エルメスの財布やバッグといったレザー製品には、刻印がされていることで知られています。エルメスの刻印は、製造年数、アトリエ、職人のイニシャルを表しているのです。
また製造年数や、素材などによって刻印が違う特徴もあります。この記事では、エルメスの刻印の意味や見方を製造年数や素材別、アイテム別に紹介します!
エルメスの刻印の意味とは?
エルメスの刻印の意味は製造年、アトリエ、職人のイニシャルを表しています。刻印の左側に製造年数を表すアルファベット、右側にアトリエ番号や職人にイニシャルが入っているのが特徴です。
しかし、アトリエの詳細や職人の情報などは非公開とされています。一般の顧客のみならず、店頭の販売スタッフも知られていないケースが多く、正規店でたずねたとしても答えられない場合が多いようです。
エルメスの製品は職人が一つ一つ丁寧に手作業で作っているため、刻印は高い技術と品質を提供している証明でもあるといえます。
エルメスの刻印|製造年数別
エルメスの刻印にはアルファベットの刻印があり、製造年数を読み取ることができます。
アルファベット一文字で表されていて、〇や□などで囲われているものもあるのが特徴です。
ここでは製造年数別の刻印をチェックしていきましょう。
1964年~1970年に製造されたものの刻印
現在確認できている刻印の中で最も古いのが1964年の「T」の刻印といわれています。
1964年~1970年までは特に枠などのない、シンプルなアルファベットの一文字で表されているのが特徴です。
製造年数 | 刻印 |
---|---|
1964年 | T |
1965年 | U |
1966年 | V |
1967年 | W |
1968年 | X |
1969年 | Y |
1970年 | Z |
1971年~1996年に製造されたものの刻印
1971年からはアルファベットが〇で囲まれた刻印となっていて、1996年のⓏまで続いています。
製造年数 | 刻印 |
---|---|
1971年 | Ⓐ |
1972年 | Ⓑ |
1973年 | Ⓒ |
1974年 | Ⓓ |
1975年 | Ⓔ |
1976年 | Ⓕ |
1977年 | Ⓖ |
1978年 | Ⓗ |
1979年 | Ⓘ |
1980年 | Ⓙ |
1981年 | Ⓚ |
1982年 | Ⓛ |
1983年 | Ⓜ |
1984年 | Ⓝ |
1985年 | Ⓞ |
1986年 | Ⓟ |
1987年 | Ⓠ |
1988年 | Ⓡ |
1989年 | Ⓢ |
1990年 | Ⓣ |
1991年 | Ⓤ |
1992年 | Ⓥ |
1993年 | Ⓦ |
1994年 | Ⓧ |
1995年 | Ⓨ |
1996年 | Ⓩ |
1997年~2014年に製造されたものの刻印
1997年からはアルファベットを□で囲んだ刻印に切り替わっています。Aから始まり、2014年のRまで順に続いているのが特徴です。
製造年数 | 刻印 |
---|---|
1997年 | 🄰 |
1998年 | 🄱 |
1999年 | 🄲 |
2000年 | 🄳 |
2001年 | 🄴 |
2002年 | 🄵 |
2003年 | 🄶 |
2004年 | 🄷 |
2005年 | 🄸 |
2006年 | 🄹 |
2007年 | 🄺 |
2008年 | 🄻 |
2009年 | 🄼 |
2010年 | 🄽 |
2011年 | 🄾 |
2012年 | 🄿 |
2013年 | 🅀 |
2014年 | 🅁 |
2015年~2023年製造されたものの刻印
2015年からは再び囲いのないアルファベットで表されています。ただし、順不同になっているのが特徴です。
古い刻印はアルファベット順なので製造年数を計算できますが、2015年からの刻印はアルファベット順ではないため、製造年数ごとのアルファベットを確認する必要があります。
製造年数 | 刻印 |
---|---|
2015年 | T |
2016年 | X |
2017年 | A |
2018年 | C |
2019年 | D |
2020年 | Y |
2021年 | Z |
2022年 | U |
2023年 | B |
エルメスの刻印|素材別
エルメスの刻印は素材によっても違いがあります。エルメスのレザー製品には主に爬虫類系の素材を使用しているのが特徴です。
ここでは「クロコダイルポロサス、クロコダイルニロティカス、アリゲーター、リザード」の4つの素材別で刻印の特徴を見ていきましょう。
クロコダイル ポロサス
クロコダイルポロサスとは小型のワニの腹部を使用した素材で、エルメスの中でも最高級の革といわれています。クロコダイルポロサスは「Λ」の刻印が特徴です。
クロコダイル ニロティカス
大型のワニを使用した素材をクロコダイル ニロティカスと呼び、「ニロティカス」はナイル川を意味します。
クロコダイル ニロティカスは「●●」の刻印が特徴です。ポロサスよりもマットな質感で、落ち着いた雰囲気のある素材になっています。
アリゲーター
アリゲーターもワニの一種で、大きめの斑が特徴的な素材です。アリゲーターには「□」の刻印がされています。
素人目ではワニ革の違いがいまいちわからなくても、刻印の形によって見分けることが可能です。
リザード
リザードは東南アジアのトカゲの革を使用した素材で、細かくきれいに並んだ斑が特徴的です。リザードには「ー」の刻印がされています。これらの刻印はすべてエルメスのロゴ付近に刻まれている特徴があります。
ワニ革とひと口にいってもさまざまな種類があるため、素材別の刻印を覚えておくことで、どのワニ革を使用しているのか確認するのに役立つでしょう。
