個人間、そして買取店を介して売買が盛んなものの一つに金券(チケット)があります。
買い物や交通費などに充当でき、「現金の代わり」として使用できるチケットはある意味「もっとも現金に近い感覚で取引される」品物になりますし、「額面金額」に最も近い価値で取引されるアイテムといえます。
文字通り「金券」という言葉からも生々しいニュアンスがあるのですが、同時に紙素材でできているものが多いことから、「偽札」のように偽造されやすい…というイメージを持つ人も多いようです。
金券の偽物についての不安・相談はいただくので、今回はチケット類の偽物やその見分け方などについてお伝えしていきます。
主にどのようなチケットが偽造されているのか
過去に発覚した有名な偽造チケット事件とは
もっとも最近ニュースにもなった金券(商品券)の偽物事件といえば、何といっても「JCBギフトカード」の偽造券発覚が挙げられるでしょう。
2020年1月にJCBが1000円券の偽造カードの存在を告知し、真正券との違い(見分け方)も公表したのですが、前後して東京・名古屋・大阪などで偽造券が(他の額面金額のものも含めて)2700枚以上確認され、その後も流通が疑われました。
有名なところではブランドショップで55万円の「シャネルのブランドバッグ」購入に偽のギフトカード111枚が差し出され、おかしいと感じた店員が確認をしたところやはり偽造券で逮捕につながった…というものもあります。
これは額面金額も大きく、取引価格も高いJCBで、偽造規模も大きいことで報道までされた例ですが、その他いろいろなチケット・ギフトカードでの偽造というのも後を絶ちません。
現在ではこうしたクーポン自体デジタル化されつつあり、また偽造対策も高度になってきたので偽物の心配も徐々に減ってきているとは言えますが、自衛をするための知識を持つことも大切です。
偽造されやすいチケットの特色
まずチケット・金券すべてについて「これは偽物では?」と、手当たり次第に心配・確認をするのは少しやりすぎかもしれません。
過去の例を見ても、偽造されるチケットにはある程度の共通点があり、それに当てはまらないものの場合事例として、偽物の流通はそれほど多くは聞かないからです。(例外はあります)
その共通点というのを大雑把にまとめると、
〇流通量が多いor額面金額が大きい
〇スカシなどの偽造対策がそれほど進化していない昔ながらのデザインのものが出回っている
という2つが、大きく挙げられます。
それこそちょっと性能の良いコピー機で作られるような劣悪なものを除けば、偽物の金券を作るのにはかなりのコストがかかるもの。
※精巧なものほどホログラムやナンバリングなどでコストをかけることになります。
偽造する側から考えれば元を取るために大量に偽物を流通させ、金額的にも相当な偽金券を「製造・発行」しなければいけないわけで、だからこそ知名度が高く、メジャーな商品券・金券が狙われやすいと言えます。
※JCBギフトカード以外の例だと、ビール券や自社発行のギフト券などが狙われやすいようです。
またJCBを初めとした「発行側」もこうした偽造対策を進化させ、新しいデザインの商品券などを発行していますが「古いデザインのもの」がまだ出回っている場合そちらは比較的偽造しやすいので、そうした旧券に混じって偽物が出回ってしまうケースもあるようです。
偽造対策の進化で、こんな変化が起きている
このコラムの最初でJCBギフトカードの偽造事件をお伝えしましたが、こうした事件は多くの金券で以前から何度も繰り返されてきました。
そこで1990年以降は単に精巧な真似しづらい印刷をするだけでなく、技術的に偽造を難しくするノウハウが導入されていきます。
〇角度を変えて見ることにより特定の見え方をするホログラム
〇金属を伸ばしたものを貼りつける箔押し加工(ホットスタンプ)でマネしづらくする
〇チケット作成の際有効な「偽造防止用紙」や、「偽造防止印刷」という技術が普及しローコストで用いられるようになる
〇蛍光インク・透明インクなどの使用で「ブラックライトを当てると模様が浮かぶ」など真贋判定を容易にする技術が普及する
