高価買取してもらえるプレミア切手の見つけ方とは

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貴金属やブランド品、チケットなどの買取店を経営していると現場でお客様の気軽な相談が多いものとして「切手」が挙げられます。
私の経験としてその中でも一番多いのは「昔収集していた切手がかなりある。ただ、価値があるかわからないので一度見てほしい」という相談です。

また「プレミアがついて高価買取になると思ったが違った…」というギャップが生まれてしまうことがあります。
切手とは、ただ古ければ価値が出て高価買取されるという訳でもありませんし、そもそも「どういうものにプレミアがつきやすいのか」よく知らない人が多数派なのではないでしょうか。
今回はプレミアの付きやすい切手の種類・探し方などについてお伝えしていきたいと思います。

目次

プレミア切手の探し方

そもそもプレミア切手って?

よく、身近にある切手を持参され「この切手、プレミアはつくかな?」というご相談を受けることがありますが、そもそも「プレミア切手」とはどういうものを指すのでしょうか?
何となく「高価買取してもらえる切手のことを指す」と、ざっくりしたイメージをお持ちの方もいるのですが大体あたりで、切手の場合「額面金額よりも(少しであっても)高い価値で取引されるようになったもの」のことを指します。
極端な話「額面10円の切手」に「20円の価値が付いた」状態でも「(差額の10円の→)プレミアがついた」ということになるわけです。

切手は通常、はがきや封筒に張り付けて使用しますがその場合最大でも「その額面の数字」以上の価値は発揮されません。
そしてプレミアがつかない「普通の切手」の場合、売却しようとしてもある程度価値が目減りしてしまうのが普通です。
その意味で「逆に価値が上がるプレミア切手」は、もしあるのであればぜひ見つけ出したい代物ですよね!

どんな切手にプレミアがつきやすいのか?

日本では1960年代をピークに「切手収集ブーム」が起きたので、そのころの切手を大量にコレクションされている方も多いのですが、どのようにして探せばいいのでしょうか?

以前にお伝えしたコラム「切手を高く売る方法」でお伝えしたことがありますが、今回簡単にまとめてお伝えすると次のようなものがあればプレミアがつく可能性が高いと言えます。

●ともかく古い…1960年代より前のものであれば可能性あり

もちろん、ただ古ければプレミアがつくというものではありません。
しかし切手は古いものほど現存数(流通量)が少ないので、その分希少になりプレミアがつくことがあります。
年代としては昭和30年代に切手収集ブームが起きているので、その時期かそれ以前ということになります。
また「円」ではなく「銭」単位のさらに古い切手であればさらに有望と言えます。

●流通している数が少ない…特に限定発行

普通の切手は古いものほど少ないのですが、それでもかなりの数が発行されています。
しかし発行段階で何かを記念して「数が限定」されているものは俗に「特殊切手」とも言われ、プレミアがつきやすいです。 有名なものでは1961年~64年まで発行された「東京オリンピック記念切手」などがありますね!

●デザインに人気があるもの…浮世絵デザインなら可能性大

一口にデザインと言ってもわかりにくいのですが、デザインというと最近では「20世紀デザイン切手」でプレミアがつくのがよく知られていますが、古めのものでは江戸時代の画家による絵柄などが挙げられます。
よく知られているのは1974年に発行された「切手趣味週間シリーズ」の1つである「浮世絵切手」が挙げられ、その中でも「見返り美人」「月に雁」「浮世源氏八景」「まりつき」「山下白雨の富士」「ビードロを吹く娘」などは、高額が付くプレミア切手の代表として知られています。

●外国の切手…特に中国のものが有名

海外切手でプレミアの付く代表格と言えば、何といっても「中国」切手です。
特に文化大革命以前(1965年より古い物)は現存数がかなり減ってしまっているのでプレミアがつくものがかなりあります。 総じて日本のプレミア切手より高額で、1枚当たり「万円」の単位で取引されることも多いです。
一目見てわかる有名なものは「赤猿」切手ですが、他にも多彩にありさらに高額になるものとしては「全国の山河は赤一色」「梅蘭芳舞台芸術」などが存在します。
※外国の切手は稀に偽物もあるので注意が必要です。

プレミア切手を高価買取してもらうための扱いとは?

●「未使用」が原則。ただし例外もあり

たまに「消印」が付いた使用済みの切手を持ち込まれる方がいますが、基本的には買取対象にはなりません。
(「使用できない」切手ということになるので、よほどのプレミアでなければ無効になると思っておきましょう)
ただ特殊な例として「切手が発行された初日の消印」や、「オリンピックなどイベントの記念切手で、その当日の消印がある」といった場合はかえって評価が高まるケースもあります。

●プレミアの価値は変動するので、下落にも注意

額面以上の価値が付く「プレミア」は、あくまで需要と供給のバランスで自主的に決まっているものです。
「相場」と同じで価値は上下するので、価値を保証されるものではないことを理解しておきましょう。
大きな流れとしては、切手を収集する人はやはりブームが昔ということもあり減っています。
「需要(コレクターさんの数)」が減る分、特に国内切手については昔ほど高価買取はされないケースも出てきているので、早めに売るというのも1つの方法です。

●バラよりシートの方が有利

切手は5枚1組、10枚1組、またデザイン切手であれば複数のデザインが1枚のシートにまとまって販売されるものも多いです。
プレミアがつかない切手でも「シートなら買い取り率は高い」傾向にありますし、プレミアではなおさらです。
できる限りバラにせず、シートのままで保管しておきたいものです。
※少しでも切れ目が入ると「バラ」扱いされてしまうので注意が必要です。

●保存状態の管理も大切

「昔収集していた切手を見てほしい」とお持ちになる方はよくいるのですが、中には変色したり丸まっていたり、カバーに張り付いて取れなくなっていたりなどメンテナンスで残念な状態ということもよく見かけます。
いわゆるストックブック(切手用のアルバムのようなもの)に保管するのが定番ですが、さらに劣化を防ぐなら理想はヒンジ(薄くノリの付いた紙)やマウント(保管用フィルム)などを使用するといいでしょう。
タッパーなどに保管するのもいい方法ですが、長期間保存の変色を防ぐため、あまり光を浴びる環境にはおかない方が良いです。

持っていればラッキー? プレミアがつくおススメ切手10選!