エルメスの刻印|その他
エルメスの刻印は素材以外にも、通常とは違う特別な製品であることを証明する刻印があります。
主に、スペシャルオーダー品や関係者向けに作られた製品、ソルド品(アウトレット)などの刻印です。ここでは、それぞれの刻印の特徴を確認していきましょう。
スペシャルオーダー品
スペシャルオーダー品には馬の蹄のマークが刻印されています。スペシャルオーダーは、エルメスの顧客の中でも一部の人しかできません。
素材を始め、カラーや金具など自分だけのオリジナルのエルメス製品をオーダーできるスペシャルなシステムです。
スターマーク
エルメスの関係者向けに作られた製品には、流れ星の刻印がされていて、通称「スターマーク」と呼ばれています。
スターマークは一級の職人が作った証明として、上顧客に向けた製品にも刻印される場合があるといわれています。
スターマークはとてもめずらしく、ごく稀な刻印として知られていて、希少性が高いのが特徴です。おしゃれさと可愛らしさのあるデザインも魅力になっています。
ソルド品
ソルド品とはセール品を意味する言葉です。ソルド品には「S」の刻印がされています。
エルメスでは定期的に上顧客に向けたセールを行っていて、そこで提供される製品はロゴの下や横に「S」と刻印される特徴があります。
セールは海外のみならず日本でも開催されていますが、入場するためには基本的に招待券が必要です。
エルメスの刻印場所2つ|アイテム別
エルメスの製品では主にバッグや財布に刻印がされていますが、製品のデザインによって刻印場所が異なります。
わかりづらい場所に打刻されているケースも多いため、お手持ちのエルメス製品の刻印を見つけられない人もいるかも知れません。
ここでは、エルメスのバッグと財布の刻印場所をデザイン別でチェックしていきましょう。
1.バッグ
エルメスのバッグにはさまざまな種類がありますが、ここではエルメスの中でも高い人気を誇る「バーキン・ケリー・リンディ」の3つの刻印場所を紹介します。
バーキン
エルメスのシンボルであり、希少価値も高いとされるバーキンは、2014年以前と以降で刻印場所が変わっています。
2014年以前に製造されたバーキンは、正面向かって右側のベルト裏に刻印されていますが、2015年以降は正面向かって左側のベルト裏に刻印されているのが特徴です。
ケリー
台形型のデザインと持ち手が一本なところが特徴のケリーも、バーキン同様に2014年以前と以降で刻印場所が変わっています。
2014年以前に製造されたケリーは正面向かって右側のベルト裏に刻印されていました。2015年以降は左側のマチ上部分でバッグの内部に刻印されています。
リンディ
2WAY使用で収納力もあるリンディは、留め具ベルトの裏側に刻印があります。リンディにはミニサイズもあり、こちらは内側のサイドポケットの中に刻印されているのが特徴です。
内側のサイドポケットの中は非常に見づらいため、携帯のライトを照らすなどすると見つけやすくなります。
2.財布
エルメスの財布の中でも人気の高い「シルキーポップ・ベアンスフレ・ドゴン」の刻印場所を紹介します。
シルキーポップ
閉じた状態だと手帳のようにも見える、シンプルなデザインが魅力のシルキーポップは、内側ファスナーの周辺に刻印されています。
ファスナーに沿ってたどっていくと刻印を見つけやすいですが、稀にシルク部分との縫い目に巻き込まれて見えにくくなっている場合もあります。
また、擦れによって見えなくなるケースもあると覚えておきましょう。
ベアンスフレ
エルメスの財布の中でも定番モデルのベアンスフレは、コインケースの裏側のお札入れ内側に刻印があります。ただし古いタイプのものは、コインケース内部に刻印があるといわれています。
コインケースの裏側のお札入れは開きにくいため、内側の刻印がわかりづらいかも知れません。ライトを当てるなどして探してみると良いでしょう。
ドゴン
収納力が高く、使い勝手が良いことで知られるドゴンは、カードポケットの裏側のお札入れ内側に刻印があります。こちらも非常に見つけにくいですが、開いてライトを当てて確認するのがおすすめです。
「刻印なし」は偽物?
エルメスのバッグや財布の中には、稀に刻印なしのものがあります。しかし、刻印なしだからといって偽物と一概にはいえません。
なぜなら刻印はアトリエの職人が自由につけるものだからです。そのため、職人によっては刻印をつけなかったり、他の場所に刻印をつけたりするケースもあります。
もしもお手持ちのエルメス製品が刻印なしだとしても、偽物だったと焦る必要はないでしょう。
お手持ちのエルメス製品の刻印をチェックしてみよう
エルメスの刻印の意味は製造年、アトリエ、職人のイニシャルを表しています。製造年はアルファベット一文字で表されていて、素材別の刻印があるのも特徴です。
また、特別な製品であることを証明する刻印などもあります。バッグと財布はデザインごとに決められた場所に刻印されているケースが多いですが、稀に刻印場所が違うものや刻印なしのものがあるため、刻印はあくまでも参考に留めておくと良いでしょう。
お手持ちのエルメス製品がある場合には、ぜひ刻印をチェックしてみてはいかがでしょうか。
中古のエルメスを買取希望の方はジュエルカフェまで
ジュエルカフェでは中古のエルメスの買取を強化中です。使わなくなったエルメスのバッグや財布がある方は、買取を検討してみてはいかがでしょうか。
以下はエルメスの買取実績です。
・エルメス バーキンの買取実績(価格不明)
・エルメス ケリー28の買取実績(価格不明)
・エルメス ドゴンの買取実績(価格不明)