こういった技術の普及で、現在では偽物が登場してもほとんど時間を置くことなくその存在が告知され「こういう方法で本物かどうか見分けられます!」というノウハウ・注意が共有されるまでのスピードが上がってきているので安心度も高まりつつあると言えます。
偽物チケットをどのようにして見分けていくのか
従来からよくあるチケットの真贋判定方法
一口に偽造チケット(商品券)といっても、精巧に作られたものとそれほどの水準ではない偽物があります。
比較的質の高くない偽造品の場合、従来からよく使われているチケットの真贋判定方法で看破できることも多いものです。
具体例としては、
〇コピー機にかけるとコピーした方に「COPY」や「無効」といった字が出てくるかどうか
〇ホログラムなどで、角度を変えて見ると特定のシンボルが見えるかどうか
〇ブラックライトを開けると文字やシンボルが浮かび上がるかどうか
〇その他カット部分や手触りなど、デザイン部分に違和感がないか
といったことです。
これらについては、それぞれのチケット発行元から真正券の特徴や偽造との見分け方が公開されているものも多く、心配な人はそれを調べて確認していくのが一番の「自衛策」といえるのではないでしょうか。
個人でできる2つの偽造対策とは
チケットだけでなくブランド品・時計などにも言えることなのですが、一番大切な偽造対策は「出所の確かなところから購入する」ことに尽きると思います。
以前、発覚した偽物について出所を直接聞き取り確認したこともあるのですが、ほとんどの場合「少しでも安く入手するためオークションサイトや格安店などで購入した」という共通点がありました。
チケットについて言うと、もちろんチケットショップなどで販売されているチケットについては買取時に査定を通していますから「ほとんどの場合は安全」といえます。
ただ、正規の発行元が100%安全といえるのに対してわずかではありますが偽造品が紛れ込むリスクが無いわけではないので、本当に気にしてしまう人は正規発行元からの購入にこだわった方が良いと思います。
それでもチケットショップなどはまだまだ安全な方で、「個人間取引」(オークションやフリマなど)では偽物チケットを購入してしまう…という事例がそれなりにあるようです。
そうした取引では安価に購入できるというメリットはあるのですがトラブルが起きがちということもあるので、どうしても利用するのであれば慎重に慎重を重ねて取引することをお勧めします。
個人として「偽物を買わないため」自衛できる方法のもう一つが、そのチケットごとの偽物情報を「できる限り事前に」つかんでおくことです。
最近では偽造チケットが出回るとかなり早い段階で「ここが本物と違う!」といった情報がネットでも流れていることが多いです。
「○○チケット 偽物」というように検索をすればその特色や入手経緯などを共有できる場合もあるので、そうしたことを参考にして取引に臨むようにすればかなりリスクも減るはずです。
多くのケースでは取引をしてしまった後に「怪しい…」と思って検索し気づくのですが、本当に心配であれば事前にリサーチしてみましょう。
デジタルギフト券についてはまだまだ注意が必要
また、最近よく聞くトラブルに「Amazonギフト券」によるものもあります。
これは偽造とはまた違うトラブルなのですが、売却後に記憶しておいたギフトコードを使用して使ってしまうという手法によるものです。
デジタル型ギフト券の場合「視覚的な偽造(ここが違う、という点)」が存在しないので厄介で、折角入手したギフト券が「使用済み」というのはシャレにならないですよね…。
こうしたデジタルギフト券について、多くの金券ショップ(買い取り店含む)では取り扱っていないのですが一部には扱っている所もあります。
買取の際には身分証の提示などがありチェックはされますがそうした「確信犯」の場合それも当てにならないと言えるので、デジタル関係についてはリスクも高く中間業者を介した購入はまだまだ見合わせた方が良いかもしれません。