浮世絵切手は高価買取されるプレミア切手の定番

〇「見返り美人」

江戸時代の画家「菱川師宣」の作品が元となっていて、発行部数が100万以上と多いので比較的よく見かけます。
5枚シートであれば10万円前後で取引された時期もある代物ですが、高い価値があるのは1948年から発行されたバリエーションで、平成に入ってから復刻で新しく出たものについてはそれと比べると落ちる傾向があります。

〇「月に雁」

江戸時代の画家「歌川広重」の作品が元となっています。
1949年に発行されたこの切手は200万枚と発行部数も多めなのですが、何といってもデザインが人気で海外コレクターにも人気があります。 (額面が8円のものでもバラで5000円前後で高価買取されることがあります)
こちらも「復刻版」が存在しますが、価値は落ちてしまうので注意です。

〇「まりつき」

女性がまりをついている絵柄から「まりつき」と言われるこの切手は同じく江戸時代の画家「鈴木春信」の浮世絵がモチーフです。
比較的ブーム後期の1957年「切手趣味週間」に発売されたもので、価値は発行日が古い物ほどではないものの、額面の数倍~シートであれば10倍を超えて取引される場合があります。

〇「ビードロを吹く娘」

江戸時代の画家「喜多川歌麿」の作品がモチーフとされ、1950年代に登場したのですが当時話題性が高く売り切れが続出したデザインです。(額面10円ですが、シートで数万円した時期もあったようです)
現在ではさすがにそれほどのプレミアはつかないものの、バラでも額面の10倍前後で取引されている例もありシートならさらに価値があります。

〇「山下白雨の富士」

江戸時代の画家「葛飾北斎」が描いた「富岳三十六景」の1つがモデルとなっており、1947年に300万部が発行されたものです。
「黒富士」とも言われるように富士山の色が黒っぽいのが特色ですが、インクの微妙な濃さ(時期によって違う)により価値が変わるというマニアックな面もあります。

中国切手もプレミアの宝庫

〇「赤猿切手」は中国プレミア切手の定番

比較的新しく発行された切手(1980年)で、赤い背景に猿が描かれています。
当時の中国では革新的な精密デザインで人気を博し、郵送中に盗まれてしまうなどの話題性があり発行部数も抑えられました。
数十万円の高額で取引されることもあり偽物も流通しているようですので注意して扱う必要はありそうです。

〇「毛沢東」が描かれている切手はプレミアの可能性大

いくつかの種類があるのですが、毛沢東が描かれている切手というのは文化大革命時代(1960年代後半~70年代前半)にかけて発行されたものになります。
この時代中国では切手の収集が禁止されたこともあり、未使用で流通しているものはかなり少ないこともプレミアがついて高価買取されやすい理由ですね。
デザインによりプレミアの有無・程度は異なるのでここに確認・査定した方が良いと思いますが有名なものは「毛沢東の最新指示切手」や、「長寿を祝う切手」などがあります。
こちらも未使用であれば、1枚数十万円になる場合もあります。

〇「大パンダ切手」

日本で比較的流通量の多い中国プレミア切手として「大パンダ切手」があります。
水墨画でパンダが描かれたこの切手は1963年、1973年と2回発行されましたが後者がちょうど上野動物園にパンダが来た時期と重なるため日本でも購入者が多かったようです。
逆に第一次(1963年)発行のものは中々出回らず、希少性(プレミア)は高くつく傾向があります。

〇「菊シリーズ」切手

1960年前後に中国で18種類が発行された切手です。様々なデザインの菊が描かれていますが、その中でも発行部数が少なめなものに希少価値があります。
この時代の切手は文化大革命で収集が禁止され、未使用のものがほとんど残っていないことも高価買取される理由の一つと言えるでしょう。

〇「牡丹シリーズ」切手

菊シリーズより少し後の1964年に発行されたもので、デザインは15種類ありますが美しいのでどれもとても人気です。 仮に使用済みであっても数百円~数千円で取引される場合もあるほど、人気のあるデザイン切手です。

他にもさまざまな種類のプレミア切手があります

上記では「古典的な浮世絵デザイン」「中国切手」の2つのジャンルから10種類のプレミア切手をご紹介しましたが、もちろんこれ以外にも日本ではオリンピック記念や20世紀デザイン切手、立太子記念切手などプレミアの付く切手は多々あります。

中には知らず知らず所有しているものもありますし、何気なく昔収集していた切手の中にも実はプレミアがついていた…! というものもあるかもしれません。
逆にプレミアがついているのを見逃してしまい、他と二束三文にして売ったり処分してしまった…ということであればとてももったいないですよね。

今回は「こういうものを見かけたら高価買取可能な切手かも?」ということでプレミア切手の特徴や種類をお伝えしましたが、もし判断が難しいものがありましたら是非、お近くの買取店で査定に出してみることをお勧めします!

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この記事を書いた人

安井 理のアバター 安井 理 リユースライター

慶應義塾大学 文学部 人間関係学科卒。1999年より神奈川を中心に学習塾・結婚相談所・リユース専門店などを経営。特にリユース専門店は県内30店舗まで展開した後、戦略的バイアウト。以降は越境ECや業界特化型のライター・コラムニスト・アドバイザーとして活躍。

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