宝石(ダイヤ除く)の価値はどのように判断しているの?

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ファッションを華やかに彩ってくれるアイテムとして永く人々から愛されている宝石。
しかし時が経つにつれて流行が変わってくると使わなくなったなんて声も。
宝石は種類によってその評価基準が異なり、価値も大きく異なります。お持ちのジュエリーの価値を少しでも理解していれば、売る際にも安心ですね。
今回は宝石の基本から、宝石の価値、保管する際の注意点をご紹介いたします。

目次

そもそも宝石とは?

宝石と定義するにはいくつかのポイントがあります。

大自然が生み出したもの

地球という大きな自然界で長い年月をかけて生成され、唯一無二で一つ一つに個性があるというのが宝石の魅力と言えます。宝石には必ずインクルージョン(内包物)がありますが、そのインクルージョンがあるからこそ天然の宝石といえるのです。

美しい外観

多くの人を魅了する宝石。
古来から人々は宝石を神秘的なものとして捉え、畏怖の念をもって接し続けてきましたが、それは宝石の類い稀なる美しさ故のことだと言われています。それ故に『外観が美しい』というのは宝石を決めるうえで絶対条件です。

耐久性のあるもの

宝石は本来永く身につけられて、時を超えて受け継がれることが多いものです。そのため耐久性は宝石かどうか決めるうえで重要なポイントとなります。“モース硬度”は鉱物の硬度を表す指標で、1から10までで設定されています。その中でも宝石の硬度として定められているモース硬度「7」は、石英(クォーツ)という鉱物の硬さと同じです。石英は砂埃の中に多く含まれている物質で、石英以上の硬さを持っていないと経年劣化によって美観を失ってしまうことも。そのため、宝石の硬さの基準はこの石英のモース硬度7を基準としているのです。

希少性が高い

宝石の需要に対して、産出量や市場に出回る量が少なければ少ないほどその希少価値は上がるものです。
産出量が極めて少なかったり、産地による品質の差でその希少価値や評価も変わってきます。

宝石の種類

宝石の種類に関しては、一般的に以下のような分類に分けられますが、高く評価されるのは天然宝石のみとなります。

天然宝石

天然宝石とは人工的な処理が加わっていない宝石類のことを指します。ただし、研磨やカットは原石を美しい宝石へと変身させる過程で必須なので含まれません。

処理宝石

処理宝石とは天然宝石にエンハンスメントと呼ばれる外観を更に美しいものにするための改良や、トリートメントと呼ばれる人工処理が加えられた物を指します。

人工宝石

人工宝石とは人によって科学的に生み出された、天然宝石と化学成分・物理特性・内部構造が同じ宝石のことを指します。

人造宝石

人造宝石とは天然界には存在しない異なる物質を使用して作り出された、天然宝石に酷似した宝石を指します。

模造宝石

模造宝石とはガラス・プラスチック・陶器・骨・植物などを使用して天然宝石を模したものを指します。有名な模造宝石として挙げられるのがスワロフスキーです。

宝石の価値をきめるものは?

宝石の価値を決めるうえでいくつか重要なポイントがあります。

ブランド

宝石を見極めるうえでブランドかそうでないかは最初の判断基準となり、価値の上がる宝石はノンブランドよりブランド品のほうが確実です。
「ヴァンクリーフ&アーペル、ショーメ、メレリオディメレー、ブシュロン、モーブッサン」のパリの5大ジュエラーや、世界5大ジュエラーと呼ばれる「ヴァンクリーフ&アーペル、ハリーウィンストン、ティファニー、ブルガリ、カルティエ」などの大きなブランドのジュエリーで尚且つ状態が良好であるものは、評価が下がりにくいです。
なお、買取の際はブランド品であることを証明する付属の書類を持参すると査定がスムーズです。

トレンド

ここではジュエリーに限られますが、宝石は一般的にリングやネックレスなどジュエリーとして売られていることがほとんどです。ジュエリーはファッション同様その時その時の流行りがあります。ひと昔前は石座の高いリングが流行したものの、現在では低い物が一般的です。
このようにジュエリーのデザインも評価に影響を与えることがあります。流行りの宝石を使ったデザインや新しく発売されたアイテム・限定品などの人気アイテムだと評価は高くなる傾向が見受けられます。

カラー

宝石のカラーは需要によって評価が異なります。一般的にはルビーだと純粋で鮮やかな赤色だったりサファイアであれば色が濃く鮮やかなものが評価されます。例えば、サファイアはミャンマー産のものが価値の上がるといわれています。
それはミャンマー産のサファイアは発色が良く、透明感があり良質なものが多いからです。

産地

産地は宝石のブランドともいえるほど重要なポイントとなります。
ルビー、サファイア、エメラルドは産地によって価値が大きく異なります。これは、それぞれの産地の固有の美しさと伝統、そして産出量に大きな差があるためです。一般的に質の良い石が安定して供給できる産地のもの、古来高品質の石が産出されてきた産地のものは評価が高いです。その他、例外ではありますが鉱脈が枯渇し採石される事がなくなり今では幻の宝石と呼ばれているカシミール産のサファイアは希少価値が非常に高いです。