個人間、そして買取店を介して売買が盛んなものの一つに金券(チケット)があります。
買い物や交通費などに充当でき、「現金の代わり」として使用できるチケットはある意味「もっとも現金に近い感覚で取引される」品物になりますし、「額面金額」に最も近い価値で取引されるアイテムといえます。
文字通り「金券」という言葉からも生々しいニュアンスがあるのですが、同時に紙素材でできているものが多いことから、「偽札」のように偽造されやすい…というイメージを持つ人も多いようです。
金券の偽物についての不安・相談はいただくので、今回はチケット類の偽物やその見分け方などについてお伝えしていきます。
主にどのようなチケットが偽造されているのか
過去に発覚した有名な偽造チケット事件とは
もっとも最近ニュースにもなった金券(商品券)の偽物事件といえば、何といっても「JCBギフトカード」の偽造券発覚が挙げられるでしょう。
2020年1月にJCBが1000円券の偽造カードの存在を告知し、真正券との違い(見分け方)も公表したのですが、前後して東京・名古屋・大阪などで偽造券が(他の額面金額のものも含めて)2700枚以上確認され、その後も流通が疑われました。
有名なところではブランドショップで55万円の「シャネルのブランドバッグ」購入に偽のギフトカード111枚が差し出され、おかしいと感じた店員が確認をしたところやはり偽造券で逮捕につながった…というものもあります。
これは額面金額も大きく、取引価格も高いJCBで、偽造規模も大きいことで報道までされた例ですが、その他いろいろなチケット・ギフトカードでの偽造というのも後を絶ちません。
現在ではこうしたクーポン自体デジタル化されつつあり、また偽造対策も高度になってきたので偽物の心配も徐々に減ってきているとは言えますが、自衛をするための知識を持つことも大切です。
偽造されやすいチケットの特色
まずチケット・金券すべてについて「これは偽物では?」と、手当たり次第に心配・確認をするのは少しやりすぎかもしれません。
過去の例を見ても、偽造されるチケットにはある程度の共通点があり、それに当てはまらないものの場合事例として、偽物の流通はそれほど多くは聞かないからです。(例外はあります)
その共通点というのを大雑把にまとめると、
〇流通量が多いor額面金額が大きい
〇スカシなどの偽造対策がそれほど進化していない昔ながらのデザインのものが出回っている
という2つが、大きく挙げられます。
それこそちょっと性能の良いコピー機で作られるような劣悪なものを除けば、偽物の金券を作るのにはかなりのコストがかかるもの。
※精巧なものほどホログラムやナンバリングなどでコストをかけることになります。
偽造する側から考えれば元を取るために大量に偽物を流通させ、金額的にも相当な偽金券を「製造・発行」しなければいけないわけで、だからこそ知名度が高く、メジャーな商品券・金券が狙われやすいと言えます。
※JCBギフトカード以外の例だと、ビール券や自社発行のギフト券などが狙われやすいようです。
またJCBを初めとした「発行側」もこうした偽造対策を進化させ、新しいデザインの商品券などを発行していますが「古いデザインのもの」がまだ出回っている場合そちらは比較的偽造しやすいので、そうした旧券に混じって偽物が出回ってしまうケースもあるようです。
偽造対策の進化で、こんな変化が起きている
このコラムの最初でJCBギフトカードの偽造事件をお伝えしましたが、こうした事件は多くの金券で以前から何度も繰り返されてきました。
そこで1990年以降は単に精巧な真似しづらい印刷をするだけでなく、技術的に偽造を難しくするノウハウが導入されていきます。
〇角度を変えて見ることにより特定の見え方をするホログラム
〇金属を伸ばしたものを貼りつける箔押し加工(ホットスタンプ)でマネしづらくする
〇チケット作成の際有効な「偽造防止用紙」や、「偽造防止印刷」という技術が普及しローコストで用いられるようになる
〇蛍光インク・透明インクなどの使用で「ブラックライトを当てると模様が浮かぶ」など真贋判定を容易にする技術が普及する
こういった技術の普及で、現在では偽物が登場してもほとんど時間を置くことなくその存在が告知され「こういう方法で本物かどうか見分けられます!」というノウハウ・注意が共有されるまでのスピードが上がってきているので安心度も高まりつつあると言えます。
偽物チケットをどのようにして見分けていくのか
従来からよくあるチケットの真贋判定方法
一口に偽造チケット(商品券)といっても、精巧に作られたものとそれほどの水準ではない偽物があります。
比較的質の高くない偽造品の場合、従来からよく使われているチケットの真贋判定方法で看破できることも多いものです。
具体例としては、
〇コピー機にかけるとコピーした方に「COPY」や「無効」といった字が出てくるかどうか
〇ホログラムなどで、角度を変えて見ると特定のシンボルが見えるかどうか
〇ブラックライトを開けると文字やシンボルが浮かび上がるかどうか
〇その他カット部分や手触りなど、デザイン部分に違和感がないか
といったことです。
これらについては、それぞれのチケット発行元から真正券の特徴や偽造との見分け方が公開されているものも多く、心配な人はそれを調べて確認していくのが一番の「自衛策」といえるのではないでしょうか。
個人でできる2つの偽造対策とは
チケットだけでなくブランド品・時計などにも言えることなのですが、一番大切な偽造対策は「出所の確かなところから購入する」ことに尽きると思います。
以前、発覚した偽物について出所を直接聞き取り確認したこともあるのですが、ほとんどの場合「少しでも安く入手するためオークションサイトや格安店などで購入した」という共通点がありました。
チケットについて言うと、もちろんチケットショップなどで販売されているチケットについては買取時に査定を通していますから「ほとんどの場合は安全」といえます。
ただ、正規の発行元が100%安全といえるのに対してわずかではありますが偽造品が紛れ込むリスクが無いわけではないので、本当に気にしてしまう人は正規発行元からの購入にこだわった方が良いと思います。
それでもチケットショップなどはまだまだ安全な方で、「個人間取引」(オークションやフリマなど)では偽物チケットを購入してしまう…という事例がそれなりにあるようです。
そうした取引では安価に購入できるというメリットはあるのですがトラブルが起きがちということもあるので、どうしても利用するのであれば慎重に慎重を重ねて取引することをお勧めします。
個人として「偽物を買わないため」自衛できる方法のもう一つが、そのチケットごとの偽物情報を「できる限り事前に」つかんでおくことです。
最近では偽造チケットが出回るとかなり早い段階で「ここが本物と違う!」といった情報がネットでも流れていることが多いです。
「○○チケット 偽物」というように検索をすればその特色や入手経緯などを共有できる場合もあるので、そうしたことを参考にして取引に臨むようにすればかなりリスクも減るはずです。
多くのケースでは取引をしてしまった後に「怪しい…」と思って検索し気づくのですが、本当に心配であれば事前にリサーチしてみましょう。
デジタルギフト券についてはまだまだ注意が必要
また、最近よく聞くトラブルに「Amazonギフト券」によるものもあります。
これは偽造とはまた違うトラブルなのですが、売却後に記憶しておいたギフトコードを使用して使ってしまうという手法によるものです。
デジタル型ギフト券の場合「視覚的な偽造(ここが違う、という点)」が存在しないので厄介で、折角入手したギフト券が「使用済み」というのはシャレにならないですよね…。
こうしたデジタルギフト券について、多くの金券ショップ(買い取り店含む)では取り扱っていないのですが一部には扱っている所もあります。
買取の際には身分証の提示などがありチェックはされますがそうした「確信犯」の場合それも当てにならないと言えるので、デジタル関係についてはリスクも高く中間業者を介した購入はまだまだ見合わせた方が良いかもしれません。