやケリーなどは在庫自体がなかなかない…という希少品なのですがお店側が警戒するのもよくわかります。

在庫の有無は置いておくとしても今や新品であっても購入するのにまず、信頼関係を築いた方が良い…とさえ言われているほどのアイテム、それがケリーやバーキンであり、だからこそさらに入手し、所有することの価値が高まっているのかもしれませんね!

エルメスには他にも隠れた定番がある

さて、ここまでは投資の対象にすらなり得る一部の超高級バッグを紹介してきました。
しかしもちろんエルメスにはこれ以外の定番ラインがたくさんあります。
バッグ類であれば知名度こそケリー・バーキンに及ばないもののボリードやオータクロア、エブリンやガーデンパーティーなどが有名です。
また財布であればベアンやドゴン、アザップなどの知名度もかなり高いものがあります。
またこうしたバッグ・財布以外にもエルメスではスカーフが大変有名でバリエーションもあり、未使用のまま収集しているコレクターさんもかなりいるほどの人気があります。

こうしたアイテムはバーキン・ケリーのように中古相場が新品価格を脅かしたり、投資目的になってしまうほどの高騰こそしませんが「ブランドの王様」エルメスの名に恥じず高値で取引される傾向があります。

不要なエルメスがあれば価値を確認してみる手も

ブランド品というものは総じて年式が古くなり、また使用を重ねるとUSEDで取引される価格も当然下がっていきます。 また新作が次々と登場してくることもあり、わずか数年前の年式のものであったとしても「価値が大きく下がってしまっているのでは?」と弱気になってしまうお客様も多く見てきました。

しかしエルメスに限らずいえることですが、ブランドのUSED相場というのはお客様が考える以上に活発で、需要があるものです。
本当にそのブランドが好きな方というのは少し前の年式のものでも気に入って入手したがるものですし、逆に新品ではすでに購入しづらくなっているからこそリユース(中古)市場で探していきます。
その意味ではよほど経年劣化しているか傷んでいない限りは思った以上に価値があることが多いのです。

特にエルメスについては、ケリーやバーキンなどに限らず新品の価格がかなり上がってきていること、またここまでお伝えしてきたようにブランドのイメージが複合的に強化されていていることもありますのでアイテムに関わらず思わぬ高値が付くケースがあります。
もし身の回りに不要なエルメス製品があるようでしたら、一度そうした価値を査定などで確認してみるのもいいかもしれませんね。

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この記事を書いた人

安井 理のアバター 安井 理 リユースライター

慶應義塾大学 文学部 人間関係学科卒。1999年より神奈川を中心に学習塾・結婚相談所・リユース専門店などを経営。特にリユース専門店は県内30店舗まで展開した後、戦略的バイアウト。以降は越境ECや業界特化型のライター・コラムニスト・アドバイザーとして活躍。

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