処理の有無

ほとんどの宝石には何らか加工処理が行われていることがほとんどです。
この加工処理の種類には大きく分けて、「エンハンスメント」と「トリートメント」の二種類があります。
エンハンスメントは、その宝石が持っている本来の美しさを引き出すために行う、最小限の加工処理を指します。
このエンハンスメント処理の場合は『天然石』との扱いを受け、宝石としての価値を失うことはないのです。
代表的なエンハンスメントとして、ルビーやサファイアの元の色をより際立たせる為に行われる加熱処理や、ワックスでざらつきをなくしたりするのがあり、どれも宝石そのものに大きな手を加えることはありません。
一方、トリートメントは元の色を変えたり、オイルや樹脂を含浸させて不要な空洞を埋めたりと、宝石そのものを大きく改変させる自然環境にはない過剰な人工的処理を施すため、できあがった宝石は天然石ではなく『処理石』とみなされます。

希少価値

宝石界には『五大宝石』と呼ばれる希少価値の高い宝石があります。それが、ダイヤモンド・サファイア・ルビー・エメラルド・アレキサンドライトです。

ダイヤモンド

宝石の頂点ともいえるダイヤモンド。ダイヤモンドは地球上で最も硬い宝石とされ、鉱物の中では最も希少性の高いという特徴を持ちます。宝飾としては無色透明なものが高品質と考えられますが、カラーダイヤモンドの中でファンシーと呼ばれているものは希少性が高く、高額で取引されています。ダイヤモンドの価値はGIAが定めた国際基準である「4C」によって決められます。

ルビー

ルビーはコランダムという鉱物からできている宝石です。コランダムは本来無色透明ですが、中でも赤いものだけがルビーと呼ばれる希少性があり、色が濃いものほど希少性は高くなります。天然ルビーの主な産地はスリランカやタイ・ベトナム・ミャンマーなどのアジア地域に偏っておりミャンマーのモゴック産ルビーは人工的な加熱処理の必要がないほど透明度が高くカラーやカラット次第ではダイヤモンドより高価なものも存在します。現在日本で発行される鑑別書で、カラーに『ピジョンブラッド』と記載されているものはミャンマー産ルビーとされ高い評価がつけられます。

サファイア

サファイアは、ルビー同様コランダムという鉱物からできている宝石で、赤色はルビー、それ以外はサファイアに分類されます。サファイアよく青色と思われている方も多いですが、色のバリエーションが豊富なのが特徴で、ピンクサファイア、イエローサファイア、バイオレットサファイアなどがあります。中でもロイヤルブルーと呼ばれる鮮やかで透明感のある青色のものは評価が高いです。

エメラルド

エメラルドはベリルという鉱物からできている宝石です。美しい緑色をしていて、石の中にインクルージョンが入りやすいのが特徴です。大きさや傷の少なさ、明るく濃い緑色が最上級とされており、中でも「キャッツアイ」と呼ばれる、石の中で猫の目の様な反射光を放っているものは希少性が高く市場でも高額取引されています。

アレキサンドライト

アレキサンドライトは、クリソベリルという鉱物のうち、光によって色が変わる変色性という特徴を持つものを指します。太陽の光の下では緑色に、蛍光灯などの灯りの下では赤紫色に見える不思議な宝石です。その特性から「昼はエメラルド・夜はルビー」と評されることも。上質の石は非常に少ないため、高い価値がつきます。中でもロシア産のアレキサンドライトは、変色効果が高く、その希少性から高額で取引されています。

宝石っておいてたら価値があがるの?

宝石の価値は質や重さで決まることがほとんどで、どれだけ時間が経過したかは評価規準に入りません。
ただ、ジュエリーのベースとなる貴金属の質や重さ、純度によっては価値が上がる可能性があります。金の相場は年々上がっているため、金素材のジュエリーであれば時間をおくと価値が上がるケースがありますが、保管方法に気を付け劣化を防ぐ必要があります。

宝石の評価を落とさない為の注意点

保管場所

宝石の中には紫外線や高温をうけると変色してしまうものがあります。保管する際は直射日光を避け、ジュエリーボックス等に入れておきましょう。

収納方法

複数ジュエリーをお持ちの方は、1つのジュエリーボックスに詰めるのではなく多少ゆとりを持たせることをおすすめします。
ジュエリー同士が傷つかず、綺麗な状態をキープできます。

メンテナンス

もし、汚れが付着した際はぬるま湯で優しく洗い流しましょう。
洗剤やブラシ等は傷や劣化の原因となります。また、注意しなければならないのが超音波洗浄です。宝石の中には超音波洗浄には向かないものがいくつもあります。もし、気になる汚れがあるようでしたら専門店に依頼するほうがよいでしょう。

いかがでしたか。
お手持ちの宝石を売りたいなら、宝石を専門とする買取店を利用することをおすすめします。
今回ご紹介したように、宝石の評価は複雑で難しく、宝石の価値や希少性・コンディションを正確に鑑定できるのは専門のプロのみです。また、査定の際鑑別書は査定額に影響する重要な付属品です。その為必ず持参することを忘れずに。もし、家に眠っているジュエリーがある方は信頼できるお店を選び、高価買取してもらいましょう。

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この記事を書いた人

安井 理のアバター 安井 理 リユースライター

慶應義塾大学 文学部 人間関係学科卒。1999年より神奈川を中心に学習塾・結婚相談所・リユース専門店などを経営。特にリユース専門店は県内30店舗まで展開した後、戦略的バイアウト。以降は越境ECや業界特化型のライター・コラムニスト・アドバイザーとして活躍。